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どんなに健康に配慮して生きていても、突然の発病や事故など人生は何が起こるかわかりません。事前の準備もなく高額な医療費が発生してしまうと、経済面だけではなく精神面でも打撃を受けてしまいますよね。
今回は、月々の高額な医療費の負担を減らせる公的制度「高額療養費制度」についてご紹介します。入院や手術、大がかりな検査などで高額な医療費が発生した際には、ぜひ利用したい制度です。制度を有効活用し、金銭的負担を減らしましょう。
【認知度結果】約8割が「高額療養費制度」を知っていた!

株式会社Mentally 「日本のメンタルヘルス支援制度」認知度調査 2022年5月
176名の男女を対象に自立支援医療に関するアンケートを行ったところ、「高額療養費制度を知っている」「実際に利用したことがある」と回答した人は全体の54%でした。
「名前だけ聞いたことがある」と答えた人は27.8%、「まったく知らない」と答えた人は18.2%という結果に。
高額療養費制度とは
高額療養費制度とは公的医療保険における制度のひとつで、ひと月の間に医療費が一定額を超えた場合に、超過分が返金される制度です。
利用できる対象は、公的医療保険が適用される医療費に限定されます。つまり、保険適用後に支払った自己負担額が高額療養費制度の対象です。自由診療分については対象になりません。
高額療養費制度の対象となる「ひと月」の区分は、月の初めから終わりまで。合算額が一定額を超えた際、ひと月ごとに高額療養費として支給され、月が変わると費用の計算がリセットされます。
また入院や手術など事前に高額な医療費がかかることがわかっている場合は、公的医療保険から事前に「所得区分」の認定証(限度額適用認定証)を発行してもらうことにより、医療機関に高額療養費分の請求を代行してもうことも可能です。そのため、最初から医療機関での窓口での支払いを負担の上限額にとどめることができます。
高額療養費制度の利用対象者
高額療養費制度の対象者は、以下の表の自己負担上限額(ひと月分)を超過した人です。年齢や所得によって自己負担額の上限は変動します。所得がわからない場合でも、区役所にて限度額適用認定申請書を提出すれば過去のデータに基づいて自動で算出してもらえるため、安心してくださいね。
69歳以下の場合
70歳以上の場合
70歳以上の人は、外来のみの上限額も設けられています。
また1回分の窓口負担で上限額を超えない場合でも、複数受診・同世帯者の受診について、窓口でそれぞれ支払った自己負担額をひと月単位で合算することが可能です。
さらに過去12ヵ月以内に3回以上の上限額に達した際は、4回目からは「多数回」という扱いになり、上限額が下がります。以下に、多数回に該当した際の上限額の変動を記載します。
本業とは別に副業で収入を得ている人の場合
本業で協会けんぽ・健康保険組合に加入しつつ副業での収入がある場合も、本業の会社からもらっている給与のみが判断基準となり自己負担限度額が決定します。
なぜなら高額療養費における自己負担限度額は、加入している協会けんぽ・健康保険組合が知ることのできる給与のみが判断基準であり、その金額次第で標準報酬月額が決定するからです。副業により得た収入は、標準報酬月額に影響を及ぼしません。