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大人になるとは?20歳から何ができるの?
「大人になるってどういうこと?」
この質問に、はっきりと即答できる人は多くないのではないでしょうか。子どもと大人の定義は法律で定められていますが、精神的に大人になることの意味は抽象的です。
しかし「大人になったら許されること」を眺めてみると、子どもの頃にはとくに意識する必要がなかった「責任感」が色濃く反映されています。大人になるとは、自分の行動や発言、選択に責任を持つことでもあるのです。
今回は、法律上の大人になることでできることや、精神的に大人になるための方法などをご紹介します。どんな人生を歩んでいても、時間が経過すればだれでも法律上の大人にはなれます。しかし年齢を重ねるだけでは培えない責任感を養ってこそ、本当の意味での大人になれるのです。
そもそも「大人」の定義って何?
精神的な子どもと大人の境界線は、非常に曖昧なものです。ある日突然精神が成熟するわけではなく、さまざまな経験を通してグラデーションを描くように大人の精神を身に付けていきます。定義があるものではないため、自分でも「私は大人の精神を持っている」と正しく判断することはできません。
しかし法律上の大人、つまり「成人」には定義があります。もともと日本では明治9年から成人年齢が20歳と定められていましたが、近年は若者の社会参加を促すため、憲法改正国民投票投票権年齢や公職選挙法の選挙権年齢などが18歳まで引き下げられました。
これらの政策を踏まえた上で、民法においても「18歳以上を大人として取り扱うのが適当である」と判断され、令和4年4月1日に民法改正。成人年齢が20歳から18歳に変わりました。
「18歳で成人」は世界的にもスタンダードですが、少なくとも日本においては20歳と18歳で社会的な扱われ方は違うものです。一般的な社会参加としての権利は18歳で所持していますが、高い責任能力を大人として要求されるのは20歳以降であることが多い傾向にあります。
18歳からできる7つのこと
ここでは、18歳に到達した時点でできることを7つご紹介します。令和4年の民法改正以前から可能だったものもあれば、近年初めて年齢が引き下げられたものも。広がった権利にはメリットだけではなく、新しい注意点も伴います。
参考:政府広報オンライン「18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。」
1.親の同意なしに携帯電話や物件の契約ができる
18歳になると、親の同意なしに携帯電話や物件の契約ができます。今までどんなにアルバイトをしてお金をためても、親の許可がなければスマートフォンを買えなかった人には朗報でしょう。しかし、携帯電話を契約することで月々のお金の管理をする義務が生まれます。
今まで「アルバイト代は全部その月に使い切っていた」という人は、金銭に関わるライフスタイルが大きく変わります。物件も同様に、家賃という逃れられない支払い義務が生じるため、自分を律してコントロールする力が要求されるでしょう。
2.親の同意なしにローンが組める
親の同意なしにローンが組めるのも、18歳になってからです。ローンとは金融機関からお金を借りて、後から少しずつ支払う仕組みです。金銭的にも社会的にも責任感があり、計画的な返済が可能であることを条件に組むことができます。
収入が多い人や安定した職業に就いている人が多く借り入れやすいのは、年齢が引き下がっても変わりません。ただし年齢が引き下げられた分、精神年齢や責任感が未成熟のまま多額のローンを背負ってしまうリスクが増えます。
3.親の同意なしにクレジットカードを作れる
ローンは、銀行から先に借り入れて後から返す仕組み。クレジットは、商品を購入したときには金銭を支払わずに後から支払う仕組みです。とくに通販での買い物が身近な世代にとっては、親の同意なしでクレジットカードを作れるのは大きなメリットとなるでしょう。
ローンは家や車など金額の大きな買い物に利用され、クレジットカードは短期で返済可能な金額の買い物に利用されやすい傾向にあります。ローンと比べると気軽に利用できてしまうため、カード破産や借金をしないように自分を律する心が必要です。