目次
5.タバコ依存
タバコへの依存は、基本的にはタバコに含まれる「ニコチン」への依存です。またタバコに含まれるタールは、肺がんの原因になる物質としても知られます。
タバコをやめるには、禁煙外来に通院して、ニコチンガムやニコチンパッチを用いる方法があります。今まで体内に入ってきたニコチンをガムや皮膚から吸収するテープを使って一時的に補います。そして、徐々に体内に入るニコチンの量を減らしていき、最後にゼロにする方法です。
科学的に効果が証明されていますので、おすすめの方法です。
6.処方薬依存
医師が処方する薬に対する依存のことです。医師が気をつけて処方していても、通常量で依存してしまうのは「ベンゾジアゼピン系薬剤」に対する依存です。
しかし、それ以上に問題なことがあります。
それは過量服薬を前提とした処方薬依存です。たくさんの薬を手に入れようと思っても、同じ病院でたくさんの薬をもらうことはできません。
そのため、彼らはいろいろな病院・クリニックをハシゴして回り、過剰な薬を手に入れようとします。彼らはお薬手帳を作らないので、過量服薬した段階で気づかれることが多いです。
7.市販薬依存
依存しやすい市販薬としては、カフェインの錠剤や、ある種の咳止めに対する依存があります。そして、これに伴って多いのが過量服薬です。
規定通りの量を服用するのではなく、過剰に摂取することによって高揚感や気持ちよさなどを得ようとする目的で過剰に摂取します。
市販薬は販売の制限ができません。そのため、一度市販薬依存に陥るとなかなか気付かれることがありません。
気付いたころにはすっかり依存している可能性があるので、特に若い子どもを持つ親御さんは注意が必要です。
8.ギャンブル依存症
ギャンブル依存とは、ギャンブルに対する依存症です。ギャンブルには違法賭博、賭け麻雀などもありますが、依存症で問題になるのはパチンコや公営ギャンブルに対する依存です。
ギャンブルは20兆円以上の市場規模があり、その全てを無防備に行えるのが日本という国です。(パチンコは正確にはギャンブルには含まれていません。今回は性質上、同じ扱いをします。)
ギャンブル依存の人は95%が病院に行くことがありませんが、日本はギャンブル依存大国で、100人いたら3〜4人がギャンブル依存です。これは海外の5倍以上に当たります。
9.ゲーム障害
ゲーム障害は、ゲームが原因で生活に支障が出てくるものを言います。ゲームと一概に言ってもざまざまな種類がありますが、よりゲーム障害になりやすいのはオンラインゲームです。
オンラインゲームには、始めるのは無料であるものの、課金というお金を払わせるシステムがあります。特に強いキャラクターや武器を集めるガチャというシステムには大きなギャンブル性が潜んでいます。
また、ゲーム障害には他の依存よりも若い罹患者が多いのも特徴です。
参考:NHKハートネット:ゲーム障害
10.セックス依存症
有名人も苦しんだ依存症で、現在中高年世代に激増しています。中高年でセックス依存症が増えている原因は、中高年齢層は根本に加齢による衰えやセックスレスの問題など多くの喪失感を抱えているからです。
さらに、不安や空虚感が伴っており、もともと抱えている仕事であったり家族関係であったり、そういう色々な問題と複雑に交差しています。セックスによってもたらされる快感と高揚感への強い執着と心理的依存が関係しています。
依存症の症状・6つの特徴
依存症には、特徴的な症状がいくつもあります。他の精神疾患では起こらないような症状があります。
それらを理解していると「あれ、この人は依存症ではないかな?」と気付くことができます。早期発見、早期治療に繋げることが、回復への近道となるのです。
いろいろな依存症を例に挙げて、代表的な6つの特徴を説明します。
1.物質の使用を止められると攻撃的になる
これは物質依存・プロセス依存どちらでも起こりえます。物質の使用や好んでいる行動について止められると、止めた相手に対して暴言を吐いたり、粗暴行為をしたりします。
アルコール依存症の父が、母に対して頻繁に暴力を振るっていた話を聞いたことがあるかもしれません。暴力は家族だけにとどまらず、外出先でけんか騒ぎを起こすこともあります。
2.自分で物質の使用コントロールできない
「今日からはもうお酒を飲まない」、「もうタバコはやめる」、「ゲームは決まった時間だけ」というセリフを当事者の家族は何度となく聞いています。
それでもやめられないことが依存症の特徴の一つです。本人が「やめたい・どうにかしたい」と思っても、どうにもならないのが依存症の特徴とも言えます。
ただ、本人がうわべだけでなく心底「やめたい」と思っているのであれば治療への第一歩となるでしょう。