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気分の浮き沈みが激しい…
気分の波は誰しも一度は経験するものです。仕事が思うように進まない、恋人とケンカをしたなど、些細なことで落ち込んだり、イライラしたり……。気持ちのコントロールができないことで自己嫌悪に陥ってしまうことも。
一時的な精神的ストレスによる気分の波であれば、時間が経てば元に戻ります。一方で、時間が経ってもよくならず、ますます気分の波が激しくなることもあるので注意しましょう。
気分の波が長引いており、社会生活に支障をきたすほど「つらい」ようであれば何らかの身体・精神疾患が隠れている可能性があります。身近な人間関係に悪影響が及ぶほど気分の波に振り回される場合は、本記事を参考に身体・精神疾患の可能性がないかチェックしておけると安心です。
喜怒哀楽が激しく、自分で自分に疲れてしまう
性格傾向が原因で喜怒哀楽が激しくなりがちな人は「白黒思考」であることが多いです。物事を0か100かで考えるため、仕事やパートナーとの関係など、歩み寄りが必要な場面で妥協したり程よい中間点を見つけたりするのが難しくなります。
また、完璧主義で責任感の強い人が多いです。掲げる理想が高く、現実とのギャップに落ち込みがちで、うまくいかないと自分を責めます。解決策として自分の性格傾向を知り、白か黒かだけでなくグレーなど程よい妥協点も見つけられるよう意識することが大切です。
喜怒哀楽のコントロールができず、社会生活に支障をきたしている場合には、非定型うつ病や躁うつ病、境界性パーソナリティー障害といった精神疾患である可能性もあります。「つらい」と感じるほどであれば無理をせず、医師やカウンセラーなどの専門家に頼ることも検討しましょう。
気分の浮き沈みが激しい主な原因
気分の浮き沈みの激しさは本人の性格傾向や身体疾患の影響、精神疾患により生じます。完璧主義や白黒思考といった性格傾向があると、本人を取り巻く人間関係に摩擦が生じやすく、喜怒哀楽が激しくなりがちです。
甲状腺の病気や月経前不快気分障害(PMDD)など身体疾患が気分の浮き沈みに影響するケースもあります。また、非定型うつ病や躁うつ病により気分の波が生じることもあるでしょう。
そのほかにも、産後うつでもイライラや気分の落ち込みが生じます。特に女性は結婚や出産、子育てといったライフイベントによりホルモンバランスが崩れやすく、気分の浮き沈みが生じる機会は多いです。
【気分の浮き沈みが激しい】考えられる病気・精神疾患
気分の浮き沈みが激しい症状で考えられる身体疾患は、甲状腺の病気や月経前不快気分障害(PMDD)です。どちらも男性より女性に多い疾患です。動悸や息切れがないか、生理前にいつも調子が悪くなることがないか自分の体調を振り返って判断することが大切です。
精神疾患としては、非定型うつ病や双極性障害、境界性パーソナリティ障害などが該当します。非定型うつは普通のうつ病と違い、楽しいことや良いことがあると気分が明るくなるのが特徴です。
1.甲状腺の病気
甲状腺はのど仏の下にある、蝶のような小さな臓器です。発育や心臓の働きなど生命維持に欠かせない「甲状腺ホルモン」を分泌します。甲状腺の病気は女性に多く、20〜30代に多いのがバセドウ病(甲状腺機能亢進症)です。
更年期以降には橋本病(甲状腺機能低下症)を発症しやすいといわれています。バセドウ病の場合は体温や体重、脈拍の上昇、動機や息切れ、イライラが生じやすくなります。橋本病では体温の低下や脈拍の減少、気分の落ち込みが生じやすいです。
2.月経前不快気分障害(PMDD)
月経1〜2週間前に眠気や食欲、気分の浮き沈みが生じることを月経前症候群(PMS)といいます。PMSの中でも特に精神症状が重い場合は月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれ、イライラや気分の落ち込み、不快気分を生じやすくなります。
もし、生理前に毎回体調や気分の調子が悪くなる。特に気分の浮き沈みが激しく、仕事や家庭の人間関係に支障をきたすほど影響する場合にはPMDDを疑ったほうが良いでしょう。