臨床心理士が勧める、ストレス解消法!精神的ストレスを和らげるには?

ウェルビーイング

この記事を監修してくれたのは…

ストレスが溜まって、毎日イライラする…

ストレスが溜まって、毎日イライラする……。誰しも一度はこんな経験があるのではないでしょうか?一時的なもので済めば良いですが、長引く場合は注意が必要でしょう。

イライラが長引くと、交感神経が優位となり、自律神経失調症やうつ病を引き起こしやすくなります。そうなる前に、早めに対処することが望ましいです。

また、イライラは心のバロメーターでもあります。もし今、あなたがイライラしているなら、体と心が「こちらに目を向けてほしい」サインと捉えましょう。

本記事では、ストレスの解消法を紹介します。大切なのは、精神的ストレスの原因に気づくこと、ストレスの内容に合った対処をすることです。

まずは、精神的ストレスの原因を理解しよう

精神的ストレスの原因のことを、ストレッサーといいます。解消するには、まずはストレッサーに気づく必要があります。気づくことで初めて、私たちは対処できるようになるのです。

交通事故にあったとか、仕事をクビになったとか、そこまで大きなことでなくても構いません。職場の上司に小言を言われたとか、明日提出のレポート課題があるといったことでもまずは紙に書き出してみてください。

ストレス心理学では、この中ぐらいのストレッサーからさらに小さなものまで気づけるようになることが大切と言われています。可能であれば、ストレッサーにより起こった感情や、その時の体の反応まで記録できると、なお良いでしょう。

精神的ストレスを解消するには?

ストレスへの対処法のことを、コーピングといいます。コーピングには「問題焦点型コーピング」と「情緒焦点型コーピング」があります。

問題焦点型は、問題解決を目的として行うコーピングです。ストレッサーが対人関係であれば修復を試みたり、ストレスに反応に対する自分の評価を変えたりします。

情緒焦点型は、ストレッサーにより生じたストレス反応に対して、気持ちを落ち着かせる行動をとることで癒します。問題が根深くなければ、情緒焦点型コーピングだけでストレスを和らげられます。

問題の根本が解決されず、精神的ストレスがなくならない場合は、問題焦点型コーピングを行います。人に相談する、状況の見方を変えるなどで問題を直接解決できるように働きかけることが望ましいです。

精神的ストレスを和らげる方法

精神的ストレスを和らげるには「レジリエンス」を高めることが重要であると言われています。レジリエンスは、精神的ストレスを受けたとき心身に負荷がかかっても、回復できる力や柔軟性を指す言葉です。

自分に合ったコーピングを複数持っておけば、精神的な回復力であるレジリエンスを高められます。

何かストレスフルな出来事が起こった時に、心が折れてうつ状態になってしまうのではなく、ストレスを跳ね返し、立ち直り、その経験を糧に成長できる力をつけることが望ましいでしょう。

精神的ストレスを和らげる方法を、全部で9つまとめました。

1.十分な休息をとる

日中、ストレッサーにより刺激を受けると、脳がストレスに対処するため指令を出し、コルチゾールとアドレナリンというホルモンが分泌されます。体が臨戦体制に入り、覚醒状態となります。

夜に眠ろうとしてもなかなか寝つけないのは、体が覚醒状態のまま切り替えられていないからです。活動と休息の切り替えをするためには、下記のストレッチや深呼吸が有効です。まずは体と心を休息させることを目指しましょう。

2.ストレッチをする

夜眠る前にストレッチをすると、体の緊張がほぐれて副交感神経を優位にすることができ、良い眠りにつながります。特に、首や背骨にはたくさんの神経が通っているので、曲げたり伸ばしたりしてほぐしてあげると効果的です。

立ち仕事で脚に血がたまっている場合は、ベッドで手足を持ち上げブラブラと揺さぶると血の巡りが良くなります。手足の冷えが取れると、むくみが取れてスッキリとするでしょう。

目が疲れている時は、頭頂をマットの上で優しくほぐすとスッキリします。

3.深呼吸をする

深呼吸をすると、副交感神経が優位になります。特に、腹式呼吸・胸式呼吸・完全呼吸はストレス解消効果が絶大です。

腹式呼吸ではお腹を膨らませることを、胸式呼吸では胸を膨らませることを、完全呼吸では胸とお腹どちらにも空気を送ることを意識してみましょう。おへそや胸に手を当ててみると、呼吸の流れを意識できます。

息が苦しくならない範囲で、ゆったりと呼吸するのがポイントです。

4マインドフルネスを意識する

マインドフルネスとは「今・ここ」の体験に気づきを向け、それらを判断したり評価したりせず、そのまま眺めたり受け止めたりすることを指します。

心理学・脳科学では、不安やイライラの軽減、免疫システムの向上、仕事上の創造性の向上などの効果が見られるといわれています。

呼吸法やストレッチ、掃除や断捨離、趣味への打ち込みなども、全て「今・ここ」に集中できるコーピングなのでマインドフルネスの手助けとなります。

参考:一般財団法人 京浜保健衛生協会「マインドフルネス瞑想」

5.掃除・断捨離をする

掃除は部屋を綺麗にできます。見た目がスッキリすれば達成感も得られます。無心になれるし、運動にもなるので良いこと尽くめです。イライラしている時は拭き掃除のようなゴシゴシ磨きを、不安がある時は整理整頓が効果的です。

断捨離を行うと、何を大切にするか自分の価値観を見直せます。また「捨てる」という行為はストレス発散の効果も得られるでしょう。「1年以上使わなかったものは手放す」とルールを決めておくと物の整理がしやすくなります。

 

あーちゃん

あーちゃん

1992年生まれ。臨床心理士(公認心理師) 指定大学院を卒業し資格を取得後、街のクリニックで非常勤心理士としてカウンセリングや心理検査の業務に従事する。小学校や高校のスクールカウンセラーとしても活動中

関連記事

特集記事

TOP