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自分が双極性障害(躁うつ病)になる可能性はある?
双極性障害(躁うつ病)は、気分の高まる「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す心の病気です。躁うつ病と呼ばれることもあります。また、双極Ⅰ型とⅡ型(重度のⅠ型と軽度のⅡ型)に分かれています。
双極性障害を生涯のうちで発症する確率は1〜2%程度です。およそ100人に1〜2人が発症するめずらしくない病気です。そのため、誰でも双極性障害にかかる可能性があるといえます。
双極性障害の男女差は少なく、20代前半がピークで、30歳までの間に発症する例が多いといわれています。
参考:Mentally 双極性障害(躁うつ病)とは?主な症状・原因を臨床心理士が徹底解説
参考:元住吉こころみクリニック 双極性障害(躁うつ病)とは?
双極性障害になりやすい「肥満型の循環気質」
1921年にドイツの精神科医であるクレッチマーが「性格類型論」を提唱しました。クレッチマーは性格類型論の中で、双極性障害になりやすい体型・性格は「肥満型の循環気質」であることを示しています。
躁うつ病の患者は社交的でユーモアに富む性格と、寂しがり屋で浮き沈みの激しい性格が入れ替わりながら表面化する「循環気質」の性質があることが明らかにされました。また、肥満型の体型だと躁うつ病になる可能性が高くなることも示唆されています。
現在クレッチマーの性格類型論は多くの批判を受け、あまり指示されていません。一方で、痩せすぎや肥満がうつ病の発症リスクであるという研究は存在します。現代ではあまり指示されない類型論ですが、肥満型についてはあながち間違いではない部分もあるといえます。
参考:網島こころクリニック 双極性障害 体型と病前性格
参考:ひだまりこころのクリニック 太っているとうつ病になりやすいって本当?クレッチマーの性格の類型論
双極性障害になりやすい「執着性格」
1950年に、日本の精神科医である下田光造が双極性障害になりやすい性格傾向として「執着性格」を提唱しました。
執着性格というと、人に対して執着するイメージを持たれる人もいるかもしれません。実際の執着性格は、物事へのこだわりが強く、何事も徹底的にやらねばすまない執着的な気質を指します。仕事のできる人に多いですが、自分を追い込み無理を重ねがちな一面もあります。
また、執着気質に近い性格として、1960年代にドイツのテレンバッハという精神科医が「メランコリー親和型性格」を提唱しました。メランコリーにはドイツ語でうつ病という意味があります。
メランコリー親和型の人はとても几帳面であり、生真面目で秩序が保たれることを好みます。秩序を保つことに執着しているともいえます。どちらの説も、1950〜1970年代の高度経済成長期の日本人にフィットする考えであったことから広まりました。
現代には「新型うつ」という言葉もあるように、執着性格やメランコリー親和型性格では説明のつかないうつ病、躁うつ病の患者も存在します。
参考:Fujimoto Medical System 躁うつ病になりやすいタイプ(人)
参考:可知記念病院 メランコリー親和型性格とうつ病
双極性障害になりやすい性格の人、8の特徴
双極性障害になりやすい性格を8つ紹介します。古典的な双極性障害の特徴は肥満型で循環気質、執着性格、メランコリー親和型性格です。もし、複数の特徴が自分にあてはまるようであれば、躁うつ病になりやすいタイプといえるので注意しましょう。
また、これからご紹介する特徴に当てはまらない場合でも、双極性障害を発症する人はいます。性格傾向はあくまで参考程度に、いつ誰が双極性障害になってもおかしくないのだという意識を持つことが大切です。
1.仕事熱心で責任感が強い
仕事熱心で責任感の強い人は双極性障害になりやすいといえます。熱心で責任感が強いと自分よりも周囲の人を優先し、疲れが溜まっていても強迫的に自分を追い込んでしまいがちになります。
つい周囲の人の仕事まで背負い込んでしまう、自分が引き受ければそれで済むと考えてしまう人は注意しましょう。ストレスを抱え込みやすい人は周囲の人に頼るのが苦手です。適度に周囲の人に頼るクセをつけていきましょう。
2.こだわりが強く完璧主義
仕事や家事など、何事も完璧にこなしたい完璧主義の傾向が強い人が多いです。完璧に仕上げなければならないプレッシャーでなかなか仕事に取りかかれなかったり、完璧にできないときに全てを投げ出したくなったりして不全感を覚えてしまいます。
双極性障害の傾向だけでなくベースに発達障害の特徴を持つ人だと、こだわりもあるためより完璧にしないと気がすまなくなりがちです。まず70点まで仕上げてそれからブラッシュアップする、といったように考えを変える必要がありそうです。
3.自分より周囲の人を優先する
自分よりも周囲の人を優先しがちです。困っている人がいると、自分も暇なわけではないのに新たな仕事を抱え込んでしまいます。周囲の人を優先することで友好な関係をきずける反面、自分の気持ちが無視されわからなくなるデメリットも生じます。
何か人から頼み事をされたら、自分が大変にならないかよく考えて返事をすることが大切です。断りづらいときは、理由を明確にしたり代替案を提示したりといった工夫をして伝えるようにしましょう。