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職場環境が悪い…働きづらい…
従業員同士の雰囲気がよくない、多くの人がストレスを抱えていてギスギスしているなど、自社の職場環境が悪くて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
私たちが生活時間の約1/3を過ごす職場環境が悪いと、人生の幸福度が下がってしまいます。社内の空調や設備などが整っていない物理的なものだけではなく、人間関係や職場の雰囲気なども職場環境をつくる重要な項目です。誰もが、やりがいのある仕事をして、良好な人間関係が築かれた明るい雰囲気の職場で楽しく働きたいと思うでしょう。
ただ職場環境をよくすると言っても、具体的に何をしたらいいのかわからない人もいると思います。この記事では、職場環境改善のポイントや対策について紹介します。ぜひ自社の職場環境を改善する参考にしてみてくださいね。
ストレスチェック制度と職場環境改善の関係性
ストレスチェック制度とは2015年に国が設けた施策で、従業員に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査を事業者に義務付けることです。事業者は、チェックの結果次第で医師による面談の場を設ける必要があります。
ストレスチェックが職場環境改善に役立っているという報告があります。社内でのストレスチェックの結果を分析し、職場環境改善に活用したところ、6割の労働者が「自分たちのストレスを軽減するのに役立った」と感じているのです。
また、ストレスチェックに基づいた社内環境の改善をした企業は、メンタルヘルス不調の発生が減ったという報告もあります。このようにストレスチェックをうまく活用すると、職場環境改善に一定の効果があることがわかっています。
参照:厚生労働省「これからはじめる職場環境改善~スタートのための手引~」
職場環境を改善したい!社内環境改善とは?
そもそも職場環境とは、照明や空調、ITツール、机、椅子などの設備環境だけではなく、上司や社内の人間関係など、私たちを取り巻く環境を幅広く指す言葉です。労働安全衛生法では、従業員にとって働きやすい環境を整えなければならないと定められています。
快適な職場環境を整えることは、従業員の心身の健康にもつながり、すべての事業者が考えるべき重要なことです。
職場環境を改善することで、従業員の精神的ストレスの軽減やモチベーションの向上、業務効率の改善、離職率の低下などさまざまなメリットがあります。職場環境改善に取り組むことは、従業員一人ひとりが生き生きと働けるだけではなく、よい人材確保の面で事業者にとっても大きなメリットがあると言えるでしょう。
心身ともによい状態でいると、従業員のパフォーマンスも向上し、結果的に顧客満足の向上にもつながります。
参照:労働安全衛生法
職場環境改善の取り組み
「職場環境の改善」といっても、具体的に何をすればいいのかわからない人もいると思います。社内の環境を改善するためには、分類に分けて考えるとよいでしょう。
職場環境の改善方法は、労働時間・人間関係・組織・業務の4種類に分けられます。ここからは、それぞれの内容を見ていきましょう。
1.労働時間の改善
職場環境を改善するために、労働時間の改善は最も重要です。日本では、長時間労働による精神障害や過労死の発生が問題になっているからです。2019年4月に施行された「働き方改革関連法案」でも、長時間労働を是正する内容が盛り込まれています。
従業員が働いてお金を稼ぐのはもちろん大事ですが、家族との時間や趣味、リラックスの時間を持つことも同じように大切です。仕事と生活のバランスが取れてこそ、私たち人間は生き生きと暮らせます。そのためにも、事業所は従業員の労働時間を改善する必要があるのです。
2.人間関係の改善
人間関係は、職場でのストレスの最大要因だと言われています。事業所は人間関係を「個人の問題」とせず、会社の問題ととらえて積極的に改善策を取っていくべきでしょう。
上司に相談しやすい環境を整えたり、従業員が作業しやすいように社内で情報の共有や研修を行ったりする必要があります。職場の中で、従業員がお互いに教え合ったり、助け合ったりする雰囲気作りをすることも大事です。助け合える環境は、従業員が心理的に安心できる材料となります。
社内で良好な人間関係が築けるよう、職場の全員で工夫することが大切です。
3.組織の改善
職場環境をよくするために、組織構造を改善するのも重要です。組織の構造を工夫するだけで、グッと働きやすくなることもあるのです。
たとえば、属人化した業務は見直すべきでしょう。「その人ではないとわからない」状態は、担当者が休職や退職するとまわらなくなるリスクがあり、組織にとって健全ではありません。複数の担当者を作る、誰でもわかるようにマニュアルを作る、教育の場を設けるなどの対策が必要です。
組織構造を見直すことで、働きやすい職場環境が整っていきます。
4.作業・業務の改善
作業効率を考え、業務の改善をすることも職場環境の改善になります。効率の悪い業務は長時間労働につながり、働きやすい職場とは言えなくなってしまうためです。
作業台や机、椅子などの質、パソコンや機器の整備など、効率よく業務が行えるよう環境を整えましょう。十分な作業スペースを確保し、作業中の姿勢が体に負担をかけないよう工夫するのもよいですね。
また、無駄な業務の見直しも必要です。「昔からやっている」「ルールだから」といって、本当はやる意味のない仕事をしていないかを見直してみましょう。作業効率を考え工夫することで、よりよい職場環境を整えられます。