断酒方法・アルコール依存症の治療法4つのステップ

アルコール依存症は「否認の病」ともいわれます。患者が病気であることを認めたがらない傾向にあり、適切な相談や治療につながりにくいからです。

例えば「やめようと思えばいつでもやめられる」と飲み過ぎる自分を否認します。否認することで、アルコール依存症である自分と向き合うことから逃げているのです。

自分の中にある否認をしっかりと認め、それでもお酒なしで生活できるようになりたいという治療への動機づけが大切になります。

Step1.病気を認識・初期面談を行う

アルコール依存症の治療は「断酒」が基本です。近年、断酒以外にも「減酒」という治療法も選択できるようになりました。断酒か減酒のどちらを選択するかは、アルコール依存症の重症度により変わります。どちらの治療を選択するかは医師と相談しながら決めます。

飲酒による社会的問題が大きい、もしくは健康障害が重く命の危険がある場合は、入院治療が必要になることがあります。社会・家庭生活は維持できており、幻覚やけいれんなど、アルコール離脱症状がない場合は、減酒治療を選択できることもあります。

Step2.診断を行い、断酒開始

アルコール依存症のメカニズムを説明し、患者の治療への動機づけを高めます。また、離脱症状やそのほかの臓器障害の程度を診断し、断酒を開始します。

離脱症状は、およそ3週間ほどで落ち着いてくることが多いでしょう。アルコールの抜けた体に慣れてきたら、断酒を継続するための精神療法を開始します。

Step3.リハビリテーション開始:精神療法を行う

アルコール依存症の治療では、精神療法が大きな役割を果たすでしょう。認知の歪みを解きほぐし、治療への動機づけを高め、飲酒しなくても日常のストレスを対処できるようサポートします。

代表的な精神療法は認知行動療法や動機づけ面接法、コーピングスキルトレーニングがあります。心理社会的治療にはさまざまな治療法があり、一般的には複数の治療法を組み合わせながら行います。

Step4.リハビリテーション後期:断酒継続

心身の健康がある程度回復してきたら、リハビリテーションを行います。自助グループでの活動を取り入れることもあるでしょう。自助グループでは、アルコール依存症の患者や家族が集まり、参加者の「分かち合い」を中心に話し合います。

創作活動やレクリエーションを主体とした集団プログラムでは、退院後も断酒が継続できるよう実践的な場面を想定し、訓練します。

参考:アルコール依存症治療ナビ.jp「アルコール依存症の治療法」

アルコール依存症の精神療法

アルコール依存症の治療には認知行動療法や動機づけ面接法、コーピンングスキルトレーニングなどの精神療法があります。そのほか、薬物療法や自助グループへの参加、リハビリなどさまざまな治療プログラムを組み合わせてサポートします。

認知行動療法では、患者の認知の歪みを取り扱うでしょう。アルコール依存症は自分の飲酒問題を過小評価したり、正当化したりします。認知に歪みがあることに気づき、より客観的な視点から自身の問題に気づけるようサポートします。

アメリカのミラー博士によって考案された動機づけ面接法では「変わりたい一方で、変わりたくない気持ちもある」という患者の両価性に着目します。患者の変わりたい気持ちに働きかけることで、変化への動機を高めるのです。

コーピングスキルトレーニングでは、日常のストレスに対処できるよう支援します。お酒の付き合いの場でどう振る舞うか、ストレスにどう対処できるかを考え、再飲酒をしない習慣づくりを行うでしょう。

症状が進行する前に、病院に相談へ行こう

アルコール依存症が進行する前に、早めに医療機関を受診することが大切です。精神科や心療内科を受診してみてください。数は少ないものの、総合病院や内科でアルコール依存症外来をうたっているところもあります。

専門の医療機関であれば、アルコール依存症がどんな病気なのか理解するためのプログラムや、断酒を継続するためのリハビリプログラムを受けられる施設との連携がスムーズです。

まずは「自分が病気であるという認識」を持てることが治療への第一歩になります。アルコール依存症は命に関わる怖い病で、早期発見・早期治療が欠かせません。一人で悩みを抱え込まず、ぜひ勇気を出して病院へ相談にいきましょう。

 

この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。

あーちゃん

あーちゃん

1992年生まれ。臨床心理士(公認心理師) 指定大学院を卒業し資格を取得後、街のクリニックで非常勤心理士としてカウンセリングや心理検査の業務に従事する。小学校や高校のスクールカウンセラーとしても活動中

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