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公認心理師になりたい!資格や仕事の内容は?
私たちは社会の中で、お互いに支え合い助け合いながら生きています。心を病んでしまったときには、信頼できる人に話を聞いてもらうだけで楽になることもあるでしょう。
心を癒すプロとして存在している職業のひとつに、公認心理師があります。メンタルに関わる職業は数多く存在しますが、公認心理師は日本で唯一の「国が認めたプロの心理師(カウンセラー)」です。
職業としての信頼が厚い分、資格を得るための条件は厳しいものとなっています。しかし長い道のりを超えて公認心理師になれれば、胸を張って「心のプロとして人を癒せる」といえるでしょう。
今回は、公認心理師の仕事内容や必要な資格などをご紹介します。医療分野以外でもさまざまなシーンで活躍する公認心理師について学び、未来へのビジョンにつなげていきましょう。
公認心理師とは?カウンセラーとの違いは?
公認心理師は、専門的な心理学の知識や技術を用いて助言や指導、援助、分析などを行う職業です。活躍する主な領域は、保健医療や福祉、教育などです。
公認心理師は時折カウンセラーと混同されますが、この二つには明確な違いがあります。公認心理師は、国が定める国家資格を取得して公認心理師として登録された人しかなれません。「公認心理師」は名称独占の資格であり、有資格者以外が名乗ると公認心理師法により罰せられることがあります。
公認心理師以外のカウンセラー(心理カウンセラー・臨床心理士などを含む)はすべて民間資格であり、カウンセラーを名乗ること自体は無資格でも可能です。
公認心理師と併せて心理的分野で認知度の高い資格・職業は臨床心理士。公認心理師との活躍の分野の違いは、まだ差別化されている最中といえるでしょう。しかし公認心理師は臨床心理士とは違い心理に関する唯一の国家資格であることから、今後活躍の場が増えていくことが期待されます。
公認心理師の給料は、心理職としてはかなり高額であることも特徴です。とくにスクールカウンセラーは時給5,500円程度が相場とされており、資格取得の厳しさが報われる報酬といえるのではないでしょうか。
公認心理師は、複数の仕事を掛け持ちしながら非常勤で働くケースも少なくありません。公務員になる人もいれば施設に所属する人、フリーランスとして活躍する人も。仕事内容だけではなく、経験年数も給料に影響することが多い傾向にあります。
公認心理師の勤務先・就職先
ここでは、公認心理師の勤務先・就職先例をご紹介します。資格取得後の働くイメ―ジの参考にしてくださいね。公認心理師の勤務先・就職先は、主に以下の5つのカテゴリーに分けられます。
1.医療・保険
精神疾患を抱える患者さんや、病気や怪我、長期入院などで精神的な不安を抱えている人にメンタルケアを行います。主な勤務先は、精神科や心療内科、小児科、保健所、精神保健福祉センターなどです。
2.教育
スクールカウンセラーや学生相談室などが代表的です。生徒だけではなく、教職員の心理相談を受けることもあります。自治体が設置する教育相談室でのカウンセリングを行う場合も。主な勤務先は、小中学校の相談室や教育員会、公立教育相談機関などです。
3.産業・労働
企業内のカウンセリングや外部従業員援助プログラム(EAP)などが代表的です。従業員の悩みやうつ症状を改善するために、カウンセリングやメンタルヘルス教育を行います。主な勤務先は、企業内の健康管理センターや公共職業安定所、EAPなどです。
4.福祉
障害者・高齢者の支援、子どもの心身の発達や子育ての相談を行います。児童相談所で働く場合は、児童相談司と呼ばれます。主な勤務先は、児童相談所や児童福祉施設、障害支援施設、老人福祉施設などです。
5.司法・犯罪
犯罪被害者や加害者の心のケアを行ったり、少年事件や家事事件に関わる仕事をしたりします。家庭裁判所調査員や法務教官などに任用された場合は、公務員としての勤務になります。主な勤務先は、家庭裁判所や少年院、刑務所、保護観察所などです。
公認心理師の仕事内容
ここでは、公認心理師の主な仕事内容を4つ紹介します。国家資格である公認心理師の仕事内容は厚生労働省により定められており、業務に関わる法令や通知も厚生労働省のページで確認できるので参考にしてください。
参考:厚生労働省「公認心理師」
1.心理査定
心理査定は心理アセスメントとも呼ばれ、面接や心理テストなどを通してクライアントの心理の特性や問題の状況、課題を理解する行為です。
クライアント自身が自分をどう変えたいのかを明確にしながら、今後どのようにサポートを行うのが望ましいのかを探ります。現在抱えている問題点を特定することで、適用する心理療法を選定します。