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自分を表現すること、自分のことを話すことが苦手…
本当の自分を知ってもらいたいときや隠し事のない人間関係を望んだときには、自己開示が必要になります。自分を表現することは、ときに怖く苦しい行為です。否定されたらどうしよう、笑われたらどうしようと不安になり、自己開示のための一歩が踏みだせない人もいるのではないでしょうか。
しかし不安を克服して自己開示をすると、今まで以上に心地良い人間関係が構築できます。自己開示をすることで疎遠になる相手もいるかもしれませんが、より距離が縮まり強い絆で結ばれる可能性もあるのです。
今回は、自己開示が得意・苦手な人の特徴や自己開示をするためのコツをご紹介します。自己開示は人によっては多くのエネルギーを必要とするため、無理に行う必要はありません。自分に負荷をかけすぎない範囲から行い、少しずつ自分を表現することに慣れていきましょう。
自己開示の意味とは
「自己」とは「自分自身のこと」、「開示」とは「明らかに示すこと」です。つまり「自己開示」とは「自分自身の情報を、ありのままに相手に伝えること」を指します。
自己開示は自分の情報を「言語」を用いて伝えることが前提です。また自己開示をする際はありのままに話す必要があるため、開示における「意図」を挟んではいけません。つまり「相手に見られたい自分の姿」を伝えることや、都合の悪い部分を隠して伝えることは自己開示にはなりません。
また本人は「包みかくさず自己開示をした」と思っていても、自分自身への認識が間違っている可能性もあります。たとえば本当は臆病な人間なのに「自分は勇気がある人間だ」と心から思いこんでいる場合、本人は正直に自己開示をしたつもりでも事実とは異なる人物像を伝えたことになってしまいます。
さらに言葉を受けとる側の主観も絡んでくることから、自己開示をしたのにもかかわらず誤認が起こる可能性は捨てきれません。自己開示はあくまで「自分自身をありのままに言葉で伝える」という行為そのものを指します。
自己開示が苦手な人の特徴・原因
自己開示が苦手な人は、自分を表現することが苦手な人です。自己表現を避ける理由は、過去のトラウマや人間関係のトラブルなど人によってさまざまです。苦手な理由と向きあうことで、自己開示ができるようになるためのヒントが見つかるでしょう。
まずは、自己開示が苦手な人の特徴や原因を5つご紹介します。自分の短所や嫌いな部分と向きあうことになるかもしれませんが、無理のない範囲で自己理解を進めてみましょう。
1.自分に自信がない
自分に自信がない人は自己開示が苦手です。誰にでも「周りより劣っている部分」はあるものですが、自分に自信がある人はそれを個性として受けいれられます。
しかし、自分に自信がないとありのままを受けいれられず、ネガティブな思考に陥りがちです。そして、ネガティブな部分を人に見せるまいと自己開示を避け、本当の自分を隠す傾向にあります。相手に失望をされることを恐れていて、自分を存在価値の低い人間だと思いこんでいるため、自己開示をすると「つまらない人間」「暗い人間」だと思われる、と不安を感じているのです。
2.人のことを信用するのが苦手
自己開示が苦手な人は、他人を信用するのも苦手です。ありのままの自分を伝えたとしても「本当に信じてくれるのか、受けいれてくれるのか」と相手を疑ってしまいます。不信感を抱いている相手に自分をさらけだす行為は、誰でも不安を感じるものです。
自己開示は「信じている相手」もしくは「信じてほしい相手」に行うケースが多く、人を信じることが苦手な人は自己開示をする機会も減ります。まずは相手への警戒心を解き、信頼をする努力をしないことには自己開示は難しいでしょう。
3.人からの見られ方を気にしてしまう
「自分が人からどう見られているか」を気にしてしまいがちな人は、自己開示が苦手な傾向があります。周囲からのイメージを大切にしていて、本当の自分よりも「理想の自分の姿」を見てほしい・信じていてほしいと思っているタイプです。
自己開示では普段は隠している「本当の自分」を他人にさらけだす必要があります。人からの見られ方を気にしてしまう人は、自己開示をした結果「見られ方」が変わってしまうことを恐れる傾向にあるため、結果的に自身を隠したままでいたいと望むのです。
4.考えを言葉にすることが苦手
自己開示は、自分自身の情報を言葉を用いて相手に伝える必要があります。そのため、考えている人を言葉にして伝える行為が苦手な人は自己開示も苦手といえるでしょう。自己開示をする意思があったとしても、上手に実行ができません。
気持ちを言語化するための語彙力が少ない人もいますが、人との会話自体が苦手な人もいます。コミュニケーションを取ろうとすると緊張をしてしまい、上手く言葉が出てこないタイプです。考えを言葉にすることが苦手な人は、自己開示をしたいと思っていても、咄嗟に体裁のいい言葉を並べてしまったり、本音ではない言葉を言ってしまったりするのです。
5.他人と自分をすぐ比べてしまう
他人と自分をすぐ比べてしまう人は自己開示が苦手です。なぜなら、ありのままの自分をさらけだすほどに「他人よりも劣っている部分」を見つけてしまい、どんどん落ちこんでしまうから。自己開示をすればするほど、惨めな気持ちになってしまいます。
コンプレックスが強く、人を羨む機会が多いタイプです。自分なりに努力はしても「足りない」と思いやすく、優れている人や輝いている人を見て眩しさを感じています。劣等感が強いため「本当の自分を見られたくない」と感じ、自己開示を避けています。