企業やチームの心理的安全性を高める方法

意味があると感じられる目標に向かって、お互いに意見をぶつけ合ったり、必要とされたときに助け合ったりしてチームで問題を解決できるようにする。そのためには、心理的に柔軟であることを指す「心理的柔軟性」を身につけることが大切と言われています。

心理的柔軟性は困難に直面したときに、自分が変えられるものと変えられないものを見分け、変えられる大切なことに取り組むために必要な姿勢のことです。

柔軟さを身につける方法として、ストレス低減法として知られるマインドフルネスが有効だといわれます。マインドフルネスには距離を保って自身の考えを眺められるようになる効果があるため、現実の問題に落ち着いて対処できる柔軟さがもてるようになるでしょう。

1.失敗しても大丈夫な環境を整える

具体的に心理的安全性を高めるためには、たとえ困難に直面したとしても失敗を恐れず、むしろ歓迎するくらいの姿勢が効果的です。失敗に対してポジティブなイメージをもつことで、心理的安全性を測る尺度の一つである「挑戦」が促されます。

「挑戦」とはたとえば、機会を作ったり与えたり、模索したり、仮説検証をしたりと新しいことに取り組むことです。

できない理由や難しい理由、リスクを並べると挑戦は阻害されてしまいます。たとえ失敗しても挑戦した行動を褒める風土、経過・プロセスを見守る環境があれば、「挑戦」がしやすくなり心理的安全性を高めることができます。

2.メンバー全員が意見を言える環境を作る

心理的安全性を測るもう一つの尺度として「話しやすさ」があげられます。「話しやすさ」とはたとえば、話す、聞く、相槌を打つ、報告する、目を見て報告を聞く、雑談するといった行動がスムーズに行われることです。

なんでも言ってね、というだけでは話しやすさは促進されません。「もっとこうしてくれた方が、より相談しやすいと感じられることはある?」と言うように、文脈に応じて具体的な投げかけをすることがより話しやすい環境を作ることにつながります。

3.助け合える関係性を作る

心理的安全性を測る尺度の三つ目は「助け合い」です。「助け合い」の例としては、一人では対応できないと認め相談する、相談に乗る、解決のためのアイデアを募るなどがあげられます。個人よりもチームの成果を考えることも助け合いにつながる行動です。

困っていることがあるか自分から聞くようにしたり、相手を責めるニュアンスに聞こえがちな「なぜ」を言い換えたりする行動は助け合いを促します。ネガティブに捉えられがちな「なぜ」よりも「どこで何が起きたの?」と聞くと相手は助けを求めやすいと感じるでしょう。

4.飲み会など、業務外の強制的な飲み会は開かない

「助け合い」が重要な一方で、ただ交流を増やすことが役立つとは限りません。たとえば業務外に飲み会を開けば仲が深まり助け合う行動が増えそうですが、業務外での飲み会に参加したくない人もいるかもしれません。人の行動は強制されたり、言われた通りに行動したりするだけでは変わらないものです。

まずはチームにとって何が重要なのかを一人ひとりが理解し積極的に取り組めるよう、日々丁寧にコミュニケーションを取ることが大切です。

また助言を求められたときに、頭ごなしに相手の意見を否定する態度ではないか振り返ってみましょう。助けを求めて否定されると次からは助けを求めることができなくなります。否定されなかったことで助けを求めてよかったと実感し、「質問しても大丈夫」という印象が生まれれば助け合いはチームに広がっていくことでしょう。

5.個人個人の働きやすさに合わせて稼働する

たとえば何時に働くか、どこで働くか、どのくらい働くかを自身で決められる環境は、個性が尊重された環境とも言えるでしょう。

心理的安全性の最後の尺度は「新奇歓迎」というものです。「新奇歓迎」とは、新しい視点を取り入れることを歓迎できるか。個性を発揮することが歓迎され、強みに応じて役割を与えられているとチームの人が感じているかです。違いを良い悪いではなく、ただ違いとして認める姿勢も大切です。

特に重要なのは、何のために、何を大切に活動しているかをはっきりと言語化することです。一人ひとりの働きやすさについて意見を交わすことで、さまざまな意見が飛び交う風土を生むことにもつながるでしょう。

6.チームの意見を否定しない

心理的安全性の高い状態とは、心理的安全性の指標となる「話しやすさ」「挑戦」「助け合い」「新奇歓迎」につながる行動や環境がたくさんある状態です。このいずれにも必要な心がけは、相手の意見を否定しないということ。

自分の意見を気兼ねなく言えることはもちろん、相手にも率直に意見を言ってもらえることが大切です。話を聞くときは目をみながら、常識に捉われずフラットに意見を聞いてみましょう。批判をいったん脇に置いてお互いを認め合う態度が、チームとして学び合う充実感のある職場を作っていくことになります。

人知温子(ひとしる おんこ)

人知温子(ひとしる おんこ)

ある日人間がそんなに強くないことを悟る。楽しいときも苦しいときも、意志をもつことを大切に。1994年生まれ。

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