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自分が毒親になっているか、不安に感じたら…
この記事を見ている人は毒親とは何なのか、毒親の特徴が自分に当てはまるか気になっている場合が多いでしょう。
イライラしてしまい、子どもにあたる回数が増えると、虐待ではないかと不安になったことはありませんか。子どもに興味関心が持てなくて、自分がおかしいのではないかと考え込んでしまうことも少なくないでしょう。
ネットで「毒親」という言葉を知り、もしや自分がそうなのではないか、毒親だとしたらどうすればいいのかと思い悩む人もいます。
本記事は、毒親の正しい知識をまとめ、毒親にならないためにどうすれば良いかを紹介しています。自分に当てはまる特徴がないか、どうすれば改善できるのか見ていきましょう。この記事が、思い悩むあなたの最初の一歩になれば幸いです。
毒親とは?
アメリカのカリフォルニア州でインストラクター・セラピストとして活躍するスーザン・フォワードが、1989年に出版した『毒になる親。(TOXIC PARENTS)』で初めて「毒親」を提唱しました。翌年には、日本で翻訳・出版されています。
毒親は俗語であり、学術用語ではありません。日本では、毒親を題材とした書籍が多数出版されています。その多くは毒親に苦しんだ子どもの実体験で、毒親本というジャンルを築いています。
毒親の概念は、スーザンによって「子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親」と定義されました。子供に害悪というと、まるで全て親のせいのように聞こえてしまうかもしれませんが、実際は異なります。
もともとは親からの自立を願い、自己実現を果たしたい人たちへ、希望を与えるため生み出された言葉なのです。
毒母とアダルトチルドレン
毒親が存在する家庭は「機能不全家族」である可能性が高いです。機能不全家族とは、団結し、語り合い、お互いが支え合う「家族としての機能」が十分に備わっていない家庭のことです。
機能不全家族の親が毒親であった場合、毒母や毒ママ、毒父といいます。また、機能不全家族に育ち、大人になってからも生きづらさを抱える人のことを「アダルトチルドレン」と呼びます。
1989年に、精神科医の斎藤環が「アダルトチルドレン」という言葉をはじめて日本へ取り入れました。
機能不全家族は「世代間連鎖」しやすいといわれています。世代間連鎖とは、幼少期に触れた親の良くない対応を、自分が親になった時に同じように子どもにしてしまうことです。
毒親のようにはなるまいと思っていたのに、気づけば毒親のようになっていた場合は、世代間連鎖が起きている可能性が高いでしょう。
毒親の世代間連鎖に巻き込まれないこと、新たなパターンを作れるかが、毒親を抜け出す鍵となるでしょう。
自分は毒親?毒親の特徴と診断チェック!
毒親の特徴を9つにまとめました。自分に似たような特徴がないか、まずはチェックをしてみましょう。
毒親の特徴は、親自身の不安や恐れに基づく、過剰な保護や干渉によるコントロールです。毒親は自分の不安を子どもに投影して不安を解消するため、子どもをコントロールすることで安心を得ようとします。
親自身に不安の解消先がないと、その矛先が子どもに向いてしまうことが多いでしょう。
1.子どもに対して過保護
過保護とは「子どもの〜したい・〜したくない」という欲求を先回りし、満たしてしまうことを指します。親が子どもの面倒を必要以上にみて、甘やかしてしまうのです。
子どもは、ある程度の年齢に達すれば、自分の身の回りのことは自分でできるようになります。しかし、過保護な親は子どもができることを認めたがりません。子どもが着替えたり靴を履き替えたりするのを、つい手伝ってしまいます。
親の過保護は、子どもの自主性の発達や、成長の機会を奪ってしまうので要注意です。
2.子どもに対して過干渉
子どもへの過度な干渉は「過干渉」と呼ばれることがあります。過干渉では、子どもが望むか望まないかにかかわらず、親が望むことを子どもに命令したり、禁止したりします。
過干渉な親は子どもがいつ、どこで、何をしているか把握しないと気が済みません。「心配だから」「あなたのためを思っているのに」が口癖です。
思春期にさしかかると、子どもは親に知られたくない秘密が増えてきますが、過干渉な親は子どもが知られたくないことまで、無理に知ろうとします。
3.子どもの存在を否定する
毒親は時々、自分自身の仕事や家庭のストレスを、全く関係のない子どもにぶつけて八つ当たりしてしまうことがあります。仕事や家庭が上手くいかないのは、子どもがいるせいだと責任転嫁するのです。
このタイプの毒親は、子どもが反抗できないことを逆手にとり「お前なんか生まれてこなければよかった」「お前なんか捨ててしまうぞ」と存在を否定することで、ストレス発散する特徴があるでしょう。
4.子どもの話を聞かない
毒親は子どもの話を聞かず、話の主導権を奪うことが多くなります。
「そんなの大したことない!お母さんの方がもっと大変だよ」「お母さんの場合はこうだったよ」と子どもが話したいことよりも、自分の話を優先するのです。
親が子の話を聞かず、自分の主張をしてしまう背景には「お母さんだって頑張ってるのに、あなたばかりずるい」と嫉妬の感情が隠れていることがあります。
5.子どもを抑圧してしまう
過干渉な親のコントロールは「〜しなさい」というわかりやすい命令の他にも、直接的でない、オブラートに包まれた間接的なものがあります。
毒親は子どもが真正面から反抗できないようにし、自分の思い通りに動かそうとします。子どもが自分の思い通りに動かない場合、大げさに「はあ…」とため息をつくことで失望をアピールします。
遠回しにものを言うことは日常生活でよくあることです。子どものコントロールのため、執拗に用いるようになると、子どもは思ったことを素直に表明できなくなり抑圧されるでしょう。
6.子どもの進路に口を出しすぎてしまう
子どもの進路に口を出しすぎてしまうのも、過干渉のひとつです。子どもにこんな人生を歩んでほしいと親の気持ちが先行しすぎて、子どもの意見をなおざりにするのです。
子どもが行きたい学校名や部活動を口にしているのに「ここにしなさい」と別のところを勧めてしまいます。聞いたことない学校だから、あなたにはこの部活が向いているからと理由をつけては、親自身の経験や価値観に基づく決定を下します。
7.子どもの恋愛に口を出しすぎてしまう
過干渉な親は子どもの恋愛が気になってしまい、相手のことを根掘り葉掘り聞いてくるでしょう。子どもの将来を案じるあまり、相手の学歴や勤務先、社会的地位などもチェックします。
毒親は子どもの意向よりも、世間からどう思われるかを優先します。子どもの恋愛や交友関係に干渉、口出しをするのは、少しでも世間体を良くしたい親の願望や期待があるからです。
8.子どもと競おうとする、嫉妬する
健康な心をもつ親であれば、子どもの成長は何よりの幸福です。しかし、心が不健康な毒親は幸せそうな子どもを見て、自分の何かが奪われているような気分になり、素直に祝福できません。
年齢に伴い女性としての魅力を失っていく恐れのある母親は、娘の心身が大人の女性に近づいていくことを妬むでしょう。加齢に伴い体力や気力を失う不安のある父親にとって、自分よりもたくましく成長してきた息子は脅威です。
メイクやダイエットに励む娘に対して母親が「気持ち悪い」とののしったり、たくましくなってきた息子に対して父親が「大したことない」と侮辱したり、嫉妬したりします。
9.子どもの行動や言動を管理・支配してしまう
毒親は子どもが自分の理想通りであってほしいと願うため、子どもの行動や言動を過度に管理、支配してしまうことがあります。
食べるものや着るものに始まり、進路や就職、恋愛や結婚に至るまでさまざまな決定に干渉し、思い通りにコントロール・支配したがります。
管理や支配をしたがる親は、子育てを自分の人生のよりどころ、生きがいとしていることが多いでしょう。子離れは自分の存在意義の喪失につながるため、自分が必要とされなくなることを過度に恐れ、支配したがるのです。