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「早く消えたい…消えてなくなりたい」と思ったことがある人へ
死にたくはなくても消えたいと思う人は多いでしょう。消えたいと感じる自分はおかしいのではないか考えてしまったり、対処法がわからなくて困ったりすることもあります。
本記事では「消えたい」と願う、生きるのがつらいあなたへ伝えたい情報をまとめました。
消えたいとはどんな心理状態なのか、どうしてそんなことを思ってしまうのかをみていきます。また、消えたい時にどうすれば良いのか対処法をお伝えします。
大切なのは、ひとりにならないこと。自分のことを助けてくれる人とつながることです。
臨床心理士が教える「消えたい」時の心理状態
消えたい時の心理状態として代表的なものに「逃げ出したい」「大きな失敗をした」があります。今いる環境に身を置きたくない気持ちが強くなり、やがて限界を迎えると、自分の存在をこの世から消し去ることで楽になりたいと願うのです。
何が原因で消えたいのか知ることはとても重要です。消し去るべきなのは自分自身ではなく、消えたいと思わせる原因が多いでしょう。
1.逃げ出したい
仕事や家庭のストレスはあるものの、「急に仕事を辞めたら家族に迷惑がかかる」「逃げるのは良くない」と考えてしまう真面目で責任感の強い人ほど、消えたい気持ちになることが多いです。
つらい状況からは抜け出したいけど、自分では逃げることもできない。いっそ消えてしまえたら、罪悪感を抱かずにすむのにと考えてしまうのです。
2.大きな失敗をした
自己嫌悪が強まる時も消えたくなります。仕事で大きな失敗をした、受験に失敗した、恥ずかしい思いをした出来事があると、つい消えたいと考えてしまうでしょう。
いっそ消えてしまって、失敗はもちろん、何もなかったことにしたい。はじめからやり直したい、生まれ変わりたいと考えるのです。やり直したい、変わりたい気持ちがあるのは悪いことではありませんが、消えたいと思ってしまうとネガティブ思考のループに陥ってしまいます。
死にたいより、消えたいと思ってしまう理由は?
「死にたい」は自らの死を願う具体的な感情です。一方「消えたい」は自分自身をこの世から消してしまいたい、存在を無かったことにしたい漠然とした気持ちです。
どちらにも共通しているのは、本当は死にたくないし消えたくないが、目の前にある苦しみから逃れたいと思っている点です。基本的には、原因さえ解消できれば生きていたいのです。
「死にたい」と思うほどではないけど、自分の存在をこの世から無くしてしまうことで、消極的に問題を解消したいのです。そのため、死ぬよりも消えたいと考えるのでしょう。
「消えたい」はうつ病のサイン?
うつ病になると「遠くへ行きたい」「消えてしまいたい」と思いがちです。うつ病の精神的・身体的な症状が続くと、これまでできていた家事や仕事ができなくなるため、自責感や無価値感を生じやすくなるでしょう。
つらい状況から抜け出したいのに、真面目で逃げ出せない傾向にあるので「いっそ消えてしまいたい」と思うようになるのです。
特に、高齢者のうつ病は、不安や焦燥の症状が現れやすいため注意が必要でしょう。不安や焦燥感が強いと消えてしまいたい気持ちも生じやすくなります。
消えたい気持ちがわいてきたら、うつ病の可能性があると考えましょう。うつ病の症状で他に当てはまる項目がないかをチェックし、可能性が高そうであれば受診をおすすめします。
参考:うつ病の症状チェックシート 認定特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構