目次
虚栄心が高くてつらい…見栄を張りたくない…
「自分を大きく見せたい」「相手に見栄を張りたい」と思うのは、自然な感情です。つい負けず嫌いを発揮してしまったり、事実を少し大げさに話してしまったりすることは誰にでもあるでしょう。
しかし、見栄を張りたい気持ちが大きくなりすぎた結果、虚偽の内容を話したり周囲を傷つけてしまったりする場合は問題です。ありのままの自分で生きることに抵抗感を抱く人は、大きなコンプレックスや精神的な不安定さを抱えている可能性があります。
今回は、見栄を張りたい気持ちである虚栄心が強い人の特徴や虚栄心を抑える方法をご紹介します。今の自分に不満を抱いている場合、等身大の自分を認めるのは勇気が必要です。不満の理由と向き合いながら、一歩ずつ自己改善をしていきましょう。
虚栄心の意味とは?
虚栄心とは、うわべだけを飾ろうとする心を指します。「人からよく見られたい」「すごい・偉いと思われたい」という気持ちは誰にでもある感情ですが、虚栄心が強い人は見栄を張るために事実とは違う自分を周囲にアピールします。
実物以上に良く見せようとするために体裁をつくろい、他人の目を強く意識して生活をするため、なかなか心が休まりません。虚栄心が強い人は本当の自分を見せることを恐れており、根本的に自分に自信がない人がほとんどです。
虚勢を張っていることを知られるのは恥ずかしいと感じ、つくろっていることがバレないように必死に自分のイメージを守ります。外見だけ威勢がよく空威張りする人も珍しくありません。
類似する言葉に自己顕示欲がありますが、こちらは自分が達成したことや所持している財産(容姿や人間関係、地位などを含む)を見てほしい、褒めてほしいという気持ちの表れです。虚栄心が強い人のように、目立つために自分を偽ることはありません。
参考:コトバンク「虚栄心」
虚栄心が高い人の特徴・心理
ここでは、虚栄心が高い人の特徴や心理を3つご紹介します。虚栄心は、人の目を意識することによって生まれる感情です。自分一人では自己価値を認識できないタイプの人が多く、虚栄心の背景には根深いコンプレックスが隠れていることもあるでしょう。
1.自分に自信がない
虚栄心が高い人は自分に自信を持てない傾向にあります。本当の自分を相手に見せることで、見下されたり馬鹿にされたりすることを恐れています。自己肯定感が低いことで、実際に起こっていない出来事を想像して気に病んでしまうのです。
自分を大きく見せることで「これで相手から見下されずに済む」と安心したがっており、社会的にもステータスを求めます。自分の価値を自分で決められないがゆえに、役職や年収のようなアピールしやすい称号を手に入れたいと思っています。
2.自分と他人を比較しがち
虚栄心の高さに苦しんでいる人は、自分と他人を比較しがちです。物事を勝ち負けで判断する習性があり、「あの人のほうが私よりも若いけれど、容姿は私のほうが優れている」や「あの人は私よりもいい企業に入っているけれど、私のほうが収入が高い」のように、さまざまな要素を他人と比べては一喜一憂します。
少しでも相手より劣っている部分を感じると焦り、持ってもいない資産の話をしたり、覚えたばかりの知識を当たり前のように披露したりして体裁をつくろいます。常に相手より立場が上でありたいと思うため、気が休まりません。
3.嫌われたり見捨てられたりするのが怖い
虚栄心が高い人は物事を悲観的に見る傾向にあり、周囲から嫌われたり見捨てられたりするのを恐れています。自分を大きく見せるのは「自分は価値のある人間だから興味を持って、必要としてほしい」という切なる気持ちの表れでもあるのです。
本当はありのままの自分で認められて受け入れられたいのにもかかわらず、素の姿を出して人が離れてしまうことを恐れ、自らを着飾って価値をアピールします。感心されたり一目置かれたりすることで、自分の周りの人をつなぎ止めようとしています。
虚栄心が強いことは自分の強みになることも
虚栄心の強さは、自らの首を絞める結果になることが多いものです。しかし問題となるのは「本当の自分を隠すために嘘をついてしまう」「他人を悪く言って下げてしまう」ことであり、虚栄心の強さ自体は問題ではありません。
誰でも生きていれば見栄を張ってしまった思い出が一つや二つはあるものです。虚栄心が強い人はそれだけ理想の自分へのビジョンが強く、行動をするためのモチベーションにもなるでしょう。
そもそも、すべての性格は一長一短です。例えば温和な人はときに八方美人と言われ、エネルギッシュな人は陰で自己顕示欲が高いと言われることもあります。虚栄心が強い性格にも長所はあり、自分で自分の性質に気付いて長所を伸ばすことが大切なのです。