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不安感から、さまざまな症状が出たら…
今まで当たり前にできていたことができなくなってしまう。自分に自信をなくし、外に出ることすら怖くなってしまう。それが不安障害やパニック障害の恐ろしさです。
不安障害やパニック障害では、症状が出ているときに「もう元気な自分には戻れないのではないか」と不安になってしまいます。しかし、適切な治療を受ければ症状が軽減していく病気です。
今回は、不安障害やパニック障害についてご紹介します。原因や症状、治療方法などを詳しく解説するため、自分自身や身近な存在が不安障害やパニック障害で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
不安障害とは
不安障害とは、強い不安や緊張感により日常生活に支障が出ている症状を指します。
元々、私たちは日常の中でさまざまな不安や緊張を感じるもの。健康や将来、人間関係などへの不安は多く、大勢の人に注目されたり大きな仕事を任されたりすると誰でも緊張するでしょう。
不安や緊張は生きていく上で付きものです。適度な緊張はパフォーマンスを向上させる場合もあります。しかし、体や心への影響が過度に出て生活に影響を与えると不安障害として診断されます。
参考:厚生労働省「不安障害」
不安障害の種類
不安障害は症状によってさまざまな種類に分類されます。今回は中でも代表的な症状・障害であるパニック障害・社交不安障害・全般性不安障害を解説します。
不安障害の有病率は人口の5~6%といわれており、この中で約半数の症状が全般戦不安障害です。残りの半数がパニック障害や社交不安障害などの複数の不安障害といわれています。
不安障害は精神的な不安が原因となり、心と体に不快な症状を起こすものです。正しい知識を身に付け、対策と治療をしていきましょう。
参考:厚生労働省「不安障害」
参考:心療内科 精神科 綱島こころクリニック「不安障害(パニック障害、全般性不安障害、社会不安障害、さまざまな恐怖症)」
1.パニック障害
パニック障害は、パニック発作(発作的な不安や体の異常な反応)が繰りかえされる病気です。パニック障害は男性よりも女性の方が発症しやすいことがわかっています。とくに20代半ばから40代半ばに多い症状です。パニック発作の症状は、主に下記が当てはまります。
- 動悸
- 心拍数の上昇
- 発汗
- 手足の震えや痺れ
- 息切れ
- 呼吸苦
- 腹痛
- 吐き気
- めまい
- 死への恐怖
上記の他にも、窒息感や気が遠くなる感覚が特徴的です。パニック発作は1回10分程度で収まることがほとんどですが、本人は「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖・不安を強く感じます。
パニック発作が起こる際には息切れや胸の苦しさを感じ、過呼吸に発展することも。四肢の冷えや痺れも伴うことから、ストレスにより過呼吸や呼吸困難などが現れる過換気症候群と混同されることもあります。
発作が収まると症状が嘘のように消えるため、周囲の理解を得づらいことも患者の悩みを深くしています。
参考:厚生労働省「不安障害」
2.社交不安障害
社交不安障害は、人前で恥ずかしい思いをすることに強い恐怖や不安を感じる障害です。特に、多くの人が集まる場所を避ける傾向があり、人混みや繁華街などにいることで苦痛を感じます。恐怖のあまりパニック発作を起こす場合も。
社交不安障害に悩まされている人は、自分の状態を異常だと感じながらも恐怖を抑えられない心理状態です。重症化すると人と会話することも難しくなり、公共機関での移動も困難になります。社会とのつながりを恐れ、家に引きこもりがちになる可能性もあります。
参考:厚生労働省「不安障害」
3.全般性不安障害
生活におけるさまざまな心配事が心を支配し、極度に不安を感じている状態が半年以上続いていると全般性不安障害と診断されます。心配事は人によりさまざまで、家族・友達などの人間関係から、将来、お金、健康、仕事など多岐に渡ります。
不安を感じるだけではなく、集中力が欠如したり、疲れやすくなったり、落ち着きがなくなったりするのも特徴です。また体が緊張したままリラックスできず、不眠の症状も現れるケースが多いです。
参考:厚生労働省「不安障害」