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寝言を言う人の理由は?病気のリスクはある?
寝言を言うといっても、何を言っているのかわからない場合や叫ぶように寝言を言う場合もあります。寝言を言う原因は人によってさまざまです。夢を見たり疲れが溜まっていたりするなどいくつかの条件が重なれば、誰しも寝言を発するものです。とはいえ、声を荒げる寝言や毎日寝言が続いている場合には、病気を疑う人もいるのでは。
寝言のすべてが危険というわけではありません。また、寝言の内容について心配しすぎなくても良いでしょう。しかし、極端に寝言の頻度が多かったり身体の痙攣や呼吸の異常が見られたりする場合には、何らかの病気である可能性があるため注意が必要です。
寝言について気になることがあれば、一度専門医への受診を検討しても良いでしょう。
参考:All About 健康・医療「寝言をはっきりしゃべる・多い」のは病気?見分け方と対処法
寝ている最中に笑う・怒る…寝言のメカニズムとは
寝言とは、一般的には夢に関連して発する言葉や日中のストレスによる悪夢が原因で発する言葉のことです。
寝言のメカニズムは、室温や湿度が高い、寝具が適していないなどの環境的な要因や体は休んでいるが脳が活動しているレム睡眠のときに見る夢がきっかけといわれています。また、寝言が多くなる背景にはストレスや寝不足が関係していることも。
一般的には、寝言を言っている本人は気づいていないことが多い傾向にあります。家族に寝言を指摘されても覚えていないことが大半なのです。
睡眠の質が悪い場合、眠りの浅いレム睡眠が頻発するため「寝言が多い」と感じやすくなるでしょう。
参考:All About 健康・医療「寝言をはっきりしゃべる・多い」のは病気?見分け方と対処法
ふとん・寝具の西川 眠りの専門医に聞く「寝言」の原因と対策
睡眠中の寝言の原因3つ
寝言の原因は主に以下の3つが挙げられます。
- 夢
- ストレス
- 睡眠不足
それぞれ詳しく解説します。
1.夢
眠りの浅い「レム睡眠」のときに寝言を言う人が多いといわれています。というのも、レム睡眠のとき脳内では情報を整理しているため、夢を見やすく、夢に連動して寝言を言うケースがあるのです。
例えば、夢の中で笑っていると実際に笑ったり、喧嘩している夢を見たときには強い口調で寝言を言ったりすることなどが挙げられます。
参考:甲南大学 知っていますか?「勉強に効果てきめんの睡眠」の手の入れ方
All About 健康・医療「寝言をはっきりしゃべる・多い」のは病気?見分け方と対処法
ふとん・寝具の西川 眠りの専門医に聞く「寝言」の原因と対策
2.ストレス
ストレスとは、日中に感じるストレスだけでなく睡眠中の寝苦しさによるストレスも考えられます。枕の高さや寝室の温度が適切でないことも睡眠の質に影響し、寝言につながるのです。
ほかにも、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱えている場合、患っている方の中には、悪夢の影響している可能性も考えられます。
参考:スリープファンデーション より良いあなたのためにより良い睡眠 「スリープトーキング」
3.睡眠不足
睡眠不足は、寝言の原因のひとつです。睡眠不足のとき、体は寝ていても脳が活動な状態になりやすいため、結果として眠りが浅くなり寝言を発していると考えられます。
睡眠不足のときにはアルコールやカフェインの摂取を避ける工夫をすることで、眠るときに脳が活発化を防ぐことが期待できるでしょう。
参考:阪野クリニック 寝言を詳しく知りたい方へ
スリープファンデーション より良いあなたのためにより良い睡眠 「スリープトーキング」
よく寝言を言う人の4つの特徴
寝言を言う原因は人によってさまざまですが、主な特徴として下記の4つが挙げられます。
- ストレスを抱え込みやすい
- アルコールとカフェインを多く摂取する
- 良質な睡眠がとれていない
- 生活習慣が乱れている
寝言を発することが気になっている方は、自分に当てはまる特徴がないかをこちらでチェックしてみてください。特徴から考えられる改善策についても解説していきます。
1.ストレスを抱え込みやすい
ストレスを抱え込みやすい方は、睡眠時間を確保していてもレム睡眠(浅い眠り)が多かったり不安感を抱えたまま眠りについたりしていることがあります。
日中の強いストレスや不安感によって寝言が増えるため、ストレスを抱え込みやすい人は寝言を発しやすいと考えられます。
明日の仕事を考えながら眠りにつくと、睡眠の質が下がりかねません。友人と話したりジャーナリングをしたりするなど、ストレスを抱えたままにせず吐き出す時間を意識的に増やしていくことで、ストレスや不安感を和らげていくことができるでしょう。
2.アルコールやカフェインを多く摂取する
アルコールやカフェインを多く摂取すると、寝つきが浅くなり夜中に目覚めてしまう人も少なくないです。夜間に目覚めることが多い方は、寝酒や夕方以降のカフェイン摂取を控えるようにするようにしましょう。
アルコールの摂取は一見寝つきが良くなったと感じることもありますが、不眠症の対処法としては避けるべき手段です。寝言だけでなくイビキの原因にもつながりやすいといわれています。
3.良質な睡眠がとれていない
朝起きたときに、ぐっすり眠れたと感じていない方は、良質な睡眠が取れていないと考えられます。例えば、就寝直前までスマホやパソコンを操作してブルーライトを浴びていたり寝室の温度が適温でなかったりすると、睡眠の質は下がってしまうものです。
ほかにも、部屋が明るすぎる、周りの音が大きいといった寝室の環境要因も睡眠の質には影響を与えるため、寝言が多い場合には、寝室の環境を見直してみることをおすすめします。
4.生活習慣が乱れている
寝言を言う人の特徴として、生活習慣の乱れも挙げられます。起床時間や就寝時間や日によってバラバラ、時間がないときは食事を抜くことが多いといった食生活の乱れも心身にストレスを与えうるものです。
生活習慣の乱れによって、体内時計が崩れることで、睡眠の質が下がる可能性もあります。生活習慣を整え、質の高い睡眠を確保していくのも寝言を減らしたい方には大切です。
寝言が多いときに考えられる病気は?
寝言を言う原因にはさまざまです。また、人によって異なります。寝言が多かったり毎日続いたりする場合には病気が隠れていることもあるので注意が必要です。
寝言が多いときに考えられる病気は、主に以下の3つが挙げられます。
- 睡眠時随伴症(パラソムニア)
- 睡眠時無呼吸症候群
- てんかんの症状
1.睡眠時随伴症(パラソムニア)
睡眠時随伴症(パラソムニア)とは、就寝中の寝ぼけた行動のことを指します。具体的には、寝言・寝ぼけ・おねしょ・睡眠時遊行症・歯ぎしりなどが挙げられます。
睡眠時随伴症が起こるタイミングは、以下の2種類に分けられます。
- ノンレム睡眠時に起こる現象:睡眠時遊行症(夢遊病)・睡眠時驚愕症(夜驚症)
- レム睡眠時に起こる現象:レム睡眠行動障害(寝言や怒鳴る・殴る・蹴るといった乱暴な動き)
参考: 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部「睡眠時随伴症 」
2.睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、眠り出すと呼吸が止まってしまう病気です。呼吸が止まって血液中の酸素濃度が低下すると、目が覚めて再び呼吸し始めます。しかし再び眠りにつくと呼吸が止まってしまうため、深い眠りがまったく取れなくなり日中強い眠気を感じるのです。
また、呼吸が止まって低下した酸素濃度を補うために、過度に心臓が働くことで高血圧を呈します。そのほか、血液の循環が悪くなることで動脈硬化も進み、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなるでしょう。
さらに睡眠不足によるストレスで血糖値やコレステロール値が高くなり、生活習慣病やメタボリック・シンドロームが引き起こされます。
参考:e-ヘルスネット(厚生労働省)「睡眠時無呼吸症候群 / SAS 」
3.てんかんの症状
てんかんは、突然意識を失って反応がなくなるといった「てんかん発作」を繰り返し起こす病気です。原因や症状はさまざまであり、患者数も100人に1人と誰もがかかる可能性があります。
てんかんの症状には、以下のようなさまざまな「発作症状」があります。
- 光がチカチカ見える
- 手がピクピク動く
- 発作のとき意識がなくなる
- 一点を凝視して動作が止まって反応がなくなる
- 突然体の力が抜けバタンと倒れる