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スマホ中毒かもしれない…!?
電車やバスの車内、病院の待合、仕事の休憩時間と、ちょっとした時間にさっと取り出しがちなスマホ。電車の乗り換え案内やヘルスケアアプリなど、上手に使えば便利なツールなのに気づけば1日の大半を消費し没頭してしまう。
「読書や勉強など、他にしたいことがあるのに取り組む気になれない」、「なんだか集中力が低下してきた気がする……」こんな場合は、スマホ依存症の傾向があるかもしれません。
2020年にKDDIが行ったスマホ依存症の調査により、コロナ禍でスマートフォンの利用時間とネット依存傾向が高まっていることが明らかになりました。テレワークや外出自粛の影響で、スマホの利用時間が増加していると考えられています。
参考:KDDI コロナ禍でスマートフォン利用時間が増加し、ゲーム障害、ネット依存傾向の割合は1.5倍以上増加
スマホ依存症とは
現在、「スマホ依存症」「スマホ中毒」は公的に認められた精神疾患ではなく、未だ明確な定義ができていません。
スマホ依存症と関連のある病名として、2019年にWHO(世界保健機関)が「ゲーム依存症」を国際疾病として認定しました。WHOはゲーム依存症を、ゲームをしたい衝動が抑えられず、社会生活上の関心事よりもゲームを優先し、やめようと思ってもやめられない状態であると定義しました。
診断基準に当てはまる状態が1年以上続いているようであれば、ゲーム依存症の可能性が高いとしています。
スマホ依存症も、ネットに接続したい衝動が抑えられず、社会生活上の関心事より優先するほどで、止めようと思ってもやめられない状態にあるようであれば要注意サインといえます。
スマホ依存症の主な原因
依存症にはアルコールや薬物といった「物質への依存」と、ギャンブルや買い物など「行為への依存」と、親子や恋人関係といった「人間関係への依存」の3種類に分類されます。スマホ依存症は、3つの依存症のうち「行為への依存」に該当します。
SNSやオンラインゲームなどネットを通じた人間関係に依存している場合は、行為への依存と人間関係への依存の2つが当てはまるといえます。
1.脳の報酬系に作用する
アルコール依存症と同じく、スマホ依存症にも脳の報酬系が関連します。楽しさや心地よさ、気持ち良さを感じる刺激は、脳に快感という報酬を与えます。人間の脳は、快楽を感じて興奮すると「ドーパミン」という神経伝達物質を放出するのです。
ドーパミンによる快楽を感じると、またあの快感を得たいという欲求が高まり、脳は次々に刺激を得ようと働きます。この衝動の強化により、スマホ依存が止められなくなるのです。
参考:Tarzan 意志が強い、弱いは関係ない。脳を蝕む「依存症」のメカニズム
2.嫌なことから逃避できる
スマホを見ることに没頭している間は、嫌なことから逃避できます。1人でいると考え事をしてしまう人でも、スマホを触っている間はスマホに夢中になるので他のことを考えずに済みます。
学校や仕事、家庭で嫌なことがあっても、スマホを開けば面白いゲームや芸能ニュース、SNS上のネット友人とのコミュニケーションが目に入り気が紛れるのです。