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依存症って治るの?
依存症を完全に治すことはできません。一生、特定の物質から離れた生活を送る必要があります。どれだけやめていても、もし、特定の物質を少量でも摂取してしまえば、依存症の状態に逆戻りしてしまいます。
また、プロセス依存に対しては、例えばゲームやセックスなど生活の中でも必要とされる部分があるものがあります。
お付き合いの程度を節度を持って行なっていくことになります。その節度というものも、現在は明確な基準がありません。そのため人によって基準が必要になります。
本人に合わせた治療を行なっていくことになるので、プロセス依存には克服法というものは存在しません。
一方で、特定の物質を完全に断つことは相当な苦しみがあります。そのため、治療することに対してネガティブな感情を持ってしまうことがあります。
そうすると病院から離れていってしまいます。そのため、最近ではアルコール依存症の治療では、完全にお酒をやめる断酒ではなく、少しずつ節制していく節酒という段階を挟むことが多くなっています。
依存症の主な治療法と克服方法
依存症の主な治療は、アルコールであれば嫌酒薬を使う、タバコであれば禁煙外来でニコチンパッチを使うなどいくつかの薬の治療があります。
また、ゲーム障害やセックス依存などは依存症専門のクリニック・病院などで治療が可能です。
一方で、一番問題なのは大麻や覚醒剤などの違法薬物です。日本では違法行為である薬物依存を治療することはありません。違法薬物であれば、逮捕検挙され、法的に裁かれます。
さらに、何度も捕まってしまうと刑務所に行くことになり、依存症の治療はできません。NPO法人「ダルク」を代表とする民間の自助団体に頼るしかない状況が続いています。
依存症を疑ったら…
もし自分の身近な人が依存症ではないかと疑ったら、まずはイネーブルの関係に陥らないように注意しましょう。相手のことを大切に思うあまり、気付いたらイネーブルの関係になっていることもありえるからです。
次に、保健所等の公的機関で行われている精神保健相談に行くことをお勧めします。保健所では依存症の専門的な治療を行っている病院のリストを持っています。
そして、本人が受診する意思を持つように促すことも重要です。時には突き放すことも必要かもしれません。しかし、本人が病院と繋がり続ける状態を作ることが大切です。
一人で治せないものは、専門医や周囲の人に助けを求めよう!
自分の家族が依存症であると分かると、近所から隠そうとする人がいます。そのため、日本ではイネーブルの関係になってしまうことが多いとされています。
しかし、隠していては何も前に進むことができません。保健所に行けば保健師さんの家庭への訪問もお願いすることができます。
家族だけでなく、あらゆる手段を使っても、治療につながっていくことが大切です。また、最近では精神科でも往診を行っている病院もあります。医師がじっくりと時間をかけて話を聞き、対話をすることで、治したいと思うこともあります。
そこまでの思いではなくても、なんとかしなくてはいけないのかな、と思ったりするかもしれません。そうすれば病院と繋がるチャンスができます。
いろいろな人の手を借りて、専門医への受診に繋げることを目標にしましょう。
※この記事は悩んでいる方に寄り添いたいという想いおよび筆者の体験に基づいた内容ですので、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。