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考えすぎてしまう…反芻思考が止まらない…
「あの時、ああしておけばよかった」「あの言い方で良かったのかな」「私はなぜこんな性格なのだろう」
このように、ネガティブなことを考えすぎていませんか?
考えすぎてしまう思考は専門的に「反芻(はんすう)思考」と呼ばれています。反芻思考がひどくなると、抑うつ気分になりやすく、うつ病や不安障害の発症につながる可能性があるので注意が必要です。
参考:新宿ストレスクリニック「ぐるぐる思考(反芻思考)の傾向と対策」
反芻思考が止まらない時は、自分の心を第一に考えよう
考えすぎて疲れたときは、自分で思っているよりストレスが大きい状態です。考えすぎない人はあまり気にならず、「忙しくて返信ができないのかな?」と思うことが多いでしょう。
しかし、考えすぎてしまう人は結論が悪いほうに飛躍する傾向があります。長きに渡り、ネガティブ思考を続けると精神疾患になることも。
考えすぎて疲れたときは自分の心を第一に考えて、体を動かしたり、自分のやりたいことを紙に書き出したり、自分を責めずに褒めたりするのがおすすめ。自分の心を第一に考えて行動すると不思議とぐるぐる思考が薄れています。
自分の心を第一に考えても、考えすぎてしまう症状が治らないこともありますよね。もし考えすぎてしまうことで日常生活に支障をきたすほどなら、無理せず精神科や心療内科に行ってみましょう。
反芻思考が止まらない主な原因
反芻思考が止まらない原因は複数考えられます。反芻思考のうち、自分で答えを出せないものごとに不満を膨らませるものを「ブルーディング」といいます。
ブルーディングには「考え込み」という意味があります。「もっとうまく話ができれば友達に嫌われなかっただろう」と過去をネガティブにとらえ不満を膨らませる行為です。
ブルーディングはうつ病と関連が強いと考えられています。他にも思考が止まらない原因としては、ひとりで過ごす時間が多い、ストレスが大きいなどが考えられます。
考えすぎてしまう状態はネガティブな感情を強くしたり、現実を実際よりつらく悲しいと感じすぎたりするので注意しましょう。
もし友達に悪口を言われた、仕事でミスをした、などの原因がないのに普段から思考が止まらない場合は、精神疾患の可能性があります。早めに精神科や心療内科を受診することをおすすめします。
参考:BP.Labo「なるほど、「考えすぎ」の原因はそこにあったのか!!」
反芻思考が止まらず、生活に支障が出たら…
ネガティブな思考が止まらず生活に支障が出たら、まずは注意をそらしましょう。体を動かす、スポーツに打ち込む、自然の中を散歩する、など身体を使って行動すると自然にぐるぐる思考が止まりやすいです。
また、考えすぎてしまう原因がはっきりしているなら、思い切って離れるのも効果的。自分がどんなときに考えすぎてしまうのか、行動パターンを紙に書き出してみましょう。
家族から否定的なことを言われた後にぐるぐる思考がはじまる、夜になるとネガティブになる、など特定のパターンを探してください。夜に暗い気持ちになるなら、習い事の予定を入れたり散歩をしたりすると必然的に考えすぎてしまう状態は防げます。
参考:新宿ストレスクリニック「ぐるぐる思考(反芻思考)の傾向と対策」
考えすぎてしまう症状の病気(精神疾患)とは?
考えすぎてしまう症状を気の持ちようだと思っていませんか?何も原因がないのに、日常的に考えてしまう症状があるなら病気の場合があります。
仕事や家庭でストレスが大きすぎると、「あんなことを言わなければよかった」「友達と出かけるときに道に迷ったらどうしよう」と不安や恐怖を抱えて最悪の場合は家から出られなくなるのです。
考えすぎてしまう症状の精神疾患には、以下のような病名があります。
- 統合失調症
- 不安障害
- うつ病
上記の精神病について原因は分かっていませんが、感情や意欲を司る脳やストレスだと言われています。以下で、考えすぎてしまう症状の病気(精神病)について詳しく解説しました。
参考:COSMOPOLITAN「不安や疲れの原因に…「考えすぎ」から抜け出す9つの習慣」
1.統合失調症
統合失調症は脳内の考えがまとまりづらくなる病気です。「周りの人が聞こえない声が聞こえる」「眠れない」「音や気配に敏感になる」「頭の中が忙しい」など、人によって異なる症状が現れ、仕事や日常生活に支障が出ます。
また、ほかの症状として感情表現が乏しくなったり、やる気が低下したりします。
統合失調症の原因ははっきりと分かっていません。一般的にはストレスや生活環境など、複数の要因が重なって統合失調症が発症していると考えられています。
周りの人からはひとりごとを喋っているように見えて、理解されにくい病気です。当てはまる症状があれば、すぐに精神科や心療内科を受診しましょう。
参考:厚生労働省「統合失調症」
2.不安障害
不安障害は大きな理由もないのに、過度な心配をする、考えすぎてしまう精神疾患です。誰でも大勢の前で発表する前や大事な面接があると、緊張して汗をかいたりお腹が痛くなるのは当たり前のこと。
でも、不安障害になると不安や心配が大きくなりすぎて、「家から出られない」「考えすぎて何も手につかない」など、日常生活に支障が生じます。
不安障害の原因は過度なストレスや心のバランスの乱れです。精神科で主治医による適切な薬物療法やカウンセリングを通して、徐々に考えすぎてしまう症状や不安症状を和らげます。
参考:ひだまりこころクリニック「診療科目/不安神経症・強迫性障害」
3.うつ病
うつ病はものごとの考え方が否定的になる病気です。一日中気分が落ち込んで、何も楽しめない状態が2週間以上つづきます。ほかにもうつ病では「眠れない」「食欲がない」「疲れやすい」など、身体症状を伴うのです。
発症原因は今のところ分かっておらず、感情や意欲を管理している脳に何らかの影響が出ていると考えられています。
うつ病は100人に約6人が経験しているという調査結果があります。また、女性のほうが男性より1.6倍も多く発症。主な理由としては女性は人生を進むにつれて妊娠、出産、更年期などのうつ病になりやすい状況が多いためです。
目には見えない病気なので、周りに話してもつらさが伝わらず悲しい思いをする場合も。当てはまる症状があれば、うつ病の専門家である精神科や心療内科を受診しましょう。
参考:厚生労働省「うつ病」