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結婚生活に疲れた…夫婦仲も険悪に…
「この人とずっと一緒にいたい」と思って結婚しても、二人での生活が長引くにつれて倦怠(けんたい)感を覚えてしまいます。年を重ねても付き合い立てのように仲睦まじいまま、というのは現実では難しいものです。
結婚生活に疲れてしまうことは、決してめずらしい事態ではありません。一緒に時間を過ごすほどにお互いの価値観のズレが露呈していきます。最初は「これ位なら我慢できる」と思えるような違いでも、ストレスがつみ重なることで夫婦仲が険悪になってしまうこともあるでしょう。
今回は、結婚生活に疲れてしまう原因や対処法などをご紹介します。夫婦の倦怠期を感じると「どこも同じような状態なのかな」と思ってしまいますが、今からでも関係性を改善することは可能です。夫婦が抱えている問題点を分析し、少しずつ歩み寄っていきましょう。
結婚生活に疲れてしまう原因
結婚前は、結婚というイベントにキラキラしたイメージを抱えている人が多いものです。しかし実際の結婚生活は、日常の連続です。日常とは、その人のありのままの姿をさらけ出すもの。結婚生活が長引くにつれて、お互いの本音や価値観がすれ違っていきます。
ここでは、結婚生活に疲れてしまう原因として挙げられるものをご紹介します。モヤモヤとした感情を抱えているままでは気持ちは晴れないままです。夫婦関係を客観的に観察し、原因を明確にして改善方法につなげていきましょう。
1.家事の労力を認めてもらえない
日々の家事の労力を認めてもらえないと、結婚生活に疲れを感じやすくなります。とくに夫婦のどちらかに家事の負担が集中していると不満がたまりやすいでしょう。相手にとって家事がやってもらって当たり前になってしまうと、感謝の気持ちをつい忘れてしまいます。
食器は流しに置いておけば勝手にきれいになるわけではありませんし、下着を洗濯機に入れておけば自動的に洗われ畳まれるわけではありません。しかし家事をしてもらう側はする側の労力をイメージしづらく、任せるのが当然の状態になってしまいます。
私たちの生活において、家事は必須作業のひとつです。料理・洗濯・掃除・買い出し・ゴミ出し……どの家事も基本は面倒臭いものなのです。実際に家事をしてみないとわからない苦労は多く、負担量の差によって認識の違いが起こります。
2.家が落ち着ける場所として機能しない
家が落ち着ける場所として機能していないと、夫婦関係に亀裂が入りやすくなるでしょう。例えば家がゴミであふれていたり、顔を合わせる度にパートナーに小言を言われていたり。家とは本来安全地帯であり、外で受けたストレスを癒やす場でもあります。
しかし家が自分にとって安らげる場所でないと、夫婦関係に疲れを感じます。お互いにストレスを抱えていると相手を思いやる気持ちが減り、自分が快適に過ごせていないという事実のみに視点を向けがちです。
本来夫婦とはお互いに思いやり、愛情を与え合える関係であるはずです。しかし家が落ち着けないと、一方的に「自分を癒やしてほしい」「落ち着ける家を相手に作ってほしい」という気持ちが高まります。その結果、責任転嫁をし合うような状態が生まれてしまうのです。
3.代わり映えのない毎日に退屈を感じる
新婚の期間は毎日がトキメキやワクワクであふれていますが、ある程度の年数が経過すると結婚生活は日常になります。毎日家事をしたり仕事をしたりするのとまったく同じように、夫婦という関係性があるだけです。
愛する人と穏やかな毎日を過ごせることは幸福なことですが、人によっては退屈やつまらなさを感じてしまうこともあるでしょう。代わり映えのない毎日に飽き飽きし、「自分の人生はこれでいいのだろうか」ともんもんとしてしまうことも。
結婚生活の退屈によるストレスは、結婚というイベントを人生のゴールとして考えている人が抱きやすいものです。実際には結婚は新しい毎日のスタートであり、繰り返される普遍的な日常と真摯に向き合っていく行為なのです。
4.パートナーに魅力を感じなくなった
パートナーに魅力を感じなくなると、夫婦生活に疲れを感じやすくなります。結婚とは、基本的には異性として愛する相手と行うものですよね。恋愛において相手を好きになる理由はさまざまです。しかし「自分が好きになった相手の姿」が、結婚後もそのまま維持されることはほぼありません。
良い意味でも悪い意味でも、長い夫婦生活の中で人間は変わります。「結婚したら実は家庭的な人だった」や「子どもが生まれたら子煩悩になった」などのようにプラスの意味に働くこともあれば、「長く一緒にいるうちに見た目が好みではなくなった」や「結婚後にお金にルーズな人だとわかった」などのようにマイナスの印象を持つ人もいるでしょう。
ただでさえ、長年一緒にいるパートナーには新鮮さを抱きづらくなり、ドキドキしなくなるものです。夫婦生活の中で相手の短所ばかりが目に付くようになると、「どうしてこの人と一緒にいるんだろう」とモヤモヤ感を抱えてしまいます。
倦怠期を乗り越えて夫婦円満に戻る3つの秘訣
倦怠期の可能性は、すべての夫婦に平等に降りかかるものです。しかし世の中にはおしどり夫婦と呼ばれるように、何年も夫婦生活を送っていても仲睦まじい人たちもいますよね。年月を積み重ねるほど絆や愛情が深まるのが理想の夫婦関係です。
ここでは、倦怠期を乗り越えて夫婦円満に戻るための秘訣(ひけつ)をご紹介します。同じ家で暮らしていると、自分と相手の境界がわからなくなってしまうことがあります。自分は自分、相手は相手と改めて認識することで、お互いが心地よく過ごせる環境を見つけていきましょう。
1.お互いの不満点を認識する
円満な夫婦であるためには、定期的にお互いの不満点を認識する必要があります。日常の中で、我慢ができないほど許せないことや感情的になったことは、口に出して伝えることが多いでしょう。しかし夫婦生活においてはお互いに、言葉にするほどではないが不満に思っていることも多いものです。
例えば、洗濯物に出されたシャツが裏返されていたり、食べ終わった食器を水に浸けてくれなかったり。一つや二つであれば「別に怒るほどでもないか」と我慢できることでも、繰り返しの毎日の中でストレスがどんどん積み重なります。
心の中に生じた小さな違和感を無視せずに、しっかりと言葉にして相手に伝えましょう。人間関係において「言わなくてもわかってほしい」は基本的にはNGです。また自分から話すことで、自分では気づけなかった「相手にとって嫌なこと」も聞き出せるでしょう。
2.大胆な模様替えをする
夫婦生活における倦怠期を乗り越えるためには、家の中を大胆に模様替えすることをおすすめします。「関係性の改善のためになぜ模様替えが効果的なの?」と思うかもしれませんが、夫婦にとって家は普段から時間の大部分を共有する空間です。
仕事の会議でもデートでも、結果を出すためには空間の雰囲気はとても重要ですよね。夫婦の関係性を取り戻したいと思う場合、目に見える空間から新鮮さを取り入れることは大切です。
倦怠感は、相手への飽きや家庭への退屈さなどにより生じます。それらの問題を解決するためには、視覚からでも気持ちを切り替えることがおすすめの方法なのです。模様替えと同じように、自身の見た目や雰囲気に変化を取り入れるのももちろんOKです。
3.お互いの趣味や人間関係を束縛しない
夫婦円満のためには、お互いの距離感を尊重しましょう。物理的な距離だけではなく、精神的な距離感をしっかり設けることでお互いのストレスを軽減することができます。具体的には、お互いの人間関係や趣味をコントロールしようとしないことが大切です。
もちろん異性関係においてはお互いに一定の気遣いが必要ですが、相手のプライベートすべてを把握するのは不可能です。強く追及するほど家庭に居心地の悪さを感じ、隠し事をするようになります。
そもそも、心や感情は自分以外の誰のものでもありません。それらをコントロールされていると感じると、人は強いストレスを抱きます。その結果、家庭は本音を話せる場所ではなくなり夫婦関係は悪化します。
人生の伴侶である前に一人の個人として相手を認識し、尊厳やプライベートを尊重しましょう。相手にとって家庭が「自分らしく過ごせる」「羽を伸ばせて楽になれる」と思える場所であれば、家の雰囲気も改善され関係性も穏やかなものになります。