この記事を監修してくれたのは…
目次
依存症の定義とは
依存症は、「特定の物質」や「行為」に対して、気持ちが傾いて戻らなくなってしまっている状態のことをいいます。
言い換えると、「依存症=何かに気持ちや心が傾いた状態」です。そして、依存症では気持ちが傾いた状態が続いているせいで、周囲との関係や自身の生活が悪化していきます。
物質依存
物質に気持ちが傾いてしまっている状態が「物質依存」です。物質依存の中にはたくさんの種類があり、アルコールならアルコール依存症、覚醒剤なら覚醒剤依存症などがあります。
物質依存は後述する「身体依存」と「精神的依存」が合わさった状態です。物質によって精神的依存だけのもの、身体的依存も精神的依存もどちらもあるものに分けることができます。
身体的依存
身体的依存とは、特定の物質を身体の中に入れなかったときに「離脱症状」という症状を起こします。離脱症状とは、特定の物質から離れてくるときに出てくる嫌な症状のことを指し、一般的には禁断症状と言われることもあります。
依存している物質にもよりますが、頭痛がしたり、あるはずのないものが見えたり、手が震えたりして不快な状態が続きます。この離脱症状から逃れるため、さらに特定の物質に対する欲求が高まります。
精神的依存
精神的依存とは、特定の物質が手元になかったり、すぐに使える状況になかったりしたときに、不安になったり、イライラして仕方なくなったりします。
そのため、依存した物質の使用を抑制できません。精神的離脱症状としては、非常に強い不快感があったり、依存する物質を探し回ったりすることがあります。
物質依存には、精神的依存がないものはありません。
プロセス依存
プロセス依存というのは、行動に対する依存です。行動をする過程において、ある種の脳内物質が引き起こす高揚感に依存していきます。
しかし、いずれ同じ過程や結果を繰り返すと高揚感が出なくなり、より強い高揚感を求めるようになります。
そのため、お金を使いすぎて生活費に手をつけてしまったり、早く高揚感がほしくて、闇金など普通であれば絶対に借金をしないところで借金をしたりします。
自分の意思があればやめられるという考えもあるかもしれませんが、やめたいと思ってもやめられないために「依存症」の範囲に含まれます。
主な依存症の種類
依存症には、依存する物質や行動によってたくさんの種類に分かれます。
今回は、物質依存とプロセス依存に含まれる依存症について、10種類を説明します。
1.大麻依存症
大麻草にはいろいろな物質が含まれています。その中の「テトラカンナビジオール」という物質が大麻の麻薬としての作用を引き起こします。
大麻は野草として生えることもあり、日本でも昔から身近に存在していました。
海外では大麻を解禁している国がいくつかあるため、大麻の解禁を目指したりする方々もいます。しかし、大麻は精神的依存も身体依存も存在するため、依存症になり得る危険な物質であることを知っておきましょう。
2.アルコール依存症
患者数が一番多いのがアルコール依存症です。非常にお酒に強い人はアルコール依存症にはなりません。その一方で、お酒を全く飲めない人もアルコール依存症にはなりません。
その中間の人がアルコール依存症のリスク群となります。アルコールで問題が起きていても、アルコール中心の生活を変えず、家族や仕事を失ってもなお溺れ続ける人もいます。
現在、コンビニやスーパーなどで売られているストロング系のアルコールはアルコール度数が高く飲みやすいため、アルコール依存症のリスクが非常に高いことは覚えておいてください。
3.覚醒剤依存症
覚醒剤依存は、強力な精神的依存を生じますが、身体依存はありません。しかし、精神的依存の強さは、芸能人の方などが覚醒剤で何度も捕まっているのを見ると、相当なものだと想像がつくでしょう。
身体依存がないからと言って軽く考えてはいけません。覚醒剤は若い人を中心にどんどん身近な物になっていっています。「自分だけは大丈夫」と思わないようにしましょう。
4.カフェイン依存
カフェインは、コーヒー飲料・緑茶・紅茶・コーラ、栄養ドリンク・エナジードリンクなどの飲み物、また食べ物ではチョコレートに含まれています。
カフェインの効果は目が覚めたり、仕事の効率が上がったり、興奮したりと言った作用があります。また、利尿作用、皮下脂肪燃焼作用などがあると言われています。
しかし、精神的依存・身体依存共に存在し、海外では摂取量の限度が決められるほどです。カフェインだからといって侮らないようにしましょう。
参考:食品安全委員会