ストレスからくる症状とは?女性特有の変化&対処法も解説!

メンタルヘルス

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ストレスがたまってつらい…体と心の調子が悪い…

仕事や人間関係の悩みが尽きない……季節の変わり目の寒暖差や、ホルモンバランスの乱れにより何だか心身の調子が良くない。体がだるいし寝つきも悪い。気持ちが落ち込む。思い当ることがあれば、自律神経の乱れと女性ホルモンの乱れが同時に起きている可能性があります。

女性ホルモンは、女性のライフステージの変化に伴い変動しやすいものです。そこに精神的ストレスや自律神経の乱れが重なると心身の不調が生じやすくなります。自分の心身の不調の原因を知ることで、具体的な対応策を考えることができます。

本記事では、ストレスが影響する女性特有の心身の不調についてとり挙げ、その原因や対策をまとめています。慢性的なストレスが溜まっており、ホルモンバランスの乱れも重なり不調に苦しんでいる女性はぜひ参考にしてみてくださいね。

ストレスが原因で体に変化が起こるプロセス

私たちの体は有害なストレスがかかると、体の働きを調整する「自律神経」、ホルモン分泌を司る「内分泌系」、外部から侵入するウイルスや細菌から身を守る「免疫」が働き、抵抗するようにできています。3つの器官が外部の環境に合わせて柔軟に体の状態を調節してくれるからこそ、ホメオスタシス(生体恒常性)が維持されるのです。

ところが心身が長期間ストレスにさらされ続けると、ストレスに抵抗するため働いていた自律神経と内分泌系がバランスを崩し、免疫も下がる悪循環が生じます。免疫が下がるとウイルスや細菌に感染しやすくなるだけでなく、がんなどの深刻な病気にかかる危険も高まります。このように、ストレスは私たちの心のみならず体にまで悪影響を及ぼすリスクがあるのです。

参考:参考:厚生労働省 働く女性の健康応援サイト「ストレスとは 自律神経系への影響」

【体の変化】ストレスからくる症状

女性に特有のストレスからくる症状には、妊娠や出産、閉経を通じたライフサイクル全般にわたる女性ホルモンの分泌量の増減に伴う体の変化が挙げられます。脳の視床下部は女性ホルモンの分泌以外にも、自律神経や内分泌系、免疫の調整・維持をになっているため、女性ホルモンが増減するとその他の器官のバランスにも影響が及んでしまうのです。

1.睡眠リズムが崩れる

女性の体は妊娠や出産、月経、閉経を通して、大きなホルモン変化にさらされます。睡眠リズムが崩れやすいのは、ホルモンバランスの変化が睡眠リズムに影響を及ぼすためです。

月経前や妊娠中には日中の眠気、出産後は睡眠不足、更年期には不眠になりやすい特徴があります。月経前や妊娠中は、妊娠し赤ちゃんを育ちやすくするためプロゲステロンの分泌が盛んになり、眠くなります。一方、産後や更年期では、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの急激な減少により不眠に悩まされやすくなるのです。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「女性の睡眠障害」

2.目蓋がけいれんする

スマホやPCなど、長時間にわたり目を酷使する仕事を続けていると目蓋がけいれんした経験のある人は多いのではないでしょうか。眼瞼(がんけん)ミオキミアという、眼輪筋という目の筋肉の興奮が原因として考えられます。

眼瞼ミオキミアは中高年の女性に多く、女性は男性の2.5倍かかりやすいといわれています。適度に目を休め、神経を興奮させる作用のあるカフェインを控えることで症状の改善が可能です。

参考:日本眼科学会「眼瞼けいれん診療ガイドライン」

3.頭痛や腹痛が起こる

精神的ストレスにより頭や胃の調子が悪くなると、性別に関係なく偏頭痛や流性食道炎を発症します。

そのほか、女性によく起こる頭痛や下腹部痛の原因として考えられるのは月経前症候群(PMS)月経前不快気分障害( PMDD)です。偏頭痛は女性に多いといわれています。精神的ストレス過多な状態が続くと、月経時の頭痛や下腹部痛を軽減してくれるセロトニンという神経伝達物質が不足するため、余計に痛みがひどくなる可能性があります。

参考:公益社団法人 日本産科婦人科学会「月経前症候群」
参考:労働者健康福祉機構 働く女性のためのヘルスサポートガイド「頭痛診療における性差について」

4.動悸や息切れがする

女性は更年期に差しかかると女性ホルモンの分泌が自然に減少します。女性ホルモンの分泌が減少すると、脳の視床下部はさらに女性ホルモンを分泌するよう指令をだし、パニックに陥ります。視床下部は自律神経の働きに関わる大切な器官のため、混乱が生じると自律神経にも影響が生じ、動悸や息切れといったマイナートラブルが発生しやすくなるのです。

5.体がだるく疲れやすい

ストレスによる体のだるさや疲れやすさが疑われる場合でも、新型コロナウイルス感染症の可能性もあるため発熱の有無は確認しておくようにしましょう。熱はないが体のだるさや疲れやすさがある場合、さまざまな可能性が考えられますが、その中でも女性特有の疾患として月経前症候群(PMS)や甲状腺の病気が疑われます。PMSや甲状腺の病気はストレスの影響で悪化しやすい特徴があります。

あーちゃん

あーちゃん

1992年生まれ。臨床心理士(公認心理師) 指定大学院を卒業し資格を取得後、街のクリニックで非常勤心理士としてカウンセリングや心理検査の業務に従事する。小学校や高校のスクールカウンセラーとしても活動中

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