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家族や友人など、大切な人がパニック障害に…
身近な人や大切な人がパニック障害になると、周りはどのような対応をしてあげるべきか悩みますよね。1番つらいのは本人だとはわかっているからこそ、どのようなサポートをするべきか不安や心配が多いでしょう。しかし、早く元気になってほしいあまり焦った対応をとると、実は本人にとっては負担になることも……。
今回は、身近な人がパニック障害になった時の適切な対応方法について解説します。パニック障害は、周囲の人たちの正しい理解があってこそ改善に向かう障害です。パニック障害の症状を知り、最善の行動をとれるように心がけましょう。
パニック障害とは?
パニック障害とは「生活の中で突然パニックの発作が起きることにより、生活に支障が出ている状態のこと」を指します。パニック発作とは主に「動悸・めまい・手足の震え・発汗・窒息感・吐き気」などが生じる症状です。また、これらの発作が「理由なく現れる」ことも特徴です。
パニック障害の原因は、人間にもともと備わっている体の防衛反応の異常です。体の防衛反応の異常が起きる要因として、脳内の扁桃体の過活動や、前頭前皮質の活動不足が関わっているといわれています。またパニック障害になる割合は、1000人に6~9人と言われており、決して珍しい症状ではありません。
パニック障害の人の心理状態とは
パニック障害の人がパニックを起こしている最中は、自分がどうにかなってしまうのではないか、このまま死んでしまうのではないかという恐怖心が生じます。一生懸命頭の中で「沈まれ、沈まれ」とコントロールしようとしても、体が言うことを聞いてくれません。
また、パニック症状は時と場所を選ばずに突然現れます。そのため、いつパニックが起きてしまうのかが不安で家から出られなくなってしまうことも。
対人コミュニケーションも滞り、孤独感に苛まれさらにストレスを溜めてしまいがちです。
パニック障害の人に言ってはいけない言葉
パニック障害の人に言ってはいけない言葉はいくつかありますが、特に気を付けたい言葉は以下の3つです。
- 気持ちの問題だよ
- 薬飲んでるから治らないんじゃないの?
- それ、本当なの?
「気持ちの問題」と言われると「自分の心の弱さが悪いのか」と余計に思い詰めてしまい、さらなる発作を誘発する可能性があります。気の持ちようで風邪が治らないように、パニック発作も専門の治療が必要なのだと理解しましょう。
パニック発作で心療内科に通っている人に対して「薬を飲んでるから治らないんじゃないの?」という言葉を発するのもNGです。心療内科での薬の処方は、医者と心理士が情報共有した上で治療方針を決定します。治すための行動を否定されてしまうと、苦しみの出口が塞がれたような気持ちになってしまうので注意が必要です。
また「それ、本当なの?」など、パニック症状を疑うような言葉も絶対にNGです。本人にとっては本当につらく死の恐怖をも感じさせる発作であるのにも関わらず、それを嘘のように言われてしまうと絶望的な気持ちになります。
これら以外にも、ネガティブな言葉、疑うような言葉、気持ちの問題で片付けるような言葉は決して言わないようにしましょう。
参考:ひだまりこころクリニック「パニック障害になった家族にどう接するの?正しい知識と傍にいてあげることが大事!」
パニック障害の人にしてはいけない行動
パニック障害の人にしてはいけない行動として挙げられるのは「根性論を推奨すること」です。気合や根性でパニックを抑え込むように叱咤したり、本人の人間性や精神力について指摘をすることは、本人をより追い詰める結果となります。
他には、発作への荒療治として無理やり外に連れ出してもいけません。外出中のパニック発作は、恐怖と恥ずかしさで絶望的な気持ちになるものです。それがきっかけで、外出への不安が今以上に高まることも考えられます。社会との繋がりの復帰は、本人のペースの任せることが大切です。
また、気分転換にとアルコール摂取を勧めないようにしましょう。パニック発作は欝やアルコール依存症を併発しやすいと言われています。心が塞ぎ込みがちなパニック障害では、逃げ道としてのお酒は勧めません。
パニック障害の改善には医者との二人三脚が大事です。だからこそ、家族や保護者が医療機関を勝手に変更するのもNGです。本人が信頼を寄せている医者に基本的な対処は任せましょう。セカンドオピニオンなどを視野に入れる場合も、本人としっかり相談するべきでしょう。