人間不信から想定される精神面の病気とは?症状・原因を明確化しよう!

メンタルヘルス

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人を信じられない、信じることが怖い…

人間不信とは、何らかの出来事が原因となり他人を信じられなくなる状態を指します。人間不信が強まると、上手に人間関係を築けなくなったり、社会生活を送るのが困難になったりします。

今回は、人間不信になったときの過ごし方、人間不信が関わってくる精神科の病気を紹介します。人間不信により併発される病気を知ると、危機感を持てるので早めに対応できるかもしれません。

私たちは生きている限り、他人との関わりは避けられません。完全に信じることは難しくても、少しずつ心を開けるように対処方法を考えていきましょう。他人、そしてなによりも自分を信じることで、良好な人間関係が築けます。

人間不信で生活に支障がでたら…

小さなきっかけにより、誰でも人間不信になる可能性があります。すぐに人を信用するタイプの人や心が優しい人、傷つくことに慣れていない人はとくに人間不信になりやすいでしょう。

人間不信で生活に支障が出たら、まずは焦らずに人間不信になってしまった原因を考えましょう。信じられないのに、誰かを無理に信じようとしたり、焦ったりすると元の自分と現在の自分に大きな違いを感じて、自己嫌悪に陥りやすくなります。他人を信じられなくなったきっかけを解決することができれば、人間不信が改善する可能性もあるかもしれません。

次に、原因と向き合いながら、少しずつ人と接する機会を設けるのがいいでしょう。今まで以上に人と接することは疲れるでしょうから、無理をする必要はありません。人への不信感を癒すのは、やはり人であるケースが多いです。無理に信じようとする必要はないので、ゆっくりと相手の良いところを探すことから始めましょう。

人を信じられない…人間不信とは?主な原因・特徴・治し方まで徹底解説!

人間不信から想定される病気(精神科の病気)とは

人間不信は要するに、「人を信じられない」「疑り深い」という状態です。時には深刻な対人トラブルや孤独を引き起こし、社会生活を困難にすることもあるでしょう。しかし、人間不信は病気ではありません。

ただ、人間不信になった出来事、人間不信によるコミュニケーションのトラブルがきっかけで、精神科の病気を誘発する可能性があります。

人間不信が原因で発症しやすい病気を紹介します。生活の中に精神科の病気のサインを発見したら、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。早めの判断がスムーズな改善につながります。

1.社交不安症

社交不安症は、不安障害の一種です。昔の日本では、対人恐怖や赤面恐怖と呼ばれていました。現在、対人恐怖という言葉は医学上では正式な疾患名ではありません。対人関係において恐怖や不安を感じる人が病院で受診すると、社交不安症の名前で診断されます。

社交不安症は人前で恥ずかしい思いをすること、失敗するのを強く恐れ、そのような状況に苦しみを感じます。他人からどう思われているか気になったり、強い不安を感じたりするため、日常生活に支障をきたすこともあります。

人からの評価を気にするあまり人が集まる場所に行けなくなったり、人に見られながらの食事が苦手になったりと、日常生活を送りづらくなるような症状があらわれます。

1人なら簡単にできるのに、人前だとできなくなることに悩んでしまうでしょう。失敗を笑われた、恥をかかされた経験から人間不信になると、社交不安症を起こしやすくなります。

参考:心療内科・精神科ながうしクリニック「社会・社会不安障害」

参考:LITALICO仕事ナビ「対人恐怖症(社交不安症)とは?症状や原因、治療法や仕事上での対策、日常生活での工夫まとめ」

2.PTSD(心的外傷後ストレス障害)

信頼していた人の裏切りが原因で人間不信になった場合、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する可能性があります。PTSDは、原因となったつらい出来事が自分の意志とは無関係に思い出され(これをフラッシュバックと呼びます)、何度も苦しい気持ちになってしまう症状が特徴的です。

つらい記憶を思い出していない時でも緊張感が続いたり、警戒心が強くなったり、不眠・イライラ、悪夢などの症状に悩まされることも。平常時に突然感情が不安定になり、涙が流れたり取り乱したりすることもあるので、自分も周囲も混乱し理解に苦しむことになります。

どれも本人にとっては深刻な症状です。あまりのつらさで現実感がなくなり、自分が自分でないような感覚があるのも特徴です。

つらい記憶の苦しみから逃げるために感情や感覚が麻痺すると、人間関係に亀裂が生じることもあります。家族や友人、恋人など大切な人に対し、愛情が感じられなくなる場合もあるでしょう。

参考:厚生労働省「PTSD」

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?主な症状と治療法を紹介!

3.うつ病

うつ病とは、気分障害のひとつです。人間不信によって自己嫌悪に陥ったり、人間不信になった出来事でひどく落ち込んだりする人の中には、うつ病の診断基準を満たす人もいるでしょう。

代表的な症状として1日中気分が落ち込む、何をしても楽しめないがあります。また食欲がなくなる、眠れないなどの症状があらわれることもありますが、一方で過食や寝すぎるなどの症状も見られます。気持ちが晴れなくてふさぎこんだ状態が続き、自分に否定的になるのも特徴です。

普段なら乗り越えられることが乗り越えにくくなるため、イライラや焦りが生まれます。ネガティブな感情によってストレスが溜まり、さらに気分が落ち込んでしまう悪循環に陥ることもあります。

日本では現在、100人に約6人がうつ病を経験しているといわれています。また、女性のほうが男性よりも1.6倍ほど多い病気です。行動する気力が失われるため受診するのが遅れ、重症化することもあるでしょう。

参考:厚生労働省「うつ病」

【臨床心理士が解説】うつ病の症状と特徴とは?5つの主な治療方法

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フリーランスwebライター/ボーカリスト。パニック障害やうつ病を患った経験を活かし、悩みを抱える方の心を暖められる記事をお届けします。得意分野はメンタル/恋愛/ペット。月と星と花と猫が好き。

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