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最近、息苦しい…動悸がある…
動悸とは、心臓の鼓動を強く早く感じ脈拍が乱れる状態のことをいいます。ゼエゼエと息が切れる、胸が苦しいなどの症状は、激しい運動によって血中の酸素が足りなくなり体が酸素を取り込もうとしているサインです。
運動をしたわけでもないのに動悸や息切れが起こる場合は、精神的なストレスが原因のこともあります。通勤しているだけで動悸がしたり、会議など発表の場面で息が苦しくなったりする症状が現れるなら、ストレスが原因の可能性が高いでしょう。
また、呼吸器・循環器疾患から生じる動悸の可能性も考えられます。本記事では、ストレスによる動悸や息苦しさへの対処法、何科の病院を受診したら良いかを解説しています。体の病気との見分け方も説明しているので、参考にしてみてくださいね。
参考:CLINIC FOR「急な動悸、息苦しさはストレスが原因?こころと自律神経の関係について、医師が解説します」
息苦しい感覚や動悸の原因は、ストレス!?
ストレスとは、外部から刺激を受けたときに心身に生じる緊張状態を指します。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。
ストレスにより生じる動悸や息切れは、状況に応じて起こるのが特徴です。
電車やバスなどの人混み、会議やスピーチといった緊張する場面で生じやすい傾向があります。例えば、会社の上司から叱責された直後にドキドキするのであれば、ストレスによる動悸の可能性が高いです。
ストレスが高まると、ストレスに対抗するために心身の緊張が高まり、自律神経である交感神経が優位になります。交感神経が優位になると血圧が上昇し、血管は収縮し、脈拍が早くなります。こうした心身の変化が動悸や息苦しさを引き起こすのです。
息苦しさや動悸が起きる状況とは
人には誰しも、身に迫る危険を察知するセンサーが備わっています。センサーが過剰に働くと、電車やバスなどに乗っただけで「事故が起こるかもしれない」「逃げられなくなったら困る」と緊張感が高まり、動悸や息切れを感じます。
会議やスピーチ場面で生じる緊張も、身に迫る危険を察知するセンサーの過剰反応により生じます。「自分の評価が下がったらもうおしまいだ」と、誤った認知により心身が過剰に反応してしまうとき、動悸や息切れ、手汗などの症状が現れるのです。
ただ、同じ息苦しさや動悸でも、以下の症状が現れる場合は呼吸器・循環器疾患の可能性があるため、呼吸器内科や循環器内科を受診するようにしてください。
咳や痰がずっとからむ、ヒューヒュー、ゼーゼーと耳障りな呼吸音がする場合は呼吸器・循環器疾患の可能性があります。胸の痛みや失神、冷や汗や吐き気をともなう場合は、不整脈や心疾患の可能性も考えられます。
参考:スマート脳ドック「動悸・息切れに潜む疾患とは?失神、吐き気、めまいなどが伴うと危険信号」
内科?精神科?何科の病院を受診したら良いのか
ストレスにより起こる動悸や息切れなら、精神科や心療内科を受診するのをおすすめします。特に、パニック症や社交不安症を専門に診察している病院やクリニックを選ぶようにしましょう。
治療には薬物療法が用いられますが、薬物療法だけでは効果が不十分な場合は、認知行動療法といったカウンセリングも併せて行われる場合があります。
身体疾患により生じる動悸や息切れであれば、呼吸器・循環器内科を受診するようにしてください。受診の際は、症状を自覚した時期や状況、持続時間、動悸以外の症状を記録し、医師に伝えられるように準備しておくとスムーズに診察を受けることができます。