「痛みを避ける生き方」から「痛みを扉にする生き方」へ

──こういうお話を聴くと “痛み” と向き合うことは大切だと思っても、どうしても逃げてしまいたくなる気もします。どうすれば “痛み” と向き合えるのでしょう?

まず、”痛み” と向き合わなければいけないわけじゃないです。逃げたっていいですし。ただ、その人にとって最善のタイミングで “行動パターン” に限界が来て、現実の不本意さがエスカレートして、”痛み” と向き合わざるを得なくなる、という感じです。

だからむしろ今特に何か問題がないと感じるなら、その人生のパターンのまま生きてみたらいいと思っています。僕だって「まずコミュニティで価値証明をする」というパターンで得てきた繋がりや能力もたくさんあります。なので何一つ行動に良い・悪いはないんです。

ただ、頻度が一つの選択肢に偏ってしまうと、やっぱり起こる現実もパターン化してきて、支払う代償の方が大きくなっていく。そのとき、人は自分の “痛み” と向き合わざるを得ない。

そういう時にメンタルモデルはじめとする、いろんなインナーテクノロジーが分かっていると、自分の変容を支えることができますよね。

──なるほど。必要なタイミングでその時が訪れるんですね。

そうです。なので大きないのちのプロセスを信頼したらいい。どんな体験も自分の進化のために、最善の形とタイミングで起きてくれているんです。

さっき格好よく自分の “痛み” と “願い” の話をしましたけど、一回気づいたからって何かが完了して、快適なだけの人生になったわけじゃないです。僕だって引き続き “痛み” は人生からなくならないし、人間誰だって生きている以上 “痛み” と無縁じゃいられない。でも ”痛み” に翻弄されることは圧倒的に少なくなったし、”痛み” に対する信頼が増しました。

── “痛み” に対する信頼、ですか?

例えるなら海の波と同じです。海から波は消せないですよね。それと同じで生きている以上、人生から “痛み” の体験は消せません。だけど波を受け止めて舟に乗っていると、熟練の船乗りのように船酔いしなくなっていきます。同じように “痛み” が人生に来るたびに、自分の “願い” に深くつながり直す機会にしていけると、痛いことは変わらないけど「船酔い」、つまり “痛み” に翻弄されることは減っていきます。

僕であれば「自分はなにもない」という絶望が来るたびに、「それほど “すでにすべてがある” を体験したいんだ」と願いにつながって、「本当はすでにあるのに、何をないことにしてるのか?」と観に行って。そうやって新たな理解をもとに次の選択をしていくと、ちょっとずつ “痛み” という体験に対する信頼が増していきました。

人生に本当の意味でダメな体験なんて、ひとつもない。すべていのちが最善の体験を自分に届けてくれている。 “痛み” は自分の “願い” のリマインダーで、僕たちは “痛み” を扉にして「ほんとうのわたし」に出逢いなおすことができる。

なので、僕が伝えたいのは「痛みを避ける生き方」ではなく、「痛みを扉にする生き方」なんです。その扉の先には、まさしくあなたのすべてがある。そのあなたまるごとと出逢い直して、あなたを生きることを、数々のインナーテクノロジーはサポートしてくれるはずです。

あなたの中に、すべてがある。

──三好さんは作家としても活動されていますけど、それは内面と向き合ってもらうことも意図しているのでしょうか? 作品に触れると、自分の感情を味わえるような気もしていて。

ありがとうございます。作家活動としては詩集の刊行やインスタレーションを発表しているんですが、それらの作品発表と、インナーテクノロジーを用いて一人ひとりと関わることの間に、そんなに垣根はありません。

(作家名・真名井大介名義の最新刊)

仰っていただいたように、僕としては一冊の詩集も、一枚の絵も、そして一時間の内面を扱うセッションも、その人が自分の内側を覗き込む「窓」を分かち合っているイメージなんです。

いろいろやってるように見えるかもしれないんですが、僕としては「自分の内側を覗き込む窓をつくっている」という意識で、すべて同じことをしているつもりです。

──作品に共通するテーマはあるのでしょうか?

テーマはその時々なんですが、意図はあります。

「あなたの中に、すべてがある」。

作品に触れたひとが、この真実を少しでも体感できるようにと意図して制作しています。

──三好さんの “痛み” の奥にある “願い” そのものがメッセージなんですね。

そうですね。やっぱり “痛み” を通して “願い” が明確になればなるほど、人生の全方位がその “願い” の表現になっていってる気がします。そしてそれに伴って、人生が豊かになっているのは間違いないです。

今回お話したのは、具体的な手法の紹介というより、あくまで僕の体験談が中心でしたけど、メンタルモデルはじめ、世の中には自分の内側を扱うのに有効な、優れたインナーテクノロジーがたくさんあるんです。

今後もそうしたインナーテクノロジーを分かりやすく世の中にお伝えしながら、「痛みを避ける」のでなく「痛みを扉にする生き方」を分かち合っていきたいと思っています。

三好大助さんの公式サイトはこちら

https://miyoshidaisuke.com/profile

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佐藤純平

佐藤純平

1990年生まれ。フリーランスのライター兼ライフコーチ。うつ病で引きこもりの兄を持つ。

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