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上司にセクハラされているかも…?
社会にはさまざまなハラスメントが横行しています。多くのハラスメントの中でも特に精神的に疲れるものの一つが「セクハラ(セクシャルハラスメント)」です。特に上司や先輩など上の立場からのセクハラには、大きな声で抵抗できずに苦しい思いをしている人も多いのではないでしょうか。
セクハラはれっきとした「嫌がらせ」です。被害者が不快だと感じたらセクハラが成りたちます。しかし「これはセクハラだ」と主張してもはぐらかされてしまったり、場合によっては大げさだと罵られてしまったりすることもあるでしょう。
今回は、セクハラの事例や対処法、今後の防止策などをご紹介します。セクハラに一人で悩む必要はありません。対処法を学びながら、あなたの尊厳と心を守るための行動を選択していきましょう。
職場でのセクハラは、なぜ起きるのか?
セクハラが起こる原因は、以下の3つだと考えられています。
1.性に対する認識のズレ
男性と女性ではもちろん、性に対する認識は個人レベルで異なります。性的なジョークを楽しめる人と不快に思う人が混在しているコミュニティは、加害者側に悪意がなくても性への認識のズレが生じやすく、セクハラを誘発しがちです。
2.固定的な性差意識の押しつけ
たとえば「お茶くみやコピーは女性がやるべき」「男性は頼りがいがあるべきだ」などのように、性へのイメージを押しつけている場合にはセクハラが発生しやすくなります。一方的な「性別ごとの役割」を強制することにより、不快感を覚える人が生まれます。
3.権力や立場に対する認識不足
権力がある人が「自分のお願いは相手にとって断りづらいだろう」という認識を持てていない環境では、ハラスメントが発生しやすいでしょう。ボディタッチや性的イメージの押しつけなどで相手が不快感を抱えていたとしても「嫌だといわれないから許されている」と思い込んでしまうのです。
セクシャルハラスメント(セクハラ)の定義
セクハラは、職場において行われることが定義とされています。労働者への「性的な言動」により、労働条件に不利益を受けたり、労働環境が害されたりすることです。またセクハラは「男女雇用機会均等法」という法律により、事業者に対策が義務付けられています。
セクハラは大きく分けて2種類存在します。一つ目の「対価型セクシャルハラスメント」は、セクハラを拒否したことで解雇や降格、減給などの不利益を受けることです。二つ目の「環境型セクシャルハラスメント」は、セクハラにより職場環境が不快だと感じ、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じることです。
またセクハラは「性的嫌がらせ」という意味ですが「何をもってセクハラと定義するのか」は「セクハラが起こった場での損害により判断されるもの」になります。つまり、被害者がセクハラだと受けとって会社側に訴えることにより、ハラスメントだと認識されるのです。
参考:厚生労働省「職場のセクシャルハラスメントとは」
参考:労働問題弁護士ナビ「セクハラの定義とは|ボーダーラインと対処法」
セクハラ6つの事例
セクハラと認定される明確なボーダーラインは「被害者が不快に思うか」であるため、さまざまな事例があります。加害者に明確な悪意があるケースもあれば、性への認知機のすれ違いが生んだセクハラも。
ここでは、過去に起きたセクハラの事例を6つご紹介します。特に「自分が受けている被害はセクハラと呼んでいいのだろうか」と悩んでいる人は、セクハラには多くの種類があることを知って自分を守るきっかけにしましょう
1.付きあうことを強要され、断ったら嫌がらせが始まった
ある日、Aさんが先輩のYさんに告白をされました。AさんはYさんに恋愛感情を持っていなかったため断りましたが、Yさんはプライドを傷つけられたことに怒りを覚え、次の日から職場内で嫌がらせを受けるように。
「Aは誰とでも付きあう」「大人しそうに見えて遊んでいる」など事実とは異なる噂を流され、精神的に追いつめられました。また非通知の電話も毎晩のようにかかってくるようになり、Yと顔を合わせたくないと思うようになりました。
2.結婚や恋人について嫌味をいわれる
Oさんは30歳で、7年付きあっている恋人と同棲をしています。恋人の話題を上司にした際に「まだ結婚しないの?俺が若い頃は30歳で独身の女なんて陰口をいわれていたよ。このままだと行きおくれちゃうよ?」と嫌味をいわれてしまいました。
さらに「7年間も付きあっていて一緒に住んでもいるのに、結婚してあげないなんて甲斐性がない彼氏だね」と恋人の嫌味もいわれてショックを受けました。古い価値観の相手に、言いかえすのもばからしい気持ちになってしまいます。
3.身体や髪の毛を触られる
Tさんは、出勤をする度に男性上司に身体を触られることに悩んでいました。胸やお尻を触られればすぐにセクハラ認定できたのですが、仕事を頼まれたときにポンと肩や腰に触れる程度のため「自分が我慢すればいいのかな」と悩んでいました。
しかしある日「Tさんは髪の毛がきれいだね」と突然髪を触られる事件が。明らかに男性社員にはしない仕草にTさんはセクハラを確信しました。今までのボディタッチも突然気持ちが悪いものに感じて、職場に行くのに強いストレスを感じるようになってしまいました。