デートDVとは?デートDV4つの種類&原因|今すぐできる対策

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デートDV(ドメスティック・バイオレンス)とは?

デートDVとは交際中のカップル間に起こる暴力のことで、暴力によって相手を思い通りに支配しようとします。一般的に暴力といえば殴る、蹴るを思い浮かべる人が多いでしょう。

デートDVには身体的な暴力以外もあることをご存じですか。例えば、体型や容姿を馬鹿にされたり、ブスや死ねと言われたりするのは精神的暴力に該当します。また、物を貢がせる、借りたお金を返さないといった行為は経済的暴力にあたる可能性があります。

デートDVにはさまざまな暴力があり、決して他人事ではありません。誰にでも起こり得る身近な問題だからこそ、「自分のことかもしれない」と気づくのが大切なのです。

では、早速どんなものがデートDVに当てはまるのかを見ていきましょう。

【デートDV】4つの種類

DVには身体的暴力以外にも、性的暴力や経済的暴力、精神的暴力があります。以下にそれぞれをの解説しました。

また、デートDVには周期があり、緊張期・爆発期・ハネムーン期のサイクルを繰り返すと言われています。加害者はアメとムチを使い分けることで、被害者を精神的に支配し束縛するのです。

性的暴力

性的暴力には本人が嫌がるキスやスキンシップ、望まないセックス、避妊をしない、無理やりポルノを見せる、自分とのセックスを他人に言いふらすなどがあります。他にも、性行為に応じないと不機嫌になる、一緒に寝るのを強要するといった行為も該当します。

性的暴力の被害にあった場合、まずは病院で身体的ケアを受けましょう。72時間ないし3日以内であれば、緊急避妊薬やモーニングアフターピルを処方してもらえるため、望まない妊娠を防げるでしょう。

経済的暴力

経済的暴力はデート費用を毎回負担させる、高価なプレゼントを買わせる、借りたお金を返さない、パートナーに仕事をさせてお金を稼がせる、バイトを辞めさせて自由なお金を持たせないなどが該当します。

また、勝手に貯金を使われている、無断で借金をする、生活費を渡さないといった場合も、経済的暴力である可能性が高いので注意しましょう。

身体的暴力

身体的暴力は叩く、蹴る、つねるといった暴力はもちろん、体を壁や床に押さえつける、髪の毛をつかむ、物を投げつけるなどの行為も該当します。同棲をしている場合、食事や衣服を与えない、冷暖房をつけさせない、必要な医療を受けさせないなどの間接的な行動も身体的暴力です。

暴力を振るった後に、別人のように優しくなり謝られると、つい「私がいなければ」「もう一度信じてみよう」と思ってしまいがちですが、暴力は繰り返されます。相手の優しい一面にだまされないようにしましょう。

精神的暴力

ブスやデブといった相手の容姿を馬鹿にした発言、「お前は頭が悪い」と人前で欠点をからかう行為は精神的暴力に該当します。ほかにも、メールやスマホのチェック、行動の監視、「別れたら死んでやる」といった脅しも含まれます。

精神的な暴力を受けていると、自分が悪いと思いがちですが、決してそんなことはありません。どんな理由があったとしても、ひどいことを言われて良いはずがないのです。嫌なことにはハッキリ「NO」と言いましょう。

デートDVが起こる原因とは?

デートDVはパートナー間の暴力なので同性間でも起こり得ます。男女の立場が逆転していて、男性が被害にあうケースも存在します。しかし、一般的には異性のパートナー間で起こり、男性が加害者、女性が被害者のケースが多いでしょう。

デートDVが起こるのは、心理的要因よりも社会的な要因が影響しているでしょう。男らしさ、女らしさを過剰に求める社会的要因の影響は無視できません。

1.「〜らしさ」の固定概念が強い

家父長制にはじまる男らしさ、女らしさの固定概念はデートDVの発生に大きく影響を与えます。家父長制とは、家長である男性が、家の秩序を守るために権力を独占する家族の形態の一つです。

男性が家庭の中で一番偉く、支配・統率するのだという価値観で育った男の子は、大人になっても「男性の方が上」という価値観で女性に接しがちです。男性は女性から奉仕を受けるのが当然だと無意識に思い込み、自分の要望通りに行動するのが当然だと思ってしまいます。

2.性的・経済的・精神的暴力を暴力だと思っていない

デートDVの当事者の多くは、自分達がDV加害者、もしくは被害者であると気づいていません。

加害者が男性であれば、彼女が間違っていて自分が正しいと思っています。どうして間違ったことをして、自分を怒らせるのかと自分本位で考え、彼女も「自分が間違ったことをしたのが悪い」と思い込んでしまいます。

特に、被害者は相手と付き合っている自分を否定したくない心理が働くことも多いでしょう。

3.束縛を愛情と勘違いしてしまっている

パートナーがいつ、どこで、誰と何をしていたのかを逐一聞いたり、メールやスマホのチェックをしたりするのも愛情表現の一つと勘違いしてしまっているケースもあるでしょう。

彼女より自分が上だと思っている男性は、万が一彼女が浮気をすれば自分のプライドが傷ついてしまうので、彼女を束縛し、支配したがります。本当は自分に自信がないので、束縛することで安心感を得たいのです。

 

あーちゃん

あーちゃん

1992年生まれ。臨床心理士(公認心理師) 指定大学院を卒業し資格を取得後、街のクリニックで非常勤心理士としてカウンセリングや心理検査の業務に従事する。小学校や高校のスクールカウンセラーとしても活動中

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