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なぜか急に不安感に襲われる…不安感から解放されたい…
特に原因がわからないのに、突然強烈な不安感に襲われる……。そんな経験をしたことがある人はいませんか?一度や二度の不安であれば、心配はいらないかもしれません。しかし何度も強い不安を感じるときには、何らかの疾患を患っている可能性があります。
今回は、急な不安感を抱いたときに考えられる病気や疾患、不安への対処法などをご紹介します。不安をそのままにせず原因を知り、より安心して毎日を過ごしましょう。
不安や恐怖自体は自分を守るために必要な感覚
不安や恐怖は失敗を招く要因となり、基本的には克服するべきものとして認識されます。しかし、不安自体は自分を守るために必要な感覚です。
たとえば災害や事故の不安を払拭するために、避難用品を準備したり安全運転を心がけたりするでしょう。不安を感じるからこそ乗り越えるための具体的な方法を考え、自分を守れます。
しかし、日常生活に支障を来すほどの大きな不安が、理由もわからず漠然と存在している場合は何らかの対処が必要です。感じている不安が自分にとって必要か不必要かを見極め、ベストな対応を取れるように行動しましょう。
急に不安感に襲われるのはなぜ?考えられる病気・精神疾患
ここでは、急な不安感に襲われたときに考えられる病気・精神疾患をご紹介します。病気や疾患と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、理由がわからずに不安に悩まされるよりも、原因を知ることで心が楽になるほうがいいでしょう。自分自身の体や心の変化と照らし合わせながら読んでみてくださいね。
1.パニック障害
パニック障害は、理由もなく突然動悸や目まい、発汗、手足の震えなどのパニック発作が起こることで、生活に支障が出ている状態です。本人は「このまま死んでしまうのではないか」と思うほどの苦しみで強い不安を感じますが、病院で検査をしてもらっても何の異常もなく困惑することがあります。
特に人が多い場所や密室空間で症状が現れやすく、パニックが起こりやすい場所を避けて生活することも。パニック障害で命を落とすことはありませんが、「次はいつパニックが起きてしまうだろう」と予期不安に駆られ、ちょっとした外出にも恐怖心を抱いてしまう傾向にあります。
2.更年期障害
更年期障害は40歳以上の男女に見られます。性ホルモンの分泌量が低下することにより起こる症候群で、自律神経失調症とよく似た症状が特徴です。女性に多いイメージが強いかもしれませんが、男性でも更年期障害を発症します。
顔の火照りや動悸、息切れ、発汗、目まい、頭痛などの症状が代表的です。体だけではなく、精神的にもイライラや不安感などの症状が現れます。人によっては気分の落ち込みといったうつ状態の症状が現れることもあり、塞ぎこんでしまうことも。
女性の症状が重い傾向にある理由は、男性に比べて性ホルモンの分泌量変化が激しいためです。自分の体が思い通りに動かないことにストレスがたまり、心の状態がどんどん悪化してしまうケースも珍しくありません。
参考:厚生労働省「更年期障害」
3.心気症
心気症は、検査しても体に異常が見当たらないのにもかかわらず、自分が何か重大な病気にかかっているのではないかと思い込み不安に襲われる精神疾患です。
病院で検査を受けて異常がないことがわかっても不安は続き、ストレスや恐怖心を抱き続けます。慢性的な不安から、対人関係にさまざまな支障を来たすこともあります。
4.社交不安障害
社交不安障害は、人から注目を浴びることで「失敗をしてしまうのではないか」「恥ずかしい思いをしてしまうのではないか」と必要以上に緊張し、強い不安を感じる神経症です。失敗を恐れることで日常生活に支障を来してしまう場合もあります。
社交不安障害は「性格の問題」と軽視されることも多く、治療を受けないまま放置されてしまいがちです。しかし治療を怠ると、面接などの重要なシーンで強いストレスを感じることも。周囲から「もっとしっかりしてほしい」「気持ちの問題なんだからがんばって」と誤解をされてしまう可能性もあります。
参考:医療法人東横会 心療内科 精神科 たわらクリニック「社交不安障害(SAD)」
5.強迫性障害
強迫性障害は神経症のひとつで、特定の習慣や確認などを何度も繰り返してしまうことで生活に支障が出る病気です。本人は「もう確認する癖をやめたい」と思ってもどうしても気になってしまい、確認をしないと強い不安感に駆られます。
世界保健機関では「生活上の機能障害を引き起こす10大疾患のひとつ」として挙げられており、性格では片付けられない重篤な症状です。周囲を巻き込んでしまうリスクもあり、確認作業に家族を付き合わせたり人間関係に亀裂が入ったりすることもあるでしょう。
参考:厚生労働省「強迫性障害」