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会話が先に進まない…建設的な話し合いをしたい…
相手と会話をしているのに、なぜか話の内容がなかなか前に進まないと感じたことはありませんか?会話を通したコミュニケーションにおいては、ただ長時間話しているだけでは内容が進展しないものです。
相手のことを知るためには、話している時間が長いほど理解が深まることもあるでしょう。しかし問題を解決したいときやビジネス上の会話では、話の長さよりも内容が求められるものです。会話を進展させるためには、建設的な話し合いをする必要があります。
今回は、建設的な話をするメリットや会話のコツをご紹介します。同じテーマについて話す場合でも、会話自体の流れや切り出し方を変えることで問題解決までの道程がスムーズになるでしょう。
建設的の意味とは
「建設的」とは、ある物事についてその良さを理解・支持し、より良いものに変えていこうとする状態を指します。あるひとつの課題や話題に対して、積極的に内容を推進しようとしている状態です。
そもそも「建設」とは、大きな構造や組織を作りあげることを指します。大きな物事を成し遂げるためには、一つひとつの小さな要素を組み立てていく必要があります。建設的な会話においても、全体像のイメージだけを話すのではなく、ゴールに向かって歩んでいくためには何が必要なのかを話し合い、着実に前進していくことが大切です。
建設的な会話をするためには、お互いの発言の内容が積極的であったり、前向きであったりする必要があります。どちらかだけのモチベーションが高い状態では、物事は前に進みません。お互いにひとつのテーマに対して同じ積極性を持ち、意見を交換し合いながら前進させていく姿勢こそが、建設的な会話に重要な要素だといえるでしょう。
建設的に話すことで得られるメリット
ここでは、建設的に話すことで得られるメリットをご紹介します。建設的に話すことで、問題解決における無駄な時間をカットできるだけではなく、自分の印象をアップさせることも可能です。メリットを理解し、学習へのモチベーションにつなげていきましょう。
1.発言の内容に説得力が出る
建設的な話ができるようになると、発言の内容に説得力を出せます。例えば仕事のプレゼンをする際、矛盾の多い隙だらけの話をしていると現実性を帯びません。建設的な話では物事の順序が守られており、誰が聞いても納得できるような内容になっています。
例えば「商品の売り上げを上げるためには、広告にモデルの〇〇さんを使おう」という提案だけでは「なぜ〇〇さんを使うと売り上げが上がると判断したのか?」という問いに答えられません。この状態は、説得力が欠けている状態です。しかし「この商品は40代女性をターゲットにしている。広告のクリック率を比較しても40代女性に響いているのは明白だ。同じ年代であり、ターゲット層と同じ悩みを持つモデルの〇〇さんを起用することで、商品使用時の成功体験を顧客がイメージしやすくなる」のように、建設的な説明をすることで説得力が上がります。
2.物事を前進させる
建設的な話をすると、物事を前進させることが可能です。建設的な会話の中では、現状をより良くするためや問題を解決させるために、どの要素が必要なのかを明確にします。抽象的な表現を使わずに定量化して会話することで、具体的に何をすればいいのかが整理整頓されます。
定量化とは、普遍的な物事を可能な限り数値や数量にして表すことです。例えば「がんばる」という曖昧な目標を、「〇月△日までに□%の進捗を目指す。□%とは、作業Aが終わり作業Bがここまで進んでいる状態である」と定量化することで、周囲にも状況をシェアしやすくなります。
数値化することで責任感も生まれ、スケジュールを組みやすくなります。作業日程を組むことで確実に物事が進展するための基盤も整えられるでしょう。もしスケジュールが破綻してしまった際も、「このスケジュールでは無理があった。理由は……」と状況を理解・改善するための要素となるのです。
3.誰にとってもわかりやすい説明ができる
建設的な会話ができると、誰にとってもわかりやすい説明もできるようになります。建設的な要素が欠けている説明だと、主語と内容が噛み合っていなかったり、話が飛躍してしまったりすることがあります。
本人にとってはしっかり説明できているつもりでも、聞く側にとってはわかりづらく、理解しづらい内容となってしまうのです。建設的な会話では順序を守って論理的に話すため、今何の話をしているのかを見失いづらいでしょう。
建設的な話=論理的な話とは限りませんが、建設的な会話において物事を前進させるためには、現状把握や不足要素などを明確にする必要があります。その過程では、感情よりも俯瞰的な分析や事実そのものが優先されます。結果、事実に基づいた論理的な視点での発想が生まれ、会話が前進していくのです。