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家族がうつ病になった時、どう対応したらいい?
うつ病は精神疾患の中でも、身近な心の病気のひとつです。100人のうち6人が発症するというデータもあるほどです。誰でもなり得る心の病気だからこそ、家族がいつなってもおかしくないと心構えしておくことが大切です。
うつ病は症状を自覚したり、心や体の変化に自分で気づいたりするのは難しいでしょう。そんな時に助けとなるのが「家族の気づき」です。なるべく早く初期症状に気づけば、その後の対応もスムーズになります。
では、家族がうつ病になったとき私たちはどう関わり、接していけば良いのでしょうか?本記事では、うつ病の基本的な症状と家族の接し方、対応のポイントをまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
【うつ病に気づく】うつ病の症状・心と体の変化
うつ病の症状をあらかじめ知っておけば、家族はできるだけ早くうつ病のサインに気づけます。では、気をつけておくべきサインにはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なサインは、心の症状・体の症状・行動の症状です。その他にも、家庭や職場で現れやすい変化のサインがあります。該当する症状が10日から2週間続く場合は、うつ病の可能性があると覚えておきましょう。
1.心の症状
うつ病になった時に心に現れる症状として代表的なものに、気分の落ち込み、興味関心の低下、自責感や無価値感、焦りやイライラがあります。
記憶力や集中力、思考力が低下するため、会話をしていても生返事になることがあるでしょう。話し方もゆっくりになります。
例えば、食事の準備のために買い物に出かけても、店で何を買うか決めるのに時間がかかることがあります。頭の働きが鈍くなるため、詳細な段取りを考えることが難しくなるのです。
2.体の症状
体の症状として代表的なものは、不眠、食欲の低下や過食、動作が遅くなる、疲れやすくなるなどがあります。人によっては、原因不明のめまいや耳鳴りが起こることも。
体の症状はうつ病でなくても現れます。そのため、かかりつけの医師を受診し、うつ病以外の病気の可能性がないか調べてもらいましょう。
検査をしても異常がないものの、症状が長く続いている場合は、うつ病に伴う体の症状である可能性が高いです。
3.行動の症状
行動面の症状には、テレビや新聞を見るといった本人が習慣としていた活動をしなくなる、無理して笑っている感じになるが該当します。他にも、ご近所付き合いや友達付き合いをしなくなったり、お酒やタバコの量が増えたりすることもあります。
行動面の症状は、目に見えて「いつもと違う」「なんか変だ」と家族が気づきやすいでしょう。なるべく早い段階で家族がこれらのサインをキャッチするのが重要です。
4.家庭での変化
1日の中でも特に朝は調子が悪そうで、身支度に時間がかかり動作が遅い。朝ごはんも食べないか、少量しか食べない。口数が少なく、表情が暗い。休みの日もどこかに出かけるわけでなく、ただ部屋にひきこもり、何もしていないようだ。
こんな様子が家庭で見られたら、うつ病の要注意サインです。職場や学校では迷惑をかけまいと気を張っており、その反動が家庭に出ている可能性があります。
5.職場での変化
職場で現れやすい変化は、遅刻や早退が増える、仕事の進みが遅くなる、作業能率が低下する、ケアレスミスが増えるです。怠けているように見えるので、上司から注意されることも少なくありません。
本人もどうしてミスが起こるのか分からず、普段できていたことができなくなるので焦ります。焦りから不安やイライラが生じ、悪循環に陥ります。
いつもと比べて様子がおかしければ、ストレスチェックを実施したり、産業医につなげたりする必要があるでしょう。