買い物依存症の治療法とは|原因はストレス⁉︎症状をチェックしよう

メンタルヘルス

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買い物をしていないと、ストレスが溜まる…

「最近、余分な買い物が増えた」「月の収入の大半をブランド物の洋服やバッグ、靴などの購入に費やしてしまう」「買い物ができないとイライラする……」などの悩みを抱えていませんか?

もし、上記の特徴が当てはまるようであれば、買い物依存症の可能性があるといえます。

ネットショッピングやクレジットカード、電子マネーの普及により使った金額が可視化されにくいため、気がついたらとんでもない金額を請求されるなんてことも。

家族や友人など周囲の人に使った金額を打ち明けられないレベルであるなら、要注意です。

買い物依存症とは?

買い物依存症は独立した正式な精神疾患名としてはまだ認められていません。ICD-11(国際室病分類)において「習慣及び衝動の障害」に分類される疾患です。

買い物は日常的な行為であり、ストレスがたまった時に衝動買いをしてしまうことは、普通の人にもあり得ることです。普通の買い物と、依存症となる買い物の違いは何なのでしょう。ポイントは「やめようと思ってやめれるか」「社会生活に支障をきたすほどか」です。

もし、生活費や貯金を圧迫するほど買い物に夢中になっており、家族や周囲の人との関係が悪化し社会生活に支障をきたすほどのめり込むようであれば、買い物依存症である可能性が高まります。

依存症は誰でもなり得る精神疾患です。本人の努力だけでは解決が難しいため、周囲の人や専門家の助けが必要になります。

参考:日本医事新報社 買い物依存

原因はストレス⁉︎買い物依存症の原因

職場やプライベートのストレス、自分に対する自信のなさなど、本人の抱える悩みはさまざまです。ほかにストレスを解消したり欲求を満たす方法を持たないときに、買い物の楽しさを覚えてしまうとのめり込みます。

ネットショップを開けばすぐに欲しいものをクリックできてしまうので、本当に欲しいものかどうか考える暇もありません。クレジットカードや電子マネーでは、使用した金額を振り返る場も持ちにくいです。

企業は消費者の心理をうまく利用してあの手この手で物を買わせようとしてきます。ポイント還元があるのは今だけ、買わなければなくなってしまうかも…と消費者の不安をあおって購入を促すので、つい物を買ってしまうのです。

買い物依存症の主な症状

依存症とは、特定の何かにこころを奪われ「やめたくてもやめられない」状態になることをいいます。依存症は主に物質への依存とプロセスへの依存に分けられますが、買い物依存症は後者に該当します。

買い物をすると一時的にストレスや欲求は落ち着きますが、すぐにまた買い物をしたくなるという悪循環が生じやすいのです。買い物をしていないとイライラする、焦燥感をおぼえるなどの症状が現れます。

参考:厚生労働省 依存症についてもっと知りたい方へ

1.欲求を満たすために買い物をしてしまう

依存症の買い物は、欲求を満たすために行われます。ストレス解消したい、良いものを身につけて人から褒められたい、良いものを身につけると自分まで良くなれたように錯覚できるなどが買い物をする理由です。

欲求を満たすための買い物には終わりがありません。買い物をした直後は満足できても、すぐに何かが足りない気持ちになって、また買い物をしてしまいます。

2.やめようと思ってもやめられない

依存症のレベルまで進行すると、脳が買い物をやめようと思ってもやめられない状態になります。家族や周囲の人からは根性・意思がないようにみえるかもしれませんが、決して本人の怠けや甘えのせいではありません。

買い物をして興奮すると脳内にドーパミンという快楽物質が分泌されます。この快楽を脳が報酬(ごほうび)として認識すると、脳内に報酬を求める回路が出来上がってしまうのです。

3.買い物について家族や周囲の人に嘘をつく

家族や周囲の人に買い物をしたことを隠すようになったら要注意です。周囲の人に知られてはいけないほど買い物がエスカレートしている可能性があります。「お金を貸して欲しい」と周囲の人にお金を借りようとすることもあるかもしれません。

買い物をした瞬間は気持ち良くても、その後すぐに後悔がおそってきます。何で買い物をしてしまったのだろうと後悔しつつも、購入をやめられずどんどんエスカレートしてしまいます。

あーちゃん

あーちゃん

1992年生まれ。臨床心理士(公認心理師) 指定大学院を卒業し資格を取得後、街のクリニックで非常勤心理士としてカウンセリングや心理検査の業務に従事する。小学校や高校のスクールカウンセラーとしても活動中

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