家族にだけキレる病気とは│キレやすい子供への正しい接し方&改善方法

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家族にだけキレる子供は病気?正しい接し方は?

以前は言うことを聞いてくれていたのに、最近やけに子供が反抗的になった。学校での様子や友人関係のことを話してくれなくなった。かと思いきや突然甘えてくることもあり、子供の気持ちがよくわからない。

外では良い子なのに、なぜ家族にだけキレるのだろう。こんな悩みを抱える保護者は少なくないものです。子供がキレるのは正常な心の発達の過程で生じることもあれば、発達障害の特徴を抱えている場合もあります。

キレる子供に対して成長を促す関わりをするにはどうすれば良いのか、病気の可能性はないのか、さまざまな気がかりに対する回答を本記事でまとめています。子供への接し方に悩む保護者の方は、ぜひ参考にしてくださいね。

子供が家族にキレやすくなったときに考えられる原因

子供が家族にキレやすくなったと感じるとき、「これまでは良い子だったのになぜ」とがっかりした気持ちになるかもしれません。しかし反抗期は、見方を変えれば子どもの心が正常に発達している証拠といえます。

子供の心は大人と違い成長過程の真っただ中にいるため、まだ大人のように自分自身で感情コントロールをするのが難しいのです。大人が子供のキレやすさの原因を正しく理解することで、成長を促進する適切な対応につなげることができます。

1.反抗期(rebellious phase)である

反抗期とは、家族や学校の先生など、子供が周囲の大人に対し反抗的な態度を取ることが多くなる時期を指します。

反抗期は3段階あり、1歳半〜2歳頃に現れる第一反抗期(イヤイヤ期)、小学校低学年から中学生にみられる中間反抗期、中学生から高校生におとずれる第二反抗期をたどることが一般的に多いです。

イヤイヤ期は自我の芽生えにより自己主張が強くなる時期、中間反抗期は保護者や先生からの干渉を嫌がり、子供同士の付き合いを優先するようになる時期です。第二反抗期では身近な大人だけでなく伝統や慣習への反抗も起き始めます。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「思春期のこころの発達と問題行動の理解」

2.脳の感情コントロール力が未発達なため

子供の脳は大人ほど感情のコントロール力が発達しておらず、未熟です。

人間の脳は認知や思考をつかさどる大脳新皮質、感情をつかさどる大脳辺縁系、身体感覚をつかさどる脳幹に分かれています。大脳辺縁系は幼児期までに、大脳新皮質は中高生までに発達するといわれています。

幼児〜小学生の時期の子供が自分の怒りをコントロールできないのは、いわばあたりまえのことなのです。子供がキレているとき周囲の大人がどのように対応するのかによって、感情のコントロール力が身に付く度合いも変わります。

3.特定のストレスのサインである可能性も

子供は大人と同じように自分の心身の不調に気づき、上手に言葉で表現することができません。そのためキレたり赤ちゃん返りをしたりすることでSOSサインを発することがあります。

それまで手のかからない良い子だったのに急にキレやすくなった、イライラする機会が増えたということがあればSOSサインが出ていると捉え、子供の様子を注意深く観察するようにしましょう。

家族にだけキレる病気はある?

全員がそうとは限りませんが、かんしゃくを起こす子供の中には、自閉スペクトラム症の傾向が隠れている場合が。かんしゃくとは激しい感情の爆発で、叫んだり手足をバタつかせたり、ものを投げたりといった興奮状態を指します。

発達障害の子供は、自分の想像した通りに物事が進まなかったり、ルーティン通りにできなかったりすることがあるとかんしゃくを起こしやすい傾向を持っています。

そのほか、集団生活の中で同年代の子供とコミュニケーションをとるのが苦手だったり、言葉の遅れがあり自分の気持ちをうまく言葉で表現できなかったり。そのため、ストレスをため込みかんしゃくを起こす場合があります。

あーちゃん

あーちゃん

1992年生まれ。臨床心理士(公認心理師) 指定大学院を卒業し資格を取得後、街のクリニックで非常勤心理士としてカウンセリングや心理検査の業務に従事する。小学校や高校のスクールカウンセラーとしても活動中

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