自律神経失調症になってしまった場合の症状とは?

自律神経失調症になると特に思い当たる原因がなくても、さまざまな症状として体に現れます。体の慢性的な疲労、倦怠感、めまい、ふらつき、のぼせ、冷え、頭痛、耳鳴り、動悸、便秘、下痢、生理不順、口や喉の不快感、手足の痺れ、頻尿、残尿感、発汗、肩こりなど症状は多岐にわたります。

精神的な症状としては、イライラや不安感・焦燥感、疎外感、やる気が出ない、憂うつ、感情の起伏がある、不眠、食欲不振、記憶力や集中力の低下といった多くの症状があります。複数の症状が別々に現れることもあれば、同じタイミングで3つ、4つの症状が重なることも。

体がだるくて頭がぼーっとしたり焦りを抱いていて不安になったり、意欲も食欲も湧かなかったりすれば、自律神経失調症の可能性があるでしょう。症状を放置すると器官に負担がかかり続け、より重篤な疾患になる恐れがあります。

普段の生活で改善する!自律神経7つの改善策

自律神経失調症を発症すると自力で治すことは難しいとされています。上記のような症状があった場合、まずは一度病院を受診し、症状の原因を特定しましょう。原因を特定したら医師と相談のうえ、薬物療法やカウンセリングといった治療を行います。

自律神経失調症の多くは生活習慣による影響を受けています。自身の生活を見直すことで症状が和らいだり、改善されたりすることもあります。日頃から自分でもできる改善策を取り入れてみましょう。

1.深い深呼吸をする

イライラしている時や不安な時、眠れない時、緊張している時は呼吸が浅くなっています。こんな時こそ、ゆっくりと深呼吸するのが効果的です。深呼吸によって自律神経を刺激し、副交感神経を高めるのです。

①正しい姿勢を意識する
②深く吸って、肩が上がるほど胸いっぱいに吸う(約4秒間)
③ゆっくり細く長く吐く(約8秒間)

深呼吸には胸式と腹式と種類がありますが、この場合は気にせずに、思い思いの方法で行って構いません。また深呼吸のときには吸うこと、吐くことにだけ意識をします。特に“吐くこと”に集中してみましょう。

2.マグネシウム・カルシウムを摂る

マグネシウムには、タンパク質の合成、心機脳の維持、神経伝達、血圧調整などの働きがあります。不足すると心疾患、筋肉の痙攣、神経・精神疾患、不整脈、食欲不振、下痢・便秘などの症状を引き起こすと言われています。

カルシウムは神経伝達に重要な役割を果たす成分です。神経細胞の興奮を抑える作用があり、不足すると怒りっぽくなると言われています。

カルシウムとマグネシウムはお互いに協力し合う関係です。マグネシウムが足りなくなると、カルシウムの値も同じように下がってしまうと言われるほど。マグネシウムとカルシウムには交感神経を抑制し、副交感神経を高める効果があります。

マグネシウムを多く含む食品
・海藻類(昆布、わかめ、ひじきなど)
・海水から精製された塩
・ナッツ類(ひまわりの種、ごま、くるみ、アーモンド、カシューナッツなど)
・豆類(きな粉、大豆、豆腐、納豆など)

カルシウムを多く含む食品
・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)
・豆類(豆腐、納豆など)
・野菜類(小松菜、大根など)
・小魚
・海藻類

参考:自律神経って何?乱れるとどうなるの?
参考:栄養素の説明 – ミネラル

3.深夜0時前には就寝する

良質な睡眠を取るため、できれば早めに就寝するよう心がけましょう。心配事があったり不安だったり興奮・緊張状態にある場合は、すぐに寝つけないこともあります。自分がリラックスできる環境を作ってみるといいかもしれません。

例えば、体が緊張状態の場合は、先ほどの深呼吸を試してみる。自分がリラックスできる香りや音楽を用意する。肌触りのいいシーツを用意したり、抱き枕など落ち着くものをそばに置いたりするのもいいでしょう。

そして、インターネットから入る情報は刺激が強く興奮状態になるため、布団に入ったらパソコンやスマホのデジタルデバイスには触れないのがおすすめです。

4.腸内環境を整える

腸には脳に次ぐ多くの神経細胞が存在し、感情にも深く関わっているため「第二の脳」とも呼ばれています。精神的ストレスが腸の不調にもつながるのです。

腸は、交感神経が優位なとき“働きは停滞”し、副交感神経が優位なとき“働きは活発化”します。副交感神経がうまく作用していれば腸内の不要物は押し出され、腸内環境にも良い影響をもたらしてくれます。自律神経と腸内環境は、相互作用の関係にあるのです。

腸内環境を整える方法としては以下の方法があります。

・起床後、コップ1杯分の水をゆっくり飲んで、朝食をとる
・ビタミンやミネラル、食物繊維を摂るよう意識したメニューを入れる
・適度に仮眠、お昼寝をする
・軽い運動をする
・夕飯は軽めに、就寝する3時間以上前にとる

5.首を温める

首には太い血管が通っているため、温めることによって全身の血流が良くなります。血流が良くなることによって冷えや肩こりが軽減するほか、体の筋肉の緊張を取り除けます。副交感神経の活性化につながるため、リラックスしやすくなるのです。

最近では、シャワーだけで済ませる方も多くなりましたが、湯船に浸かり全身浴をすることは、首を温めるだけでなく、体も癒してくれます。日中、疲れを感じたときや、就寝30分前を目安にホットタオル、温熱シートを利用して首を温めてみるのもいいでしょう。

6.規則正しい生活を心がける

毎朝、決まった時間に起きて、太陽の光を浴びましょう。光を浴びることによって体内のセロトニンが活性化します。このセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、自律神経を整える働きがあるのです。

太陽の光を浴びることによって体内時計もリセットされ、活動する時間と休息する時間のリズムが生まれます。体内時計がきちんと働くと、夜の睡眠の質も高まります。食事をする時間も、できれば決まった時間に取るといいでしょう。

7.生活に適度な運動を取り入れる

運動することは、ストレス解消にもなります。体を動かすことによって心臓から血液が送り出され、セロトニンをはじめとした神経伝達物質が活性化し、リフレッシュできるのです。

いきなり激しい運動をするのは体への負担が大きいため、散歩やストレッチなどから始めてみてください。体のさまざまな筋肉をゆっくり伸ばす運動が効果的とされています。ストレッチをするときは、夜寝る前か朝起きた時に行うのがおすすめです。

 

Mari Namiki

Mari Namiki

HSS型HSP。セクシャルマイノリティ。音楽や自然好き。小学5年生まで人と会話ができず、中学時代に不登校を経験。体が弱いことや常に生きづらさを抱える経験から、同じ悩みを持った方にそっと寄り添います。

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