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ストレスで破壊衝動に襲われる…イライラが爆発しそう…
私たちは日常的にストレスを感じながら生活しています。人間関係や収入・将来への不安・キャリア・育児……。ストレスの原因を挙げだしたらキリがありません。人間は明るさや温度の変化でもストレスを感じるため、ストレスを完全になくすことは不可能だといえるでしょう。
そして複数のストレスや悩み事が重なると、心がキャパオーバーになってしまうことも。限界までストレスをため込んでしまうと、何もかもを壊したくなる破壊衝動として現れる場合があります。自暴自棄になり、すべてに対して投げやりな気持ちになってしまうのです。
今回は破壊衝動を感じる原因や、イライラから解放されるための習慣をご紹介します。ストレスが原因で自分を傷つけたり周りに迷惑をかけたりする前に、フラストレーションを発散して冷静な心を取り戻しましょう。
破壊衝動の意味とは
「破壊」とは原型を保たないまでに打ち壊すことを指し、「衝動」とは何らかの行動をしようとする心の動きを指します。つまり「破壊衝動」とは、特定の目的を意識せずに「すべてを壊したい」と思う気持ちを表します。
破壊衝動は発作的に沸き起こる衝動であり、破壊行動そのものではありません。破壊衝動に突き動かされた結果、実際に破壊行動に及ぶかは本人次第です。破壊衝動を感じている時点でストレスを収めることができれば、実際に行動に起こす前に衝動自体を抑えられます。
しかし破壊衝動を感じたまま放置していると、激しい感情や衝動に心を支配されて実際の破壊行動に移してしまうことも。自分の中で抑えられなくなったストレスが外に出たとき、物だけではなく人との関係性も壊してしまいます。
破壊衝動に駆られる心理・原因
破壊衝動は、時に実際の暴力を伴います。「ストレスが原因で暴れ回る」と聞くと、まるで映画やドラマの中だけの話のように感じるかもしれません。しかし破壊衝動は私たちの実生活のすぐそばに潜んでいるものであり、きっかけさえあれば誰でも破壊衝動に心を支配される可能性があります。
ここでは、破壊衝動に駆られる心理や原因として挙げられるものをご紹介します。ストレスは冷静な判断力を失わせ、自分らしくない行動を引き起こすものです。破壊衝動の原因を知り、ネガティブな感情が生まれないように予防しましょう。
1.ストレスがたまって心に余裕がない
ストレスがたまって心に余裕がないと、破壊衝動に駆られる可能性が上がります。我慢するのが苦手な人はもちろん、忍耐強い人も破壊衝動に悩まされることがあります。知らず知らずのうちにストレスがたまって、気付いたときには簡単に発散できない状態になってしまうのです。
日々のストレスを少しずつ発散できていればいいのですが、今日のストレスを明日まで引きずり、明日のストレスを明後日まで引きずり……と繰り返している人は危険です。いつかのタイミングで心が限界を迎え、コップから水があふれるように破壊衝動に見舞われてしまいます。
2.プライドを傷つけられた
人は誰しもプライドを持っているものです。程よいプライドは自分に自信を持ち堂々と振る舞うために必要ですが、プライドが傷つくと精神的に落ち込み、ダメージを受けてしまうこともあります。
人によっては、プライドを傷つけられることで「生きる理由を否定された」と思ってしまうことも。毎日がんばる意味を見失ってしまい、すべてどうでもよくなった結果破壊衝動に走ってしまうケースがあるのです。
3.報われない出来事が続いている
人生は報われないことの連続です。努力が評価されないと「何のためにがんばっているんだろう」と虚しい気持ちになってしまいます。挫折のショックが乗り越えられるストレスの限度を超えてしまうと、破壊衝動につながります。
「こんなに努力しているのに報われないなら、もうがんばる意味なんてないじゃないか」と感じてしまい、人間関係やキャリアを棒に振るような行動を取ることも。努力すること自体にばかばかしさを感じ、ストレスの原因になる要素をすべてを捨ててしまいたいと思うのです。
4.すべてがどうでもいいと感じている
人生自体に投げやりになっている人は、すべてがどうでもいいと感じがちです。地位も財産もキャリアも「価値がない」と思ってしまうと、手放すことへの不安がなくなります。自分の中に生じた破壊衝動に抵抗する理由もなくなり、感情の赴くままに自分や周りを傷つけてしまうでしょう。
投げやりな生き方をしている人の中には、自分に自信がない人も多い傾向にあります。自分の人間性や生き方に肯定的になれないからこそ、自己価値を疑うのです。「守りたい自分」がない状態では、現状を守るための行動が取れないでしょう。
5.強いショックを受ける出来事を経験した
強いショックを受ける出来事を経験すると、頭の中が茫然として冷静な思考力が失われてしまいます。例えば家族やペットとの死別・恋人との別れ・親しい人からの裏切り・多額の財産の損失・大きな災害における被災などが挙げられます。
あまりのつらさに現実感がなくなっている中で、何もかもがどうでもよくなる瞬間が訪れることがあり、破壊衝動に身を任せてしまう可能性があるのです。「大切なものを失ったのだから、もうこれ以上何を失っても同じことだ」と自暴自棄な感情に支配されてしまいます。