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仕事や人が怖くて働けないときに考えられる障害・精神疾患
ここでは、仕事が怖いと感じるときに考えられる障害や精神疾患を解説します。心身が快方に向かうためのポイントは、早期発見と早期治療です。自分の状態を楽観視せず、
以下にご紹介する内容以外にも仕事を怖く感じる症状はあるため、おかしいと思ったらすぐに病院で診察を受けてくださいね。
1.うつ病
うつ病は、心身のストレスが原因となり脳がうまく働かなくなる精神疾患です。発症の原因は正確にはわかっておらず、ネガティブな出来事以外にも結婚や就職、転職などライフステージの変化によって発症する可能性があります。
うつ病では、以下のようなさまざまな症状が現れます。
- 何をしても楽しめない
- 眠れない
- 寝すぎる
- 食欲や性欲がない
- 疲れやすい
- イライラする
- 焦燥感を抱く
- 涙もろくなる
- 自分を責める
- 体がだるい
- 動悸・息切れ など
物事を悪いほうばかり考えてしまい、必要以上に不安や恐怖心を抱いてしまうことが特徴です。また自分の価値や能力に懐疑的になり、自信を失ってしまったり「自分はだめな人間だ」と感じてしまったりします。
参考:厚生労働省「うつ病」
2.発達障害(ADHD)
発達障害の中でも、ADHDの症状を持つ人は仕事への恐怖心を抱きやすい傾向にあります。ADHDは不注意と多動・衝動性が主な特徴です。気が散りやすかったりじっとしていられなかったりすることで、仕事への苦手意識を持ちやすくなります。
子どもの頃から静かに遊んだり何かを待ったりすることが苦手な人が多く、社会人になっても順序だてて取り組むことや集中力を維持することが苦手です。ADHDがきっかけで上司から叱られる、大きなミスをするなどの経験をし、仕事が怖くなってしまう場合もあります。
参考:厚生労働省「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療」
3.社会不安障害
社交不安障害は社会恐怖とも呼ばれており、不安障害の1つです。不安障害とは、精神的な不安から心身に不快な症状が起こる精神疾患を指します。社会不安障害の人は人前で恥ずかしい思いをすることに強い拒否感や恐怖を抱いていて、人と話すことや人目に付きやすい場所に苦痛を感じます。
仕事ではプレゼンで異常に緊張してしまったり、周囲に人がいる状態で作業に集中できなくなったり。恥をかかないためにできるだけ完璧な自分を演じようとし、現実とのギャップで精神的に余裕がなくなってしまいます。人通りの多い場所への苦手意識から、オフィスや公共交通機関に恐怖を感じてしまうこともあります。
参考:厚生労働省「不安障害」
仕事はいつでも辞められると考えよう
精神的に余裕がなくなると、仕事をやめることや休職することが取り返しの付かないほど重大な出来事のように感じる傾向にあります。しかし、体調が悪くなったら休んだり病院に行ったりすることと同じように、心の具合が悪くなったら休むのが正しい選択です。
大切なのは休まずにがんばることではなく、心と体の健康を守ることです。健康な心身さえあれば、人間は何度でもやり直せます。もしも仕事を辞めたからといって人生が終わるわけでは決してないのです。
「いざとなったら辞められる」と考えることで、少し気持ちが楽になることもあります。「辞められない」「辞めてはいけない」と自分を追い込むのではなく、適切なケアを並行しながら「無理しすぎずにがんばる」「がんばれなくなったら休む」の意識を心に置いてくださいね。
仕事のトラウマを克服する5つの方法
ここでは、仕事のトラウマを克服する方法を5つご紹介します。過去に得た経験や学びを未来に活かしつつ、ネガティブな思い出は引きずらないように心がけましょう。自分のペースでゆっくりと、意識を今から先に向けることが大切です。
1.ボランティア活動から始める
自分の能力や価値を評価されることが怖いと思っている人は、見返りのないボランティア活動から社会との関わりを作っていきましょう。ボランティアで求められているものはモチベーションや情熱であり、参加をするだけで価値が生まれます。
報酬が発生しないため、自己価値を計られている感覚が希薄です。ボランティアだけで生活をすることはできませんが、相手に感謝をされる喜びや人の役に立つ幸せを再確認できます。
2.小さな目標を設定して成功体験を増やす
仕事でトラウマを抱いている人は、過去に自分の価値を否定されてしまった人も少なくありません。しかし、自分を諦めるのも奮い立たせるのも自分次第です。自己肯定感を取り戻すために、小さな目標を多く設定して成功体験を増やしましょう。
ひとつの大きな目標だけではなく、ゴールまでの道に小さな目標を設けてください。達成感や充実感を抱けるタイミングを増やすことで、自分に自信を持ちやすくなります。自己肯定感を高めることで、仕事への恐怖心を乗りこえられる自信も湧いてくるでしょう。
3.信頼できる相手に相談をする
仕事のトラウマを克服するためには、信頼できる相手に相談することをおすすめします。なぜトラウマを抱いたのか、今抱えている悩みは何なのかを素直に伝え、客観的なアドバイスを求めてみてはいかがでしょうか。
つらい過去と対峙すると苦しい気持ちにもなりますが、自分の価値観の中だけで解決法を考えるよりも、新鮮な価値観を取り入れて違う角度からトラウマを分析することが大切です。