メンタルヘルスとは?専門家が教える!職場で行うべき7つの対策&教育

医師に聞く、メンタルヘルス

コロナ渦において、社員たちのメンタルヘルスケアが重要視されている今、改めて大切にしたいことを専門家である伊井先生にインタビューしました。

伊井 俊貴先生のプロフィール


メンタルコンパス 株式会社代表取締役・愛知医科大学非常勤講師

中学生のときから精神科医を目指し、10年間カウンセリングを研究してきました。日本若手精神科医の会理事長を歴任して、日本や世界のメンタルヘルスに関する知見を深めた後、2018年、組織からのメンタルの問題解決を目指し、メンタルコンパス株式会社を起業しました。

現在は、Googelが証明し炭鉱労働者から火星探索まで、現代のチームビルディングで最も重視されている心理的安全性(意見を言いやすいチームの雰囲気)を高める管理職を、専門の精神科医が最新の心理学である心の柔軟性(柔軟に対応して問題を解決する力)によりトレーニングする管理職研修「カントレ」を実施しています。管理職研修を通じて、組織の生産性を高めるプロジェクトです。

メンタルヘルスとは?

まず、メンタルヘルスとは何か教えてください。──

 

メンタルヘルスとは、心の健康のことを言います。
コロナ渦において、テレワークも増えたため企業における人材管理、社員の心のメンタルヘルスを尊重すべき時代になってきました。

企業にとって最も重要な資産である人材のメンタル不調が続く状態というのは、事業の生産性においても大きな影響を与えてしまいます。だからこそ、メンタルヘルスは、すべての企業が対応していかなければいけない、影響を与える大きなリスクになってきているのです。

今までは、メンタルヘルスといえば「病院で治してもらうもの」という意識がありましたが、今後は企業が自分たちの資本である人材を毀損しないように、企業自体が対応していかなければならないでしょう。

企業におけるメンタルヘルスケアとは?

ありがとうございます。
続いて、先ほど「企業自体が対応していかなければならないもの」という言葉がありましたが、企業におけるメンタルヘルスケアとは何か教えてください。──

 

はい。特に企業にとって重要なのは、予防の部分です。
メンタル不調になってしまった後は病院でしか治療できませんが、発症予防・再発予防は企業が取り組むべきものになります。

予防にも大きく分けて2通りあり、1つ目は、メンタル不調にならないためのメンタルヘルスケア
2つ目は、メンタル不調にいち早く気付く、
早期発見です。

企業のメンタルヘルスケアにおいて重要なのは、圧倒的に2つ目の早期発見です。
誰でもメンタル不調になる可能性があります。残念ながら、現代は、まだメンタル不調を人に「言えない」、または「言いづらい」環境があり、早期発見しづらいことが大きな課題となっています。

ストレスが溜まったり、つらいと思っても言えない環境(無視して頑張らなければいけない環境)だったりと、いわゆる心理的安全性(意見が言いやすい雰囲気)が低い状態になってしまっているのです。
それによって、早めに気づいて対応できたはずのストレスや精神的疲労が蓄積され、うつ病という形で発症してしまうことがあります。
つまり、企業がメンタルヘルスケアとして取り組むべきは、早期発見であるといえます。

社員たちの主な心の健康問題

ありがとうございます。
昨今、メンタルヘルスケアという言葉が広まり、職場でも重要視されていると思います。
メンタルヘルスケアのお話の中で『早期発見』とありましたが、どのような変化に気づくべきなのでしょうか?
わかりやすい例として、職場で多く見られる主な心の健康問題について4つほど教えてください。さらに、その4点について詳しく教えてください。──

 

1.仕事量によるストレス

仕事量が多すぎることが原因で、ストレスが蓄積され、メンタル不調につながってしまうことがあります。
仕事の純粋な量というわけではなく、マルチタスクが溢れることにより優先順位をつけられず、パンクしてしまう状態が強く影響します。コミュニケーションコストもストレスの要因になりやすいでしょう。

やるべきことが頭の中に溢れ、いっぱいいっぱいになってしまっている状態では、脳に大きな負担がかかってしまうのです。
反対に、目標と裁量権を持って進められると、ある程度仕事量が多くてもストレスにはつながりづらいと言えるでしょう。

2.人間関係(特に直属の上司)によるストレス

人間関係の悩みの多くは、直属の上司によるストレスです。
主な原因としては、心理的安全性(意見が言いやすい雰囲気・風通しの良い空気)が低い状態。

わからない時に聞けない、思ったことを言えない、ミスした後に叱られることが怖くてミスできないなど…。上司の顔色を伺いながら、先回りして考え続けなければいけない状況はストレスを感じやすいのです。

だからと言って、上司が部下に対して、強く抑えることが必ずしも悪い行動とは言いません。重要なのは上司の言動によって、安全性が低い雰囲気を作り出してしまうことです。
だからこそ、その人の意見を尊重しようとする雰囲気を作り、ストレスが少ない状態を保ってあげることが大切でしょう。

3.キャリア(自分の仕事があっているかどうか)

どんなに忙しくても、自分がやりたいと思っていることをやれていれば、メンタル不調にはなりづらいもの。
反対に、そうでないことを無理やりやらされている状態はストレスが溜まってしまうのです。
何が得意か・その人にとって何が適切か(適材適所)の2つがとても重要になってきます。

長時間働くことが全て悪いのではなく、自分にとって今の仕事があっているかどうかが、より重要でしょう。

単純作業が向いている人もいれば、自発的に発言をしてアイデアを出し続けることが向いている人もいるように、業務量が多いことだけが悪いわけではなく、自分に合った仕事ができていないことがメンタル不調の原因となっていることが多いのです。

4.明確な原因がない

特定の何かが原因ではなく、定期的に気分の不調(PMSなどを含む)が訪れたり、過去にうつ病などを発症した経験があったり、元々ネガティブに思考しやすいタイプの人は、職場においてもメンタル不調になりやすい傾向にあるといえます。

 

Mentally編集部

「つらいがわかる。つらいがかわる。」をコンセプトに、メンタルヘルス・ウェルビーイングにまつわるコンテンツを発信するMentallyメディア編集部

関連記事

特集記事

TOP