目次
- 心の病気を全て知っておこう!
- DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き)とは
- ICD-11(国際疾病分類)とは
- 精神疾患の定義
- 【臨床心理士が解説】精神疾患の種類
- 1.自閉スペクトラム症
- 2.統合失調症
- 3.双極性障害
- 4.うつ病
- 5.適応障害
- 6.気分変調性障害
- 7.社交不安症(社交恐怖)
- 8.全般性不安障害
- 9.身体表現性障害
- 10.パニック障害
- 11.強迫性障害
- 12.心的外傷後ストレス障害(PTSD)
- 13.急性ストレス障害
- 14.複雑性心的外傷後ストレス障害
- 15.解離性同一性障害
- 16.性別違和
- 17.摂食障害
- 18.月経前不快気分障害(PMDD)
- 19.睡眠障害
- 20.アルコール依存症
- 21.ゲーム依存症
- 22.認知症
- 23.シゾイドパーソナリティ障害
- 24.回避性パーソナリティ障害
- 25.依存性パーソナリティ障害
- 26.自己愛性パーソナリティ障害
- 27.境界性性パーソナリティ障害
- 28.演技性パーソナリティ障害
- 29.妄想性パーソナリティ障害
- 30.反社会性パーソナリティ障害
- 自分にも身に覚えがあったら、受診を検討しよう
14.複雑性心的外傷後ストレス障害
複雑性心的外傷後ストレス障害は、家庭内暴力や児童虐待、いじめといった長期間にわたる反復的なトラウマ体験を受けたときにおこります。心身の不調や自信の喪失など、さまざまな症状が現れます。
治療では、薬物療法やカウンセリングを行います。対人関係のトラウマの克服を重点的に行うことが多いでしょう。
15.解離性同一性障害
解離性同一性障害とは、一人の中に全く別の性別や記憶、性格を持った人格が現れる精神疾患です。幼少期の虐待や暴力などのトラウマ体験が原因だといわれています。
薬物療法は対症療法として行われるでしょう。長期的なカウンセリングを行い、人格の統合を目指します。
16.性別違和
かつては性同一性障害と呼ばれていました。自分の生まれもった体の性と、心の性が一致しない状態のことをいいます。
性別違和の治療では、患者の性自認を尊重します。体の性を変える治療を望む場合、身体的リスクを十分話し合ったうえでホルモン補充療法や、性別適合手術をすることがあるでしょう。
17.摂食障害
摂食障害とは、食事に関連した異常な行動が続き、体型や体重にとらわれ心身に悪影響を及ぼす精神疾患です。極端な体重・食事の制限をする「神経性無食欲症」と、過食やおう吐を繰り返す「神経性過食症」があります。
治療では、患者の歪んだボディイメージの修正、食習慣の指導を行います。
18.月経前不快気分障害(PMDD)
月経前症候群(PMS)のうち月経前不快気分障害(PMDD)は、心の症状が日常生活に支障をきたすほど著しい場合を指します。激しいイライラや焦燥感がわきおこり、周囲の人や物にあたることがあるでしょう。
治療には抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法、漢方治療が用いられることが多いです。
19.睡眠障害
睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態のことです。代表的なのは入眠困難、中度覚醒、早朝覚醒により十分な睡眠時間が確保できなくなる不眠症があります。
十分な睡眠時間を確保しても日中眠気におそわれる過眠症、睡眠時に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群なども含まれます。睡眠障害は生活指導や、睡眠薬による治療が中心となるでしょう。
20.アルコール依存症
アルコール依存症は習慣的に酒を大量に摂取した結果、身体的・精神的依存が形成され、社会生活に支障をきたす精神疾患です。酒がなくなると手が震えるといったアルコール離脱症状や、飲酒時の記憶がなくなるブラックアウトなどの症状が生じます。
治療では、断酒や減酒でアルコールを体から抜き、酒に頼らず日常のストレスに対処する力を身につけるのを目指します。
21.ゲーム依存症
ゲーム障害は、ゲームに依存し、社会生活に支障をきたす精神疾患です。ゲームをする時間を自分でコントロールできない、ゲーム以外の出来事の関心が低くなる、日常生活に支障が出てもゲームを優先するなどの特徴が12ヶ月以上持続します。
治療では、重症度に合わせて入院や通院、カウンセリング治療を選択し、ゲームに依存せずほかの活動にも楽しみを見出せるようにします。
22.認知症
認知症は高齢者がなるもの、というイメージがあるかもしれません。実際は年齢だけでなく、脳の病気や障害などさまざまな原因により脳の機能低下がおこります。
認知症には根本的な治療はありません。ただし、認知症の種類によっては薬物療法で進行を遅らせたり、イライラや不安などの精神症状を軽減したりするのは可能でしょう。
23.シゾイドパーソナリティ障害
シゾイドパーソナリティ障害とは、孤独が好きで人との関わりを積極的に求めない特徴があり、仕事やプライベートに支障をきたす精神疾患です。
社交場面に本人が不安や緊張を感じている場合は、薬物療法で不安を軽減したり、カウンセリングで対人場面の緊張を和らげたりする訓練をします。
24.回避性パーソナリティ障害
回避性パーソナリティ障害とは自分に自信がなく、失敗を恐れるあまり社会生活に支障をきたしてしまう精神疾患です。
自信のなさから昇進を拒否したり、友人と親密な関係を作れなかったりするでしょう。人との関わりを求めているため、シゾイドパーソナリティ障害とは区別されます。治療では薬物療法や、カウンセリングを行います。
25.依存性パーソナリティ障害
依存性パーソナリティ障害は、自分で考えて決定を下すことを放棄し、他者に決定権を委ね、過度に依存する状態のことです。仕事上リーダーシップを取るといった主体性を発揮しなければならない場面で支障をきたしがちです。
薬物療法とカウンセリングを併用し、自分を信じ、安心して自己主張できるのを目標とするでしょう。