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急に集中できなくなった…
急に集中できなくなった。目の前の勉強や仕事に集中しようとすると、身の回りの他のことが気になってしまう。取り組もうとは思うものの、やる気が湧かない…こんなことはないでしょうか。
ここ数年、新型コロナウイルス感染症の後遺症として「ブレインフォグ」が話題になっています。ブレインフォグとは、頭にモヤがかかったようにぼんやりしてしまい、考えたり集中するのが難しくなる状態を指します。
集中できない、ブレインフォグの症状は後遺症以外にも、うつ病や依存症によっても生じるといわれています。急に集中できなくなる症状が現れる場合、どんな精神疾患の可能性が考えられるか早速見ていきましょう。
集中できない・集中力低下の原因とは?
集中できない、集中力低下の原因は複数考えられます。1つは生活リズムの乱れ、2つめは悩みや心配事の有無、3つめは環境音の存在です。いずれにしても、心身に何らかのストレスがかかった場合に、集中力が乱れることが多いでしょう。
集中できなくさせている心身の不調や、環境の不具合に気づき、適宜対処していく必要があります。下記には、集中力低下の原因として考えられることと、その対処法をまとめています。
1.生活リズムの乱れ
生活リズムが乱れると体に疲れが溜まりやすくなり、脳が働かず、集中力の低下を招きます。特にまだ脳が覚醒しきっていない午前中のパフォーマンスが落ちてしまうことがあります。集中力を上げるためにも生活リズムの乱れには注意しましょう。
また、花粉症の薬や食事で摂る糖質も、眠気を誘発し、集中力を妨げる原因となりやすいです。あまりに眠気が強い場合は、医師に相談して薬を変えてもらう、お昼ご飯に糖質を摂りすぎないようにするなどで調整しましょう。
2.悩みや心配事がある
悩みや心配事があると、どうしてもその事が頭から離れず集中できなくなるものです。頭の中が考え事でいっぱいになると、脳の容量を圧迫し、本来取り組むべき勉強や仕事に費やす余白がなくなってしまうと言われています。
もしも、パソコンが脳であれば、容量を圧迫している分をUSBメモリに移しますよね。それと同じで、人間の脳も、外部メモリに考え事を移して余白を作る必要があります。メモを取る、人に話すことで整理する、などは脳のメモリに余裕を持たせるのに良い方法です。
3.環境音が気になる
環境音が気になる場合も、集中力低下につながります。テレワークで家族の生活音が耳に入ってしまう、職場のエアコンや外の工事音が気になる、などが挙げられます。
環境音が気になる場合はノイズキャンセルイヤホンを利用し、苦手な環境音をカットしてしまうのがおすすめです。
ノイズキャンセルイヤホンは特定の周波数の音をカットしてくれるので、「環境音は聞こえないようにしたいが人の声には気づけるようにしておきたい」なんてときに便利です。
集中できない症状が起きる主な病気(精神疾患)
頭の中で考えがまとまらない、集中できないといった思考障害を生じやすい精神疾患は、うつ病や統合失調症です。それ以外にも、「依存している物質や対象があり、それをしていないと物事に集中できない」場合は、依存症の可能性があります。
幼少期から一貫して注意・集中のコントロールが苦手で、興味のあるものには集中しすぎ、興味のないものには集中できないといった症状がみられる場合は、「注意欠陥多動性障害(ADHD)」の可能性があります。
1.うつ病
うつ病にかかると、意欲の低下や思考障害が起こりやすくなります。何をしていても気分が落ち込み、やる気が起こらなくなり、すべてのことが億劫になってしまいます。仕事や勉強だけでなく、これまで楽しめていた趣味の活動への意欲も減退します。
うつ病で生じる思考障害は、思考抑制あるいは思考制止と呼ばれます。「考えが前に進まない」という言葉の意味の通りに、「考えがまとまらない、集中できない、決断ができない」といった症状が現れます。その結果、たとえば家事や仕事の優先順位をつけ、段取りを考えるのが苦手になります。
2.依存症
依存症も集中力に影響します。アルコール依存症になると「お酒が切れると眠れない、集中できない」などの離脱症状が現れることがあります。スマホ・ゲーム依存症になると、SNSやゲームに熱中してしまい、仕事や勉強への注意力や集中力が途切れてしまうことがあるでしょう。
SNSの通知が気になるあまり、朝起きてから夜眠るまでスマホが手放せなくなっていないか注意しましょう。人間は脳の前頭前野で情報を受け取りますが、スマホの使いすぎで「脳疲労」の状態に陥ると脳の情報処理機能が低下してしまいます。