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メンバー全員のスキルを上手に引きだしたい!
社会を動かしているのは、個人のマンパワーの集合体です。個人がチームになり、チームがより大きく強固なコミュニティになっていくことで、社会を動かす力になります。よりよい社会や会社にするためには、チームの中の「個人のポテンシャル」をどのように活かすかが重要だといえるでしょう。
個人の能力を最大限に活かすことは、画一的なマニュアル業務を与えるだけでは実現しません。各々の強みや経験を把握し、信頼関係を築くことで一人ひとりに合った働き方を提供できます。そのためのひとつの手段が「チームビルディング」です。
今回は、チームビルディングを行う目的や、チームメンバーのモチベーションを上げるための方法などをご紹介します。押しつけではない形でお互いにやる気を上げ、メンバーのスキルを上手に引きだしていきましょう。
チームビルディングの意味とは
時代とともに変化する企業のあり方。世の中に合わせる柔軟さを求められる中で、企業内の労働システムを効率化させる手段として「チームビルディング」が注目されています。チームビルディングとは、メンバー各自のスキルや能力、経験、得意分野を最大限発揮して、目標を達成できるチームを作る取り組みです。
チームビルディングの最終目的は、効率化ではなく「信頼関係のあるチームの生成」です。あくまで関係性の構築が目的ではありますが、絆が強固なチームを作る過程では生産性や効率の向上が重要な要素です。
チームを作りあげる上で「目標に向けてそれぞれのメンバーが自分のスキルを活かしていくこと」がポイントとなるのです。チームビルディングのためには、普段の業務上のコミュニケーションの他にチームを作るためのワークやプログラムが活用される場合もあります。
なぜ必要なのか?チームビルディングを行う目的
チームビルディングの目的は、主に以下の9つです。
- 新入社員へ主体性を与える……内定者や新卒社員へ、仕事の主体性を促す。また若手社員には社会人の基本を教える目的を持つ。
- 中堅社員の育成……現場とマネジメントの間に立つ中堅社員に「橋渡し役」としての機能を与える。
- 責任者や管理者への体制を作る……マネジメント部門同士の目線を合わせることで、目達達成への体制を構築する。
- 経営層にビジョンを与える……経営方針を考える経営層の社員にビジョンを共有させる。また、経営層以外への浸透にもつなげる。
- チームのパフォーマンスの向上……業務内容が可視化されたり、お互いの業務への理解が進んだりすることで、メンバー同士の絆が育まれる。
- メンバーの関係性の強化……メンバー内での信頼関係をより強固なものにすることで、仕事へのモチベーションや業務の効率が上がる。
- 適材適所の人材配置……メンバー同士の能力や価値観、考え方の違いなどを理解することで、チーム内での役割配分が適切なものになる。
- 新たな観念の形成……仕事に「楽しい」「やりがいがある」などの新しいマインドセットを与える。ポジティブなマインドセットを持つことで、結束力やモチベーションはさらに高まる。
- ビジョンの共有・浸透……立場や年齢、社歴にかかわらず「同じビジョン」を持つことができる。部署やチームを超えた会社全体での一体感を持つことも可能。
チームビルディングのプロセス
チームビルディングのプロセスは、主に以下の5つの段階を踏みます。
①形成期
形成期は、名前の通り「まだチームが形成されたばかりの時期」を指します。メンバー同士がお互いを理解できておらず、チーム全体での目標も曖昧です。「赤の他人ではない」というだけで、お互いの表面的な部分や名前などの情報しか持っておらず、距離を取りながら理解をしようと努めています。
②混乱期
メンバーがお互いのことを徐々に理解し、自分との違いを自覚する時期です。価値観の違いから対立が起こることもあり、チーム内でしばしば混乱が生じます。ディスカッションによって対立を乗りこえ違いをポジティブに受けいれることが求められます。
③統一期
お互いの違いを理解した上で、安定感のあるチームが形成される時期です。チーム全体の目標のために個人が適切な場所で能力を発揮するという構図が出来あがっています。
④機能期
チーム全体の団結力が最も高く、メンバー同士でのフォローが自然発生的に行われている時期です。メンバーのパフォーマンスやモチベーションの維持のためには、リーダーの役割を持つ人が個人へのケアを行う必要があります。
⑤散会期
「散会」とは人々が別れて去ること。つまり散会期は、今までのチームによる活動が終わる時期です。メンバー同士が離れることに寂しさを抱いていたり、お互いを褒めあう・評価しあう光景があったりする場合は、チームビルディングの成功を表しています。