脳が原因?特発性過眠症の特徴

特発性過眠症は日中うとうとする、しっかり寝ても朝起きられない、自律神経が乱れるなどが特徴です。発症年齢は25歳前後が多く、男女差はなく、有病率はナルコレプシーよりも低く珍しい病気であるといわれています。

ナルコレプシーほど症状はひどくないものの慢性的に眠気がありうとうとする場合は、特発性過眠症の可能性が高まります。日中のうとうとや頭がぼーっとした状態は睡眠酩酊と呼ばれることもあります。

参考:MSDマニュアルプロフェッショナル版「特発性過眠症」

1.日中にうとうとする

特発性過眠症とは、ナルコレプシーと同様に日中の過剰な眠気と居眠りを特徴とする過眠症の一種です。ナルコレプシーほど強烈ではないものの、日中に慢性的な眠気がありうとうとします。

1回の居眠りの時間は1時間以上と長く、目覚めたときのスッキリ感に乏しいのが特徴です。ナルコレプシーと比べるとレム睡眠の異常が軽度なため、金縛りや鮮明な夢の頻度が少ない傾向がみられます。

参考:国立精神・神経医療センター「特発性過眠症」

2.しっかり寝ても朝起きられない

夜間の睡眠時間が7〜8時間の通常のタイプと、10時間以上眠るタイプの人がいます。特発性過眠症の場合は夜十分に眠ったとしても朝に眠気が残り、寝起きは悪い状態です。人によっては朝、ベッドから起き上がるのも難しかったり立ちくらみや頭痛など、起立性調節障害の症状が見られたりすることも。

朝に家族が本人を起こしたとしても、なかなかスッと目覚めよく起きられないことが多くなっています。慢性化する症状が多数ですが、一部は自然に軽快する症例もあります。

3.自律神経が乱れる

朝の寝起きが悪く、立ちくらみや頭痛など自律神経失調症に似た症状がみられるのも特徴のひとつです。午前中から調子が悪いため、勉強や仕事などの社会活動に大きく影響します。集中力や意欲、活動力の低下がみられます。家族や学校の先生、職場の上司から「また居眠りをして怠けている」と受け取られやすく、誤解を生みやすい点が患者の困るポイントです。

眠気を我慢できないのは病気かも。無理せずに病院へ

過眠症は、放置していると社会的な信用を失ってしまいかねない厄介な病気です。そのため、病気のサインがみられたら早めに脳神経内科を受診するようにしましょう。近場に脳神経内科がない人は、初めは内科や精神科、心療内科を受診するようにしても構いません。

治療では睡眠リズムを規則正しくするための生活指導や、覚醒状態を維持するための薬物療法を受けられます。眠気が強いときは無理せず仮眠をとることも大切なので、仮眠のとり方なども医師に相談できます。また自分は過眠症ではないという場合でも、家族や友人、パートナーも例外ではありません。意思の力でコントロールできないような眠気に襲われる病気になる可能性があると知っておくことで病気への理解を深めましょう。

参考:NPO法人日本過眠症患者協会「過眠症専門医 医療機関検索」

※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。

あーちゃん

あーちゃん

1992年生まれ。臨床心理士(公認心理師) 指定大学院を卒業し資格を取得後、街のクリニックで非常勤心理士としてカウンセリングや心理検査の業務に従事する。小学校や高校のスクールカウンセラーとしても活動中

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