この記事を監修してくれたのは…
目次
ヒステリックになる自分が嫌い…改善方法はある?
ほんのささいな出来事でも傷ついてしまい、ついカッと怒ってしまう。自分が謝れば済むことでも意地になって謝れない。1つ嫌な出来事が起きると、過去の嫌な出来事も次から次へと思い出しては相手を責めずにはいられない。こんな経験はないですか?
本記事では、感情の起伏の激しい「ヒステリック」の状態となってしまう原因と、その対処法をまとめています。
周囲の大切な人との関係を壊してしまわないためにも、参考にしていただければ幸いです。
ヒステリックの意味とは?ヒステリーとの違いは?
ヒステリーは性格傾向と身体症状の2つの意味を持つ言葉です。前者は一般用語、後者は心理学用語と言い換えることができます。ヒステリーは性格傾向や身体症状を現す言葉であり、ヒステリックはヒステリーの状態になることをいいます。
一般用語としての「ヒステリー」は突然怒りだしたかと思いきや泣き出す、感情の起伏の激しい人を意味します。ヒステリック(hysteric)の語源はギリシャ語のhusteros(子宮)です。昔のギリシャ人は、女性のさまざまな病気の原因を子宮に由来するものと考えていました。
現代でも、女性がイライラして感情の起伏が激しくなると「月経前症候群(PMS)や更年期の影響なのでは」といわれることがありますよね。女性はホルモンの影響で気分を左右されやすい特徴があるため、あながち間違ってるとはいえない表現です。
心理学用語としての「ヒステリー」は、心の葛藤や不安な気落ちを脳がシャットアウトすることで生じるさまざまな身体症状を意味します。例えばヒステリーの状態になると、歩けなくなったり声がでなくなったりとさまざまな症状が現れます。
ヒステリーを起こす原因
ヒステリーを起こす原因は、主に身体的なものと心理的なものに分かれます。
身体的な原因には、月経前不快気分障害(PMDD)や甲状腺機能亢進症などが含まれます。そのほかにも、双極性障害や境界性パーソナリティ障害などの精神疾患がヒステリックになる要因となっていることも。心理的な原因には、過去のトラウマ体験が該当します。
1.月経前不快気分障害( PMDD)である
月経の始まる2週間前ごろから心身に不調が現れる状態を月経前症候群(PMS)といいます。月経前の不調の中でも、気分の不安定さが強く出てしまい日常生活に支障をきたすものを月経前不快気分障害(PMDD)といいます。
女性が100人いたらそのうち5人は1年間に1度はPMDDを経験しているといわれており、決して珍しい病気ではありません。治療は薬物療法が中心で、漢方やピルをはじめとして気分安定剤、抗うつ薬(SSRI)、鎮痛剤などが用いられます。
2.甲状腺機能亢進症(バセドウ病)である
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺が活発に活動し、血中に甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されてしまう内分泌系の病気で、バセドウ病ともいわれます。イライラや動悸、喉の腫れ、体重減少などさまざまな免疫異常の症状が現れます。
20〜30代の若い女性に発症が多いのも特徴の1つです。少しでもバセドウ病に当てはまる症状があるようであれば、早めに内分泌代謝内科を受診するのをおすすめします。
参考:女性の健康推進室ヘルケアラボ「甲状腺機能異常(バセドウ病、橋本病)」
3.過去にトラウマを抱えている
幼少期に身近な養育者との間でDVや虐待、過干渉やネグレクトなどがあった場合、知らないうちにつらい記憶を抱えている可能性があります。過去のトラウマは、現在の対人関係に関係することがあるのです。
過去の傷つきを思い出すような場面になると、心身に防衛反応が生じて見捨てられることを過度に恐れて攻撃的になってしまったり、わずかなことでも気持ちが収まらなくなったりするのです。