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頭が回らない…頭が働かない…
「普段はかんたんにこなせる仕事なのに、ケアレスミスが続いてしまう」「物事を深く考えようとしても、途中で、考えることに疲れてやめてしまう」。頭が回らなくなるとミスや失敗が増えてしまい、日常生活に支障が出ます。
頭が回らなくなる・頭が働かない状態には何らかの原因があることが多いため、ぼんやりしているからといって気合いでどうにか乗りきることは難しいもの。なるべく早く頭の回転が鈍くなっている原因を突きとめ、適切な対処をする必要があります。
今回は、頭が回らない・頭が働かない症状から想定される病気の原因や、対処方法をご紹介します。大きなミスや失敗、事故、トラブルなどを起こしてしまう前に、心と体をゆっくりと休める機会を設けてくださいね。
頭が回らない・思考停止してしまう主な原因
頭が回らない状態が続いているときには何らかの原因がある場合がほとんどです。特に、日常的な習慣が影響していることが多いため、生活を改善することが頭の回転を回復させることにつながるケースも。しかし、人によっては乱れた生活リズムが習慣化してしまい、一時的に正しい生活リズムに改善できたとしても継続できないことが多いでしょう。
ここでは、頭が回らない・思考停止してしまう主な原因を3つご紹介します。意外にも、多くの人が経験している普段の習慣が頭の回転を鈍らせている可能性があります。軽視せずに自分のライフスタイルと重ねてみましょう。
1.疲労
疲労とは「過度の肉体的・精神的活動や病気によって生じる、独特の不快感」であり、同時に「身体活動能力が減退している状態」です。また、疲労時には「休養の願望を伴っていること」も特徴です。
不規則な生活や睡眠不足、栄養バランスの偏り、激しいスポーツ、ストレスなどで疲労がたまると頭が回りづらくなります。身体的・精神的な疲労が限度を超えると、だるさややる気の減少などのネガティブな症状が起こります。
2.ストレス
ストレスが溜まりつづけると、体のだるさを感じ、頭が回りづらくなります。また不眠に悩まされたり、睡眠時間は足りているはずなのに熟睡感がなかったりと、頭がはっきりと起きずにぼんやりした状態になりがちです。
また「がんばってもどうせ失敗するだろう」「すべて自分が悪い」などネガティブな考えをしやすくなり、集中力も低下します。客観的に物事を見ることが難しくなり、大事なことを考えるのを避ける傾向が出てきます。
3.睡眠不足・不眠
睡眠時間が不足すると集中力が低下し、物事を深く考えづらくなります。勉強や仕事にかかる時間が長くなったり、ケアレスミスが増えたりなど、健康時の思考力があれば回避できた失敗が増えがちです。
また睡眠不足の時には、前頭葉(意欲や感情の抑制、集中力、判断力などに関わる脳の部分)がダメージを受け、脳活動が極端に低下するといわれています。深く考えようとしても途中でぼんやりとしてしまい、最後まで考えきることができません。
参考:厚生労働省「不眠症」
頭が回らない症状から想定される病気(精神疾患)とは?
頭が回らない状態が長く続く場合は、病気(精神疾患)が原因となっている可能性もあります。ストレスを発散する時間を設けても頭の働きが戻らないと感じたら、病気の可能性を疑い、医療機関を受診することも視野に入れましょう。
頭が回らない症状から想定される病気を2つご紹介します。自分の症状と照らしあわせ、気になる点があれば専門医療を受けてくださいね。頭が上手に動かない状態であれば、病院を受診するべきかを自分で判断せず、家族や友人に相談することをおすすめします。
1.双極性障害
双極性障害は、うつ状態と躁(そう)状態をくりかえす病気です。うつ状態の時は重苦しい気分に押しつぶされそうになり、物事を深く考えられなくなります。また躁状態では「回りすぎ」といえるほどに思考が目まぐるしく回転しており「普段通りの冷静な判断」ができません。
双極性障害では一般的に、躁状態よりもうつ状態の期間の方が長く続く傾向にあります。また、日本での患者数は1000人に4〜7人といわれています。
2.うつ病
うつ病は、気分の落ちこみや疲れやすさなどが現れ日常生活に支障が生じる病気です。何をしても楽しめなかったり、不眠や食欲減退に悩まされたりと、心と体に大きな負担が生じます。
うつ病では、精神的・肉体的ストレスが原因で、脳がうまく動かなくなっている状態です。そのため冷静な思考ができなくなり、否定的な考えを持ちやすくなります。日本では100人に約6人が、生涯のうちにうつ病を経験しているといわれています。
他には、性欲の減少や頭痛、肩こり、動悸、便利、下痢、めまい、口の中の乾きなどの症状が特徴です。主に抗うつ薬を使った薬物療法が取りいれられ、患者の症状に合わせて認知行動療法や対人関係両方などの専門的な治療法が行われます。
参考:厚生労働省「うつ病」