自律神経乱れの原因&知っておきたい7つの改善策|自律神経失調症とは?

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自律神経とは?

人の体内には多くの神経が通っています。自律神経は、体内の内臓や血管の働きを自分の意思とは関係なく、24時間自動的に調整してくれます。

例えば、呼吸や脈拍、血液循環、体温調節、発汗、食物の消化、排尿、排便などは自律神経によって調整されています。眠っていても生命活動の維持ができるのは、自律神経が働いているからです。

また、自律神経は交感神経と副交感神経の2種類から成り立っています。交感神経は体を緊張させ活動性を高め、副交感神経は体を休める状態へ導く作用があります。

交感神経と副交感神経は互いに反する働きをしながら、各器官をバランスよく調整しているのです。例えるなら、車のアクセルとブレーキのような関係です。自律神経は、自分の意思でコントロールすることができないため、日頃の生活習慣で整える必要があります。

自律神経失調症とは?

交感神経と副交感神経のバランスが崩れたときに、自律神経失調症は起きます。交感神経は、日中活動をするとき、心身が緊張し興奮するときに働きます。副交感神経は夜間くつろいだり眠ったり、心身がリラックスするときに働きます。

交感神経系の症状は、動悸や息切れ、めまい、頭痛、不眠、冷え性などです。一方、副交感神経の症状は、食欲不振、胃もたれ、便秘、下痢、無気力感などが現れます。

また、自律神経失調症は4つのタイプに分けられます。

①本態性自律神経失調症

生まれつき自律神経の調整が乱れやすい体質のタイプです。低血圧、虚弱体質、体力がない人に見られます。

②神経症型自律神経失調症

心理的な問題で強く影響が出るタイプです。自分の体の不調に敏感な人で、ちょっとした精神的ストレスがすぐ体に現れます。感受性が豊かで、繊細な人や精神状態に左右されやすい人に見られます。

③心身症型自律神経失調症

日常生活のストレスによって起こるタイプです。自律神経失調症の約半数がこのタイプで、几帳面で真面目な人に見られます。

④抑うつ型自律神経失調症

慢性的なストレスによって起こるタイプです。やる気が起きない、気分が沈んでいるなどの「うつ症状」があり、几帳面で完璧主義の人に見られます。

検査をしても原因がはっきりとわからない体の不調を、自律神経失調症と言います。過度なストレスの刺激で交感神経の興奮が続くと、高血症、狭心症、不整脈、糖尿病などの原因になりますので早めの対策が必要です。

参考:「⾃分でもできる ⾃律神経の整え⽅」
参考:自律神経失調症を乗り切ろう
参考:自律神経失調症ってどんな病気なの?

体の不調を感じる…自律神経乱れの原因

自律神経が乱れるのは、ストレスが原因であることが多いです。しかし、ストレス以外にも複数の原因が考えられる場合も。もともとの体質で自律神経が乱れやすい人もいれば、不規則な生活習慣が原因で乱れてしまう人もいるのです。

不規則な生活習慣とは、食生活の偏りや、運動不足、睡眠不足、喫煙・深酒などです。また、自律神経の乱れと同じような症状が見られる疾患に、更年期障害やバセドウ病、甲状腺機能低下症などが挙げられます。

自律神経の乱れによる症状は、疾患によって引き起こされている可能性もあるため、自律神経以外の原因がないか事前に把握しておくことも大切です。女性の場合、加齢に伴うホルモンバランスの変化によって、自律神経が乱れることがあります。

原因についてもう少し詳しく見ていきましょう。

出典:「⾃分でもできる ⾃律神経の整え⽅」

自律神経乱れの原因1:ストレス

ストレスは大きく分けて2つあります。人間関係や仕事の責任からくる精神的なストレスと、環境の変化や過労、身の回りの光や音、温度などからくる身体的ストレスがあります。ストレスを受ける原因はさまざまですが、過度なストレスは自律神経失調症になる恐れがあります。

また、ストレスに弱い体質や性格の人は、自律神経を乱しやすい傾向です。例えば、子供の頃から緊張のある場面で吐きやすかったり、下痢になりやすい、または環境が変わると眠れなくなるなど、生まれつき自律神経が過敏な人。ノーと言えない、感情表現が苦手で気持ちの切り替えがうまくできないといった、ストレスへの抵抗力が弱い人は注意です。

ほどよいストレスは、脳の働きを活性化させ集中力を高める効果が期待できますが、過度なストレスは不安や悩みが大きくなり、自律神経が乱れやすくなります。

自律神経乱れの原因2:食生活・睡眠の乱れ

甘いお菓子やスナック菓子、コーヒーの過剰摂取は自律神経に悪影響を及ぼします。甘いお菓子に含まれている糖分は、体温を下げる効果があり、血糖値を急上昇させるのです。コーヒーに含まれるカフェインを過剰に摂取すると、中枢神経によるめまいや吐き気、嘔吐、動悸といった症状を引き起こします。

糖分やカフェインは、適度な量であればストレスを軽減する効果がありますが、摂りすぎると自律神経を乱す恐れがあるので注意が必要です。

また、睡眠不足も自律神経失調症と深い関わりがあります。良質な睡眠は体や脳、活動によって消耗した筋肉や内臓を修復する役割があります。この役割がうまく働かないと、心身はストレスを感じるようになり、自律神経失調症につながるのです。

自律神経乱れの原因3:喫煙・飲酒

タバコに含まれるニコチンは交感神経を過度に刺激し、心拍数や血圧の上昇、血管を収縮させる作用があります。「タバコを吸うとストレスが解消される」という人もいますが、これはニコチンに依存性があるためです。

「ニコチン切れ」の状態になると脳はニコチンを求めるようになります。しばらくタバコが吸えない状態が続くと落ち着かなくなり、イライラし始めます。このようなときにタバコを吸うと脳は満足し、ストレスが解消されたかのように錯覚するのです。

飲酒も喫煙と同じことが言えます。アルコールも交感神経を刺激し、血管を収縮させる作用があります。その上、副交感神経を低下する作用も。深酒はアルコールが長時間体内に残り、その間はずっと副交感神経が刺激され続け、血管の収縮が長時間続きます。

ストレス発散としての喫煙や飲酒が、かえって体に負荷を与える場合もあるのです。

参考:タバコは自律神経に悪影響なのか?
参考:深酒は自律神経を崩す原因に。名医が教えるお酒の飲み方

自律神経乱れの原因4:不規則な生活

不規則な生活も自律神経が乱れる原因となります。朝起きる時間や食事をする時間、寝る時間など毎日バラバラに過ごしていると、神経伝達物質セロトニンの分泌に支障をきたし、うつ病になりやすいと言われています。

昼夜逆転の生活、慢性的な睡眠不足、夜間勤務といった不規則な生活習慣を続けると体内時計(体内リズム)が狂い、自律神経のバランスが乱れていくのです。体内時計が狂うと、昼間頭がぼーっとしたり食欲不振になったりと、一つひとつは些細であるものの体に影響を与えています。

不規則な生活の慢性化は、自分では気づかないところで体に疲労感をもたらし、徐々に体を不調へと導いているのです。

 

Mari Namiki

Mari Namiki

HSS型HSP。セクシャルマイノリティ。音楽や自然好き。小学5年生まで人と会話ができず、中学時代に不登校を経験。体が弱いことや常に生きづらさを抱える経験から、同じ悩みを持った方にそっと寄り添います。

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