目次
マインドフルネスで、ストレスや不安からの解放を。
マインドフルネスという言葉を知っていますか。
マインドフルネスとは、今この瞬間に集中するということです。人間は過去にあった嫌なことを思い出したり、未漠然と未来が不安になったりします。余計にストレスや不安を抱えてしまうことも少なくないでしょう。
心ここに在らずな状態が長く続くと、今この瞬間に集中できなくなってしまい、メンタルの悪化や生産性の低下を招いてしまいます。
しかし、どうすればマインドフルネス状態になれるのかわからないですよね。今この瞬間に集中したくても、別のことを考えてしまったり、SNSやニュースによって自分に関係ないことでも、つらい思いをしてしまったりすることもあるでしょう。
参考:2016年講談社 スティーヴン・マーフィ重松『スタンフォード大学 マインドフルネス教室 』
瞑想(マインドフルネス)とは?
では、実際にマインドフルネスの状態になるには、どのような方法を取り入れるとよいのでしょうか。ここでは、マインドフルネス瞑想をおすすめします。マインドフルネスと瞑想が全く同じではないものの、瞑想と聞けばイメージしやすくなりますよね。
瞑想とは、仏教から発祥した儀式だと広く知られています。本来は、座禅を組んで集中力を高め、無意識を鍛える修行として行われるものです。
最近では心理学者の間で専門的な研究が進められています。マインドフルネス研究の中で、ストレス解消の効果が高いものとして評価されているのです。臨床心理学では、自分の思考や感情に注目したり、呼吸の音や五感に集中したりとさまざまな瞑想のスタイルが確立されています。
参考:マインドフルネスとは?意味やマインドフルネス瞑想のやり方と効果、メリットについて説明します
心や生活にどんな影響があるの?【瞑想の効果】
瞑想は僧侶が修行のために実践しているもの、自己啓発やスピリチュアルで取り入れられるものだとイメージする人も少なくありません。しかし、決して迷信ではなく、科学的に心や体に変化をもたらす行為として実証されているのです。臨床心理学の研究でも証明されており、瞑想は専門家にも支持されています。
瞑想をするとメンタルが安定し、集中力が増します。なぜなら、瞑想によって脳の使い方が変わるからです。
私たちの脳は、何も考えていない時でも脳が活性化しているのです。心理学では、デフォルトモードネットワーク(DMN)と呼びます。DMNが活性化しすぎると、不眠症の原因となると言われています。瞑想は、DMNを抑制し副交感神経優位に変え、リラックスすることで眠りやすくなるのです。
参考:医学博士が語る「瞑想」の驚くべき効果。オススメのやり方や時間についても教えてもらった
1.プラス思考になれる
ストレスが多い毎日では、ネガティブ思考になってしまうこともあります。しかし、瞑想をすればプラス思考になれるのです。なぜ、ネガティブ思考からプラス思考になれるのでしょうか。
私たちがネガティブになる時は、前頭葉の働きが鈍り、扁桃体が過剰に反応しています。扁桃体は、不安や恐怖といったネガティブな思考を司ります。しかし、瞑想によって前頭葉が活性化し、過剰に反応した扁桃体を抑制することで、プラス思考に切り替わりやすくなるのです。
参考:困難な状況からの回復や成長に対するアプローチ ― レジリエンス,心的外傷後成長,マインドフルネスに着目して―
2.集中力が上がり、生産性が上がる
瞑想は、集中力や生産性が上げることも実証されています。たとえば僧侶が瞑想を行うのも雑念を払い、高い集中力を手に入れるためです。日頃からマインドフルネスを実践することで、今までの自分より集中力も生産性も高くなれるのを実感できます。
仕事中にスマホやパソコンでウェブサイト、SNSを頻繁に見ると集中力が削がれてしまいます。注意散漫な状態では、一つのことに集中できなくなるのです。
しかし、瞑想をすれば自分の感覚や思考に敏感になり、たとえ注意散漫になってもすぐに気づけるので、マインドフルネス状態に戻れるのです。
参考:2016年英治出版 チャディー・メン・タン『サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』
3.自分の感情をコントロールできるようになる
瞑想をすれば、感情をコントロールできるようになります。前頭葉の活性化によってプラス思考になれば、ポジティブになれるでしょう。さらに、前頭葉は感情をコントロールできるので、怒りや悲しみに振り回されなくなります。
なぜなら、自分の意識や思考に集中していると、いま自分がどんな感情になっているのかを認識できるからです。感情にとらわれている時は、怒りでイライラした態度をとってしまったり、悲しみで不安な表情をしたりしてしまいます。自分の感情を客観的に意識できると、行動を変えたり抑制したりできるのです。
参考:2020年 PHP出版 メンタリストDaiGo『自分を操り、不安をなくす究極のマインドフルネス』
4.不眠解消につながることも…
瞑想は不眠も解消できます。眠れない時を思い出してみてください。長時間考え事をしてしまっていることはありませんか。それによって目が冴えてしまった経験もあるでしょう。考え事をしている時は、DMNによって脳が活性化してしまい、交感神経が優位になってしまいます。脳も体も緊張してしまうとぐっすり眠れないですよね。
瞑想によってマインドフルネス状態になれると、無意識に考えてしまう余計な思考を止められます。副交感神経が優位になりリラックスできると、脳を休息させるため、自然と眠くなるのです。緊張状態がほぐれれば、深い睡眠につけるでしょう。
5.ストレス解消・リラックス効果
瞑想は、ストレス解消やリラックス効果もあると注目されています。リラックスしている時には、副交感神経が優位です。しかし、疲れすぎていたり、就寝前にブルーライトを浴びたりすると交感神経が働いてしまい、体が興奮状態になってしまいます。
瞑想をすれば自律神経を整え、副交感神経を正常に働かせることができます。実際に、心療内科や精神科でも呼吸瞑想は取り入れられており、うつ病改善やPTSDに効果があるのです。たった数十秒の瞑想でもリラックスした実感が得られるので、ぜひ試してみてください。
参考:イライラを抑える! 「幸せ」を感じる力を鍛えよう。医学から見たマインドフルネス【メンタル余裕への道】