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うつ病でつらいとき、「何もしない」ができない…
うつ病の治療では、ゆっくり休むことが重要です。しかし、ゆっくり休みたいのに「休んでいる自分」に罪悪感を感じたり、焦燥感に駆られたりして「何もしないこと」が上手にできないという方も多いでしょう。
今回は、うつ病でつらいときにしてはいけないことや、改善をサポートするための過ごし方などをご紹介します。うつ病では判断力が鈍り、適切な情報を集めるのに苦労しがちです。この記事を参考に、適切な過ごし方を実践してくださいね。
うつ病でつらいときの過ごし方とは?
うつ病でつらいときは「体と心の休息がしっかりととれる環境」を整えることが大切です。職場や学校がストレスの原因になっているのであれば、休職・休学をして自宅で過ごしたり、部署を変えてもらえるよう相談したりなど、穏やかに過ごせる場を作りましょう。
まずは安心して過ごしながら病院に通える環境づくりを優先。自宅ではゆっくり休めない事情があると、入院治療になることもあります。うつ病の治療において大切なのは自宅にいることではなく、安心して休息することであるためです。自宅がストレスの原因になる場合は、離れることがうつ病の治療の手助けになります。
また、うつ病では主に薬物療法が用いられますが、散歩や体操などの軽い運動でも症状が軽減されることが知られています。まずは適切な療養がとれる環境を整えることが大切です。
参考:厚生労働省「うつ病」
うつ病でつらい、してはいけないこと
「自分のつらさをわかってくれる人などいない」とネガティブ思考になると孤立してしまいます。1人では、うつ病のつらさを軽減するために行う方法として何が正しいものかを判断しきれず、困ってしまうことが多いでしょう。
ここでは、うつ病の人がついやってしまいがちなNG行動をご紹介します。うつ状態になると物事を上手に判断ができず、やるべきか・やめるべきかもわからなくなるもの。やってはいけない行動を振り返り、心の平穏を保ちましょう。
1.SNSを見る
うつ病でつらいとき、気を紛らわすためにSNSを見る人は少なくありません。しかし、SNSはうつ病にとってマイナスの作用が働く可能性が高いもの。うつ病のネガティブな心理状態では、他人の生活が充実して見え、自分の状態をより悲観的に捉えてしまいがちだからです。
またうつ病のときには、自分の投稿への反応が無いだけで自己価値を疑ってしまったり、仲がいいグループが会話しているのを見て疎外感を感じたりします。さらにSNSではフォロワーや「いいね」の数が気になり、自分と他人を比べてしまいナイーブになりやすいでしょう。
参考:新宿ストレスクリニック「SNSとうつ病の関係とは~メンタルヘルスに与える影響を知ることが大事!」
2.人の言葉に左右される
うつ病はただネガティブになる病気ではなく、ストレスを背景に「脳がうまく動かなくなっている状態」です。つまり、人からの意見をありのまま捉えづらくなるということ。うつ病では、ものの見方や考え方が否定的になります。
そのため、相手がよかれと思ってかけてくれた言葉も、まるで自分が責められているかのようなニュアンスで受けとってしまいがちです。アドバイスを求めること自体は否定できませんが、医者や心理士などの専門家以外の言葉に耳を貸しすぎないようにしましょう。
参考:厚生労働省「うつ病」
3.仕事や家事を頑張ろうとしすぎる
うつ病は放っておけば自然と治る病気ではありません。治療をしないと、他の病気と同じように症状が悪化します。うつ病になっても普段と同じように仕事や家事を頑張ろうとすると、少しずつ体を動かすのが困難になり、さまざまな支障を来たします。
次第に仕事に行けなくなったり、簡単な家事もできなくなったりと、重症化する可能性が高い傾向が。うつ病の状態が悪化してから治療を始めると治療の成果が上がりづらく、快方までの期間もさらに必要になります。無理をせず、早い段階でうつ病の治療を開始することが大切です。
参考:こころの陽だまり「うつ病ってどんな病気?うつ病を放置すると・・・」
4.ストレスの原因に向きあおうとしすぎる
うつ病は客観的に状況が判断しづらくなり、すべてのトラブルが自分の責任かのように感じてしまいます。そのためストレスの原因に向きあおうとすると、自己否定の繰り返しになり、ますます気持ちが落ちこんでしまうでしょう。
健全な状態でストレスの原因と向きあうのは建設的といえます。しかしうつ病では、自分を責めてばかりになり根本的な解決にならないことも。無理にストレスの原因と向きあわずに、悩みの種から距離を取り、心を休ませる方を優先するべきです。
参考:厚生労働省「うつ病」