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コロナ禍で発生するハラスメント…
コロナ禍の影響によりリモートワークが一般化され、メリットを感じている人は多いでしょう。リモートワークでは満員電車に乗って出勤する必要もありませんし、感染リスクも防止できます。何より「プライベートな空間で仕事ができる」のは大きな魅力です。
しかし「プライベート空間と仕事の空間が一緒になっていること」は、デメリットとしても働きます。リモートワークによって生じた問題の一つが「リモハラ(リモートハラスメント)」です。リモハラは、リモートワークが広まった現代ならではの「ハラスメント問題」なのです。
今回は、リモハラの意味や事例、対処法などをご紹介します。リモハラの被害を一人で抱え込む必要はありません。適切な対処法を知り、自分の心と尊厳を守っていきましょう。
リモハラ(リモートハラスメント)とは
リモハラ(リモートハラスメント)とは、「通常の就業場所を離れた『遠隔地』で働く従業員へ行われる『オンライン上』のハラスメント」を指します。コロナ禍により在宅勤務やテレワークなどを取り入れる企業が増えるにつれて、増加傾向にあるハラスメントです。
ハラスメントの種類はモラハラやパワハラ、セクハラなどさまざまですが、リモハラはあらゆるハラスメントを「インターネット上でオンラインで行うこと」が定義となっています。つまり、オンラインを介したハラスメンとはすべて「リモハラ」だといえます。
リモハラのきっかけとなったのは、令和2年から流行し始めた新型コロナウイルスです。感染拡大予防対策の観点から「出社をせずに家にいたまま仕事をする」という新しいビジネススタイルが広がりました。
テレワークには、メリットだけではなくさまざまなデメリットもあります。運動不足やプライベートとのメリハリなど、テレワークが広まるにつれて生じたトラブルの一つがリモハラなのです。
テレワークで見られるリモハラの事例
テレワークでは、上司も部下も今までとは違う働き方を要求されるため、ハラスメントの形も変わるものです。「今自分が受けたのはリモハラ?それとも考えすぎ?」と悩んでしまうこともあるでしょう。
ここでは、テレワークで見られるリモハラの事例を4つご紹介します。リモハラはれっきとした「嫌がらせ」であり、被害者が不快な気持ちになれば成立するものです。悩みを一人で抱え込まずに、まずは現状の問題を整理しましょう。
1.オンラインの画面越しで常に監視される
リモハラでは、オンラインの画面越しに常に監視されて居心地の悪さを感じることがあります。オンライン会議以外でも常にウェブカメラを点けるように求められたり、マイクをミュートにするのを禁止されたりします。
実際の職場でも、勤務時間の間ずっと姿を見られていることはなかなかありません。しかしリモートワークだとカメラさえ点けていれば手軽に監視が可能であるため、必要量を超えた「勤務姿の監視体制」が敷かれてしまいがちです。
2.オンライン会議中にプライベート空間を見て性的発言をされる
オンライン会議ではカメラを点けることが多く、プライベートな空間が露呈してしまいます。ある程度は片づけることはできても、家具やカーテンなど一部は「生活空間のまま」で映すことになるでしょう。
画面に映ったプライベートな空間を見てセクハラ発言をされることも、リモハラの一つです。たとえば「クローゼットがピンクでかわいい」「女性らしい部屋ですね」などの発言もリモハラになる可能性があります。
3.少し席を外しただけでサボっていたと怒られる
リモートワークでは、ある程度は好きなタイミングで席を外すことができるのが魅力です。リモートであること以外は通常の勤務時間と同じであるため、無許可で休憩をすることは当然できませんが、トイレに行ったりタンブラーに飲み物を入れたりする程度であれば比較的自由が利きます。
しかしリモハラでは、トイレのような「少し席を外した程度」でも「サボっていただろう」と指摘され、怒られる場合があります。上司側も慣れないリモートワークで神経が過敏になっているのかもしれませんが、過剰なまでに行動を制限されていては心が休まりません。
4.子供の声などに対して嫌味をいわれる
リモートワークに移行することにより、小さな子供がいる家庭でもオンラインにつないで仕事をする人が増えました。子供は大人と比べて感情のコントロールができないため、親が事前に注意をしていても大きな声を出してしまうことがあるでしょう。
リモハラでは、子供の声に対していちいち目くじらを立てられて嫌味をいわれることがあります。職場環境に子供がいること自体をよく思っていない人もいるため、必要以上に気を配る必要が出てしまいます。中には、赤ん坊の泣き声に嫌味をいう人も。