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高圧的な態度の人と話していると、心が疲れてしまう…
社会に出てさまざまなタイプの人とコミュニケーションをとっていると、中には高圧的な態度をとる人と出会うことがあります。高圧的な人と話していると、まるで自分の存在価値を否定されたかのような感覚になってしまいますよね。
ストレスマネジメントの基本は、ストレスの原因から距離をとることです。しかし仕事や人間関係の問題上、簡単に相手と距離をとれない人も多いのではないでしょうか。相手の高圧的な態度に精神をすり減らされ、自己肯定感が下がる毎日はつらいものです。
今回は、高圧的な態度をとる人の心理や対処法などをご紹介します。相手との関係性を断つことが難しい人は、ぜひ参考にしてくださいね。自分の心を守るのは自分自身です。可能な範囲でストレスをかわし、心の健康を維持していきましょう。
高圧的・威圧的の意味とは
そもそも「高圧」とは、文字通り高い圧力のことです。人間関係における圧力とは、主に相手にプレッシャーをかけることを指します。つまり「高圧的」とは、一方的に相手を押さえつけて従わせようとするさまです。
多くの場合、高圧的な人は相手にプレッシャーを与える際に権力を武器にします。基本的には、先輩や上司など、自分よりも目上の存在が目下の存在に対して圧力をかけるときに使われる表現です。
ただし例外もあり、本来同じ立場であるはずの相手から高圧的に接せられることもあります。高圧的は、精神的に相手を上から押さえつけることを表す状態であるため、年齢や立場に縛られません。実際に使われる際は、目上の相手からのシチュエーションが多いと認識しましょう。
高圧的と類似する言葉に「威圧的」があります。威圧的とは、相手を威嚇したり圧迫したりするような態度を指します。高圧的との違いは、威嚇の意思があることです。高圧的でありながら相手に対して明らかに攻撃の意思を感じる場合は、威圧的のほうが近い表現になるでしょう。
参考:コトバンク「高圧的」
高圧的な態度をとる人の特徴
ここでは、高圧的な態度をとる人の特徴として挙げられるものをご紹介します。高圧的な人は相手を支配しようとする意志があるため、自分の能力の高さや偉さなどのステータスを誇示する傾向にあります。表面的な特徴から、相手の心理を読みとってみましょう。
1.声が大きい
高圧的な人は、発言する際の声量が大きい傾向にあります。例えば上司から叱られる際に、普通の声量や声色で言われるよりも、大きな声で怒鳴られるほうが緊張しますよね。高圧的な人は、同じ内容でも大きな声で伝えたほうが相手にストレスを与えられることを理解しています。
発言の内容の真偽よりも、声や態度の大きさで自分の正当性を主張しています。まるで動物が格下相手にマウンティングするように、「自分は相手より強いんだぞ」という気持ちをアピールするために声を荒げるのです。
2.相手を否定する
高圧的な人は、コミュニケーションを否定から入る傾向にあります。相手が何を言っても「それは違う」「お前が間違ってる」「だからお前は駄目なんだ」などのような発言で否定し、相手が言い返す気力がなくなるまでプレッシャーをかけていきます。
高圧的な人は、相手を否定することで相対的に自分の正しさを主張したいのです。まるで自分が正義のヒーローになったかのような気持ちになり、相手を否定することに快感すら覚えることも。自分が間違っているとは微塵も疑わず、相手が間違っていると決め付けています。
3.自分が持っているものを武器にして攻撃する
高圧的な人は、自分が持っているものを武器にして相手を攻撃し、プレッシャーをかけます。武器として使用するものは主に権力ですが、自分の正当性を誇示するためにはあらゆる要素を使うことも。例えば人間関係や資産、実家の太さ、人生経験、仕事の実績などが挙げられます。
「言うことを聞かなかったら、知り合いの弁護士を使って訴えてやる」「お前なんて俺の気分次第ですぐクビにできる」「もしミスをしたら、わかってるんだろうな?」などのように、恫喝ともとれるような圧力をかけることもあります。
高圧的な態度の人の原因・心理は?
高圧的な人も、生まれたときから歪んだコミュニケーションをとっていたわけではありません。ここでは、高圧的な態度の人の原因や心理についてご紹介します。相手を上手に交わすコツをつかむためにも、高圧的な人の心理を推察して対処法につなげていきましょう。
1.相手をコントロールしたい
高圧的な人は、相手をコントロールしたいと思っています。相手を支配することで自分の思い通りに動かすことを望んでおり、そのために高圧的な態度で相手に恐怖を抱かせようと考えています。正当性のある手段で相手が言うことを聞いてくれる自信がないのです。
相手が表面的に自分に従うだけではなく、心まで掌握したいと思っています。高圧的な態度や恫喝まがいの言動を通して、自分のことを畏怖してくれる対象を増やそうとしています。人を従わせるためには、恐怖で支配することが最も効果的だと考えているタイプです。
2.自分の優位性を示したい
高圧的な人は、自分の優位性を示すために権力を振りかざします。権力に支配されやすいタイプで、根本的に自分に自信がありません。相手にマウントをとることでしか自分の能力を誇示できず、人から馬鹿にされたり見下されたりすることに強い恐怖や恥ずかしさを感じています。
基本的にプライドが高く、自分の非を認められません。「自分は立場としては上なのだから、部下の全員が自分の言うことを聞くべき」と考えています。会社という枠組みの中で考えれば、上が下に命令するのはある意味正しいことですが、心が弱いため地位や立場に振り回されてしまいます。
3.自分こそが正義だと思っている
高圧的な人の中には「自分こそが正義だ」と疑わないタイプも存在しており、正義の名の元に相手を攻撃することがあるでしょう。一見すると理に適っている考えを武器にして振りかざし、相手を否定したり強い口調で命令したりします。
例え正論だったとしても、相手を攻撃していい理由にはなりません。人にはそれぞれの正義や考えがあることを理解しておらず、自分を否定してくる人=悪という極端な思考に囚われています。相手への思いやりがなく、「部下を叱ることが愛だ」と歪んだ認識を持っていることも少なくありません。