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気づいたら寝てるのは病気の可能があるって本当?
どんなに夜、十分に睡眠時間を確保しても日中の眠気が治まらない……気づいたら寝てる。通勤中や仕事の会議の最中、ついうとうと寝てしまう。上司から叱られるものの、自分の意思の力だけではコントロールができない。
1日の中で居眠りを何度も繰り返してしまう。このような症状がみられることはありませんか?
一時的に眠くなりやすい状況だけでなく、通常ならあり得ないような場面でも続くようなら特定の病気であるかもしれません。日中に強烈な眠気に襲われる病気を過眠症といいます。過眠症にはナルコレプシーや特発性過眠症が含まれます。思いあたる症状がある場合は、本記事ではその特徴をまとめているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
寝ているのに起きている感覚がある…気づいたら寝てる…
過眠症が起きているとき、傍目には眠っているように見えても、脳は起きておりレム睡眠の状態であることがあります。そのため、体は眠っていて動かないが頭は起きている、いわゆる「金縛り」の状態になることも。そのほか、浅い眠りのときは夢を見やすくなるため、現実か夢か判別のつきにくいようなリアルで鮮明な夢をみてしまうこともあります。
もし過眠症の傾向があるようであれば、脳神経内科を受診するようにしましょう。専門医に病気の疑いが認められると、ポリソムグラフィーという脳波の検査を受ける流れになります。受診する際には、眠気が生じた時間や居眠りの持続時間・寝起きの爽快感の有無などを記録しておくと、鑑別がスムーズになります。
強烈に眠い…ナルコレプシーの特徴
ナルコレプシーには以下の代表的な特徴があります。
- 日中の強烈な眠気と情動脱力発作(カタプレキシー)
- 寝入りばなや寝起きの金縛り(睡眠麻痺)
- リアルな怖い夢(入眠時幻覚)
特発性過眠症と比べると、意志の力だけではどうにもならないような強烈な眠気が起こるのが特徴的です。日本における発症年齢は10代であり、有病率は600人に1人とそれほど珍しい病気ではありません。
もし現在、過眠症の疑いがあるなら、子どもの頃を思い返してみて昔から仮眠の傾向がなかったか、この機会に振り返ってみましょう。
1.日中に強い眠気に襲われる
勉強中や仕事中、運転中など時と場所を選ばず、日中に突然強い眠気に襲われ眠ってしまうようならナルコレプシーの可能性が高まります。1回の居眠り時間は30分以内であることが多く、寝起きは爽快感がありますが、2〜3時間後にはまたすぐ眠くなるのが特徴です。
文字を打っている最中や移動中などで自分は起きているつもりでも実は脳が眠っており、打った覚えのない文章が見つかったり、目的地でないのに電車やバスを降りてしまう「自動症」という症状がみられることも。
2.情動脱力発作が起きる
街中で久しぶりに友人に会ったとき、ゲームをクリアしたとき、子どもを叱っているときなど、感情が大きく波打つ出来事があった直後にまぶたが下がり目が開けられなくなり、ひどいときは膝に力が入らず歩けなくなることがあります。
上記のような状態は情動脱力発作(カタプレキシー)といって、ナルコレプシーの代表的な症状です。てんかんの発作に似ていますが、てんかんの場合は意識が消失しやすいのに対し、ナルコレプシーは意識が保たれる特徴があります。
3.金縛りにあい、鮮明な夢をみる
ナルコレプシーは、入眠直後に急にレム睡眠が始まることが特徴です。レム睡眠では体は眠っていても大脳は起きている状態のため、金縛りやまるで起きて体験しているように感じるような鮮明な夢をみることがあります。
夢の内容は、誰かに追われたり襲われたりするような怖い内容であることが多くなっています。レム睡眠は眠りの浅い状態のため、夜間しっかり眠っているつもりでも熟眠感が得られません。