学校が取り組んでいる、子どもたちのいじめ対策

学校は「いじめは、どの子にもどの学校にも起こりうる」という認識を徹底し、普段からの児童生徒への見守りや指導を中心に、いじめの未然防止や早期対応の取り組みを行っています。教職員一人ひとりにいじめ問題への正しい理解を促し、事案が生じた場合にも迅速に適切な対応が取れるよう、対応フローチャートを共有しています。下記に、学校で取り組んでいる子ども達へのいじめ対策をご紹介します。

1.いじめが発生するメカニズムの理解

小学校低学年では、ストレスを自分の言葉でうまく説明できない欲求不満を背景に、叩いたり蹴ったりといった身体的ないじめが多いです。高学年では集団と異なる雰囲気の子どもの排斥により、仲間外れや無視といった形でいじめが生じます。

中学校では、男子は小集団のリーダー格の子による支配欲を伴ういじめ、女子はグループ内外での競争によるいじめが生じやすいです。こういった各発達段階によるいじめのメカニズムの違いや、求められる対応の質の違いを理解します。

2.未然防止の取り組み

教職員によるいじめのサインを見逃さない組織的な見守りや、定期的な情報交換会、アンケートの実施を行います。授業ではいじめは絶対にあってはならないという指導を徹底し、コミュニケーションスキルの向上を目指します。自己肯定感や自己有用感を育てる取り組みをも必要です。スクールカウンセラーを配置し、心配なことがあれば相談できる体制を整えます。

3.早期発見と早期対応

いじめのサインが見られたり訴えがあれば、聞き取りなどによる詳細な実態把握を迅速に行います。実態を踏まえ、いじめている子やいじめられている子それぞれの指導やケアを行います。

いじめの根本的解決となるよう働きかけ、被害が持続しない体制作りが大切です。一人の教員だけで対応するのではなく、担任と学年主任と管理職といった教員間での集団守秘を踏まえた情報共有を行います。

4.重大事案への対応

いじめの重大事案が発生した場合には、教育委員会や警察、児童相談所、医療機関といった関連機関への連絡を踏まえ、いじめ対策委員会で対応します。

事案調査班と事案対応班に分かれ、事実関係の把握や方針を決定し、児童生徒の支援や保護者との連携、指導や経過観察を行います。当事者はもちろん、周囲の子どもの心のケアを、アンケートを通して実態把握にも努めます。

親ができる、子どものいじめ対策

いじめを未然に防止するために、またいじめが起こった場合でも、子どもの傷つきを最小限に抑え、その経験も子どもの成長や学びにつなげていくにはどうすれば良いでしょうか?

保護者にしてもらいたいことは、子どもとの関係づくりと、葛藤に適切に対処できる能力の育成です。下記に代表的なものをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。特別なことをするよりも、さまざまな問題に適切に対処できる子を育てるには、どうすれば良いのか考えることが大切です。

1.日頃から悩みや愚痴を言える関係づくりを

忙しい日々の中で、子どもに注意を向けコミュニケーションをとることは大変です。そのため、食事や寝る前のタイミングで構わないので「今日、学校はどうだった?」など声をかけてあげてください。

日頃から学校での様子や友達関係を親が知っておくことで子どもの見守りに繋がります。また、異変が生じた時に気付きやすくもなります。もし愚痴を言ってきたら「またそんなこと言って」とは言わずに、「だから腹が立ったんだね」と気持ちを受け止める返しを心がけて。

2.自分のままで良いという感覚を持たせる

自分は今の自分のままで十分に価値がある、かけがえのない存在だという感覚を持たせることはとても大切です。基本的に自己肯定感が持てると、もしいじめが起こった場合でも、自分はそのように扱われて良い存在ではないのだと思うことができます。自分は親や教員、周囲の大人に大切にされているという感覚が持てると、何かあったときに大人に助けを求めやすくなります。

3.不満を行動ではなく言葉にできる力をつける

子どもが愚痴る能力をつけられるようサポートしましょう。言葉で自分の葛藤や不満を表現できるようになると、自然と殴ったり蹴ったりと行動で示す必要がなくなります。

子ども同士の喧嘩が起こったときは叱ることも大切ですが、なぜ喧嘩に至ったのか、何が不満だったのかをきちんと説明させるようにしましょう。暴力はダメだけれど、心の中で思うことは自由であるし、それを人に話すことで解決していく方法もあるのだということを学んでもらいましょう。

4.いじめは起こりうるものだという認識を持つ

いじめはあってはならないことですが、残念ながら起こり得ます。いじめが起こった時は、すぐに何かをしなければならない、解決に向けて動かなければならないと焦りがちです。

しかしトラブルは、今後の子どもの学びにつなげる教育的な目線も持つことで、子どものエネルギーを適切な解決に向けて方法づけてあげることができます。子どもの成長につながる解決を促す認識を、大人が常に心の中で持てるようにしましょう。

 

あーちゃん

あーちゃん

1992年生まれ。臨床心理士(公認心理師) 指定大学院を卒業し資格を取得後、街のクリニックで非常勤心理士としてカウンセリングや心理検査の業務に従事する。小学校や高校のスクールカウンセラーとしても活動中

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